第49話 April snow

2005年04月07日 23時56分04秒 | Weblog

風に吹かれて、はらはらと桜が舞っていた。あ、四月の雪…

昨年4月、来日記者会見で、ヨン様、宣わく、
「言葉や文化を学ぶことは、相手を理解すること、ひいては愛することの始まり。
そうしたきっかけを「冬のソナタ」や私が作れたとしたら、誇りに思います。
これからもそうした機会をもっと作れるよう、最善を尽くしていきたい」
冬ソナブームが「日韓交流進める好機に」なることを願った新聞抜粋記事より。
この新聞掲載写真の横には、ペさんファンの集いに詰めかけた女性達の言葉がある。
このころまだ、ペさん、だった。
そのころの電車のつり革広告の中には、林家・ペー様がマフラーをして微笑んでいるものもあった。
先日、食堂で見たお昼のテレビニュースではキャスターが、ヨン様、とよんでいるではないか!
とうとうここまで?
きいたところによると、韓国行きの飛行機が今ではジャンボ機になっているという。
経済をも動かす韓国の文化力!!
国家のソフト面の重要性を改めて思う。
1年前、記者は純粋な感動が相互理解の原動力になると信じたいと綴っている。
ヨン様宣わく、
「冬のソナタを通して日本と韓国の人々が内面的な連帯感をようやく築き始めたところだと思います。これを機に、日本と韓国の交流が進めばと思います。
アジアは一つ。映画界が交流を深めれば、米国やヨーロッパに負けないマーケットを作れると思います」

「私は日本人です」ということがあっても、「私はアジア人です」と思ったことすらなかったな…
命は一つ。地球は一つ。アジア人同士、地球人同士、平和の素晴らしさを共感しあえたらいいなと思う。
私たちは地球人なのですから。

韓国には初雪に願いをかける習慣があるという。春に舞い散る雪を見つめて、私も願う。

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第48話 異文化コミュニケーション

2005年04月06日 23時55分07秒 | Weblog

「ねえねえ、面白そうな企画を見つけたんだけど…」
「なに?」
「大台ヶ原ご来光ツアー!」なんて…とてもいえない。
「素敵なカフェ見つけたの。今度一緒に行かない?」とは訳が違う。
誘えない…かといって、一人で山に登るわけにはいかない。ツアーなら…
思いきって一人参加を申し込んだ。

案の定、まわりはご年配の方々ばかり。当時26歳、最年少参加間違いなしの状況。
一人、黙々と歩く私の耳に、小鳥の声と川のせせらぎ、ご婦人方の慶弔報告会話が飛び込んでくる。
突如、ニホンジカ現る。
おばちゃん「まあ~奈良公園の鹿よりずっと気品があるわ~」
私、心の声「ほんとですね。鳴き声もとっても可愛いい!」
さらに一行、散歩道を突き進む。
おばちゃん「わあ~これ見て、これ。見事な苔!」
私の心「コケ?」
おばちゃん達「苔、育てるの、ほんま難しいのにな~まあ~立派な苔」
私の心「え?わざわざ苔、育てるの?」
なになに、会話の流れから知り合いのお金持ちの方が何度も苔を育てようとして失敗している、らしい。
苔がね~。
普段の生活では会話を交わす機会のないご婦人方に学ぶべきこと多し。

初、山の家でのどきどきの一泊、早朝、待望のご来光に出るも、霧雨。
朝食後、立ち枯れの巨木が目を引く正木ヶ原、牛石ヶ原を越え、晴れ間が見え始めた頃、大絶壁の大蛇へ到達。
おばちゃん達、口々に「よかったね~無事にここまで辿り着けたね~ありがとう」
ご婦人方一斉に感謝の合掌中。私も、それに習う。
ご来光ツアー、ありがたきツアーに成りて、無事修了。

※初めて山に登った時、すれ違う見知らぬ人たちが笑顔で「こんにちは」といってくれるので驚いた。
 慣れないことで照れて小さく「こんにちは」と返しながら、素敵だなと思った。
 すれ違う時も、笑顔で道を譲り合う…いい空気なのだ。

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第47話 アウトプット

2005年04月05日 23時46分06秒 | Weblog

体力の続く限り、一日ひとつ、ほころび茶話んをUPしたい。(に、挑戦中)
帰宅→食事→PCの電源ON→劇団カプチーノHP掲示板書き込み確認後→すぐ随想録へ。

今日は何を書こうかな…から始まり、思いの流れるままに、書き始める。
エッセイの書き方など学んだわけではないので、苦戦。
何か書きたい思いとどう書き出せばいいのかわからない戸惑い。
書き始めたものの思いは思わぬ方向に進み、着地点を見失う。
そうこうしている間に日付変更線が近づいてくる。
まず、できあがったところまで、UP。日時をとりにいく。(せこい)
よし、これで今日もひとつ目標をつないだぞ。
ここからその日、納得できるまで推敲、蛇足、やっぱり削除の繰り返し。(あくまで私レベルで)
これでもういいかな…書き始めから納得まで平均3~4時間、やっと達成。

