「黒いんだよ。 ほら、ね!」
「えっ、みんな 白いんじゃないの?」
おばあちゃんは 笑って
「わたしのしっぽは みんなとちがうから
すぐに わたしだって わかるんだ。
いいだろ? すてきだろう?」
といって 胸をはった。
ぼくは 赤・白だから みんなとちがう
って ずっと 悩んでいたけれど
他にも ちがうところが いっぱいあった。
「みんなと ちがうところが
きみだけの 個性 なんだよ。」
おばあちゃんが 教えてくれた。
「こせい?」
「じぶんだけにしかない 特長が
かけがえのない きみの個性 なんだ。」
おばあちゃんは ウィンクして 笑った。
早く 学校に行って ぼくと みんな
どんなところが いっしょで
どんなところが ちがうのか
みんなのことを もっと 知りたい。
ぼくは マスクをとって 走った。
頬にあたる風が 気持ちよくて
いつのまにか 笑っていた。
ちがうところが、すてきな個性。
ぼくは ごきげんだった。