第307話 肌色万歳

2010年09月09日 05時10分04秒 | 子育て・「おママごと」

息子がとびひに。
年がら年じゅう何かと掻いているので、いつものことと思ってしまったのが、
伝染性膿痂疹(とびひ)発見の遅れ。
その名の通り、あっと言う間にひろがって、現在鎮火活動中。
その症状を前に、アトピーが一番ひどかった頃のことを思い出す。
行きつけの皮膚科に行くと、いつもだいたい3時間待ち。
月曜は4時間。憂鬱な時。

息子がまだ赤ちゃんだったころ。
アトピーにいい病院があるときけば、電車を乗り継ぎ、息子と共に向かった。
たいがいどこでも待たされた。
今度こそツルツルの赤ちゃん肌に。赤い斑点模様の肌を肌色に。高まる期待。
グズる息子をあやし、ようやく迎えた診察。
先生から開口一番「どうしてこんなになるまで、ほっておいたんですか!」とよく叱られた。
ほっておいたわけではないのだが・・・
息子の前で怒られ、この子がかわいそうではないのかとステロイド治療に対する有効性を説かれた。
ヘトヘトに疲れ、病院に行くのが億劫になった。

漢方でいい病院があると教えてもらう。もちろん遠方。
通院の距離ではなく、そこに通うということは母乳をあきらめねばならず、
考えた末、行かないを選択。
どの病院に通い、どんな治療を選ぶか。親である私に全権限があった。
私のこだわりの為に、息子には随分遠回りの治療をさせたのではないかと思う。
あの時、さっさとステロイドを塗っていたら・・・? 母乳をやめていたら・・・?
息子はもっとぐっすり眠ることができたのだろうか・・・。

もう待つのも、怒られるのも嫌。
こんなひどい状態の息子を連れて、外出できない。
受診放棄にひきこもりまで重なった頃、
見かねた両親が私の代わりに早朝から診察券を入れ、私の代わりに順番を待ってくれたのが今の病院。
塗り薬が息子にあい、調合薬として何が入っているのか一見してわからないのが私にあった。
皮膚科、小児科、アレルギー科・・・色々な先生がいて、色々な治療法を体験し、
ようやく辿り着いた行きつけの病院。

薬を塗る時、手が震えるほどだったとびひのピークを乗り越えたのか
赤くじゅくじゅくだった楕円形のひとつひとつが乾き、今はクレーターのように薄く跡を残しているだけ。
肌色が多くなってきたことが、嬉しい。


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