第１７１話 お子ちゃま漬け

会いたい
早く、一刻も早く、物狂おしくあなたのもとへ駆けていく。
あなたを強く抱きしめながら「会いたかった」耳元で囁いてキス。

保育園でのドラマチックな再会を果たし、
私の右肩にへばりついている息子を抱えながら思う。
私がこんなにもストレートに愛を表現できるなんてね～
自身の素直さに子供ができてよかったと。

帰宅しても私からはがれない息子を何とか引き離しベランダへ。
振り向けば、窓ガラスをたたく息子！　映画「卒業」？(ホフマン、ちっちゃ)
ご飯の支度に台所へ。フローリングにうちひしがれ、泣く息子。
だからあなたのご飯の用意なんだって。
私が背中を向けただけで大粒の涙を流して泣く息子。韓流？
お願い、おトイレに行かせて・・・
再会したが最後、片時だって離れたくないらしい。
はいはい、抱っこ、抱っこすりゃいいんでしょ（トホホ）
抱き合いながら一緒にトイレ（涙）
未だかつてこれほどまでに私を愛した男がいただろうか・・・
子供ができてよかったこと？

横から見るほっぺたの「つ」（形）
輪郭を柔らかくふちどる産毛。
音楽にあわせて踊る屈伸ダンス。
よちよちペンギン歩き。おもちゃ片手に千鳥足。
靴を履いただけで立てなくなる不器用さ。
ワンサイズ大きな服をきせてもひっかかって抜けぬ頭の大きさ。
頭のわりに華奢な肩のライン・・・・
すべてがもう！　たまらなく可愛い！！

働き始めてからの生活はさらにドタバタと過ぎていくけれど、
カッチーンとくることもぼやくこともあるけれど、
それでも、ほんの少しでも、しんどさよりも楽しさが上回るから不思議。
辛いことよりも子供ができてよかったことの多さに支えられ、
良くも悪くも、苦も楽にもお子ちゃま漬け。
アッという間に過ぎる一日もまた幸せなのかな。

※週末ごとの子の体調不良。化粧をしたままいつ寝たのかもわからない日々の中、ずっと気になっていました。
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