(前話の流れから)
男性にとっての母親の存在といえば、父もおかんの子供であった。
祖母は5人の男の子を産んだが、1人、水難事故で亡くしているので、
4人兄弟を育てあげた。
祖母をはじめ、父からも亡くなった子供(父にとっては、弟)の話は話題にのぼることはなかったが、
亡くなった四男が非常に聡明な子供であったことを母から聞いたことがある。
近くの川で遊んでいての事故であったらしい。
それまでずっと父は4人兄弟だと思っていたし、
祖母にそんな過去があったことなど知らず、衝撃であった。
私が息子を産んでからのある日、
「こんなちょっとの水でもな、亡くなる子は亡くなるねん・・・絶対、目ぇ離したらあかんで」
唐突な忠告ながら、その真剣さに私は頷くしかなかった。
私も子供を産み、母となった今、
祖母が亡くなった我が子を思い、どれほどの涙を流し、また、隠してきたことか
その計り知れない悲しみを思う。
話はそれたが、
納棺の儀(第390話・「家族葬」参照)、4人兄弟が祖母の死装束に手を添えていく。
長男である父で64歳、
大の大人が母親の体に触れるということは日常生活ではないことであろう。
指示に従って神妙な面持ちで紐を結ぶ祖母の子供たち。
母、危篤。
父という男の子は足繁く面会に通っては話しかけることもなく、すぐに病室から出てしまう。
祖母の変わり果てた姿を見るのが辛いのだと。
そう言って父は笑っているつもりであろうが、私には泣いているようにしか見えない。
葬儀中、4人の息子たちはそれぞれのタイミングで涙をぬぐう。
普段の様子から計り知れなかったが、4人の男の子たちは、皆お母さんが大好きだったのだ。
女性のように流れるものではないだけに、その一粒、一粒に祖母の偉大さを感じる。
男性にとっての母親の存在といえば、父もおかんの子供であった。
祖母は5人の男の子を産んだが、1人、水難事故で亡くしているので、
4人兄弟を育てあげた。
祖母をはじめ、父からも亡くなった子供(父にとっては、弟)の話は話題にのぼることはなかったが、
亡くなった四男が非常に聡明な子供であったことを母から聞いたことがある。
近くの川で遊んでいての事故であったらしい。
それまでずっと父は4人兄弟だと思っていたし、
祖母にそんな過去があったことなど知らず、衝撃であった。
私が息子を産んでからのある日、
「こんなちょっとの水でもな、亡くなる子は亡くなるねん・・・絶対、目ぇ離したらあかんで」
唐突な忠告ながら、その真剣さに私は頷くしかなかった。
私も子供を産み、母となった今、
祖母が亡くなった我が子を思い、どれほどの涙を流し、また、隠してきたことか
その計り知れない悲しみを思う。
話はそれたが、
納棺の儀(第390話・「家族葬」参照)、4人兄弟が祖母の死装束に手を添えていく。
長男である父で64歳、
大の大人が母親の体に触れるということは日常生活ではないことであろう。
指示に従って神妙な面持ちで紐を結ぶ祖母の子供たち。
母、危篤。
父という男の子は足繁く面会に通っては話しかけることもなく、すぐに病室から出てしまう。
祖母の変わり果てた姿を見るのが辛いのだと。
そう言って父は笑っているつもりであろうが、私には泣いているようにしか見えない。
葬儀中、4人の息子たちはそれぞれのタイミングで涙をぬぐう。
普段の様子から計り知れなかったが、4人の男の子たちは、皆お母さんが大好きだったのだ。
女性のように流れるものではないだけに、その一粒、一粒に祖母の偉大さを感じる。
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