私はカタカナをデザインした人間とは
酒が飲めない。(略)
味気ない直線である上に中身はスカスカで、
そのくせどんな国の言葉も包摂しますという
厚顔でありながら、どこか一本抜いたら
たちまちただの棒切れと化す構造物に
愛着など持てるわけがない・・・
こういう感覚のカミングアウト、好き!
建築家の女の人・牧名沙羅(マキナ サラ)の
独白(比喩、思考、つまり言葉)が
面白くて、その他の登場人物も 可笑しくて
先の読めない斬新さ。
結末に向かって はやる気持ち。
九段理江著「東京都同情塔」。
人間は元来、不寛容な生き物だよ。
不寛容どころか、
関わりのない他人には
自分より損をしていてほしい
とすら願っている。
結末、遠くない未来に向かって
明るさだけではない様相を帯びて・・・
荒涼が広がる。
「推し、燃ゆ」(第4049話)、
「おいしいご飯が食べられますように」
(第4071話~第4072話)、
そして「東京都同情塔」。
ここのところ 積極的に芥川賞受賞作品を
読んで イメージを一新している。
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