丑三つ時、ようやく顔を洗いながら、睡眠削って一体何やっているんだろう…
そう思う時もあるが、気持ちよく書けた時は嬉しい。心地よい眠りにおそわれるが、
(自分の中で)うまくオチた時は、これまた興奮して眠れない。
布団の中で、口コミで拡がったほころび茶話ん!ほころび茶話んが本になったら!!共感の嵐!!!
夜のテンションは身の程知らずに高い。心臓にばくばく響く夢を見る。
気づけば朝、出社→残業→帰宅→PC→就寝。

真夜中の現実逃避はさておき、なぜ書くのか?
思うのだ。
私は私にかえる時間が必要なのだと。
なぜ、はまっているのか?
色々な思いを溜め込んできた。この辺で吐きだせるだけ吐きだして、身軽になりたいと。
そうしたら、また新しい何かをインプットできるのではないだろうかと。

からっぽになりたいと思うのだ。

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第46話 粋な桜

2005年04月04日 23時55分46秒 | Weblog

今年も、咲いた!
私のお気に入りは職場の昼休みに垣間見る桜。
建物2階、鍵がかかって入れないその部屋を覗くと、正面に大きな窓が三面見える。
その向こうに桜の木が1本。
ちょうどその高さで枝を伸ばし、花を咲かせている。
ガラス窓に描かれる見事な桜の屏風絵!
外から見上げるより、毎年、この桜を正面に望むのが好き。
(ゆっくり眺めたいのだが…今は使っていないその部屋を、用もないのに外から
戸にへばりつかんばかりに覗き見る私は相当怪しいので人目を忍んでこっそり愛でている)

忘れられない花見がある。

3、4、5月、一年で最も忙しい時期である。
体力のペース配分下手な私は、休日は倒れ込むように眠るだけ、翌週への力を蓄えるのみで、
花見に行く余力などない…と残業中、先輩にもらしたところ、
今日はここで切り上げて、これから花見に行こう!ということになった。
帰り道、先輩の車が停まったのは団地の前の短い桜並木。
団地のライトアップがほのかに明るい午後9時…桜、貸し切り状態…穴場?
夜空に白く、品よく映える桜を見ながら歩いていると、
前から中学生野球部男子三人組、並木道外を自転車に乗って走り去るのだが、
途中、その内の一人が

「この桜の木の下でな~キスした恋人は永遠に結ばれるねんて~」と残して…。

きっと、気を利かせた彼は先輩と私の間にあいた距離を縮めようとしてくれたのだろう。
けれど、先輩は既婚者、私とは単なる職場の先輩、後輩である。
彼らが過ぎ去った後、できたてほやほやの伝説に笑い転げた。

あれからもう3年経つが、あの夜の伝説を越える粋な桜にはそうそう出会えない。

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第9話 頬覚

2005年04月03日 23時31分42秒 | Weblog

真冬、冷気の中歩いているうち、やがて寒さを感じなくなる。
その時の、冷たく澄んだ空気がほっぺたの内側に、まぁるく残る感覚が、好き。
(あくまで私個人の感覚なので、すべての方にまぁるく残るとは限りません。
ご了承下さい)

盲目の僧が、「もう夕刻ですね」という。どうしてわかるのか…は、
光を見ずとも和らいだ日差しを頬に感じ、時刻がわかるというお話。
この話をきいてから、私も時折、目を閉じ頬で感じてみるのだが、
私の頬、過敏で困る。

季節の変わり目、風を頬に感じながら肌荒れをおこす。
日中の強い日差しに、負けてしまう。
なので、ひなたぼっこは肌に優しい夕暮れ時。
芽吹く樹のそばにいっても、だめ。
例えば桜の通り抜け、終わるころには熱の花のようなものが私のほっぺに萌えている。
頬だけならまだしも、鼻のまわりにまで…憂鬱。ラブストーリーが似合わない。
四季折々に我が人生をドラマチックから遠ざけ、コミカルにしてしまう
鼻の下の吹き出物よ…その存在がおかしみを誘う。
下向きに診察を待つ皮膚科かな
とにもかくにも、頬は目に見えない分子レベルをも正確にキャッチできてしまうのである。

