ある日のことでございます。
お釈迦さまは極楽の蓮池のふちを、
ひとりでぶらぶらお歩きになっていらっしゃいました。
池の中に咲いている蓮の花は、
みんな玉のようにまっ白で、
そのまん中にある金色のずいからは、
なんともいえないよいにおいが、
たえまなくあたりへあふれております。
極楽はちょうど朝なのでございましょう。
そこへ泰広王がお越しになり、
「昨今の罪人にはほとほと手を焼いております。」と嘆きます。
何が泰広王を苦しめ、悲しませているのか、
お釈迦さまはおたずねになりました。
「インターネットと申しますものの普及によって
生前、本名ではない名をいくつも持ち、
名ごとの悪行をひとつにまとめあげるのに
大変な労力を要しております。
仮の名を持った彼らは標的となる者を
電子の言葉なるものによって攻撃し続け、
相手を自死にまで追い込むのですが、
本人にはまったく罪の意識なく、
むしろ彼らからするとその行いは正義であり、
殺めてなどいないと訴えます。
地獄行きの判決に納得できない彼らは
不服を申し立て、再審を求め続けるのでございます。」
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