目下のところ、花粉を肌で感じています。かゆい。
もうすぐ春ですね。

※この文章は2/4付、立春に劇団カプチーノHP掲示板にUPしたものです。
 桜咲き、もう春ですね。

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第10話 暗中模索

2005年04月02日 23時02分26秒 | Weblog

カエル・カードなるものをいただいた。
なになに?
そのままの自分を好きになる「本来の素敵なあなたにカエル」為の心の体質改善ツール。らしく、
60枚のカードにある言葉は、私が今ちょっと忘れてしまっているだけの本来備わる資質。らしい。
心の中で「本来の自分の姿を思い出します」と呼びかけてカードを引けば、
自分の心の声がカードの言葉となって反映されるという。が、
これがなかなか難しい。本来の自分が思い出せない。
本来の私って一体…?
わからないので、私が私を好きだった頃の私を思い出そうとする。
あの頃、まではつきとめたのだが、
あの頃の気持ちを思い出そうとしても、どことなく温度がなくよそよそしい。
毎日、カードを引くとき、目を閉じてあの頃の好きだった気持ちを思い出し、
今、同じテンションで思い出せない分、
これから先、もう一度カエルことができるのかな…見えない不安が襲いかかるが、
いや、またカエリタイと願ってから、1枚選んで、目を開ける。
そこには、優しく私を励ます言葉ばかり。
そうこのカード、60枚すべて心が軽やかになるポジティブな言葉ばかり、らしい。
2日連続、同じカードをひき、意味あることに思える「許し」
「心の奥にある古い怒りや傷ついた感情を手放す時」のお告げを前に、
で、それは…どうやって?
悩みながら進むしかないのか…具体的な方法論は自力。結局、我にカエル。

「カエルカードは占いではない」のだが、占いといえば、
最近、携帯に毎朝、細木数子先生の占いが届くようセットしている。
当たる当たらぬではなく、占いのみを過信しすぎぬよう、ほどよい期待に留め、
日々小さく何かを信じる心の確認と、距離ある第三者からの言葉の説得力を楽しむ。

迷いの中、ただ、ほんの少し「力」を「エル」為のアイテムとして使うようにしている。

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第11話 離れ

2005年04月01日 23時50分53秒 | Weblog

今日は私の建国記念日!
あの当時…記念日好きだった私が、一人暮らしを始めた日。
住む家はそのず~っと前に契約を終え、家賃を払い、徐々に家電製品も揃え、終わっていた。
後は身の回りのものを残すばかりのところで、なかなか引っ越しできない。
父も弟も車を出してくれないのだ。さんざん頼んでも、二人は動いてくれなかった。

私の場合このまま実家にいてはいつまでたっても甘えてしまう…自立しよう。
自分で生活できることが自信に繋がるのではないか…
そんな期待を込めて決意した一人暮らしである。
にもかかわらず、私自身も家を出る勢い(きっかけ)をつかめずにいた。
仕方がない。引っ越し目標日を建国記念日に定めた。
実家暮らしの期限と定めたその夜、私は何かにつけて家族にいちゃもんをつけた。
「ずっと前からさんざんゆってるのに、ちょっとぐらい車出してくれてもいいやんか!」
親子喧嘩の勢いをかりて、家を飛び出した。
自転車につめるだけの荷物を積み、ふらふら新しい家にむかった。
新居での初めての夜、今まで気にかけなかった音が気になり、なかなか寝付けなかった。
風の音、冷蔵庫の音…。部屋もなかなかあたたまらない。寒かった。

翌朝、実家を訪ねた。
父が「…よく、眠れたか?」とそっぽを向いたままつぶやくので「…うん」と答えた。
台所で母が「あんたに家から出て行ってほしくないから、お父さん車ださへんかってんで~」と
真っ向からいうので、私は「…うん」とそっぽ向き、冷蔵庫の中を物色した。

しばらくは朝起きて、あらぬ方向に向かって歩く自分に笑えなかった。
おトイレも、洗面所も…実の家とは違う場所にある。
体に染みついた生活習慣歩数が心地よく、新しい家に馴染むのに時間がかかった。
一人暮らしをして、ポンとはでてくるはずもないご飯ができるまでを思い知った。
人気のない家の寒さを知った。安心して眠れていたことを知った。
なんと水に垢があることを知って、母が磨いていてくれていた私の知らない時間を知った。
あの日の父の言葉をきけて…
照れずにちょっとしたことでも家族に「ありがとう」といえるようになって…
一人暮らしを経験してよかった…と思う?

母の見つけてきた私の城は、左手は祖母の知り合い、右手は母の知り合いが住む
という偶然に見守られ、実家から徒歩3分、家族全員合い鍵を持っていた…
お家騒動虚しく、恥ずかしながら、まだ私の独立記念日なるものは、ない。

※この話は2/11付、劇団カプチーノHP掲示板に公開していたものです。

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