怪しい男！

先週木曜日の午後のこと、こげが小屋の屋根からけたたましく吠えるので出てみると

見なれない若い衆（若い人のことをたまに老人はワカイシという）が母屋の門のほうに

歩いていく。何かを小脇に抱え胸から名前ケースのようなものをぶら下げているのが見

えた。どこから来たのか近くに車も止めていない怪しい！と直感した私はこげのあとに

ついて母屋に行った。門をはさんでおばあちゃんが何やら答えている。こげが吠えたの

か首根っこを掴んでいる。私が登場するとそのワカイシがニコニコと「こんにちは」と

話しかけてくる。「ただいまこの近所で　リサイクルになる物をまわって探しているん

ですよ～」「はぁ（こいつは要注意やな）」「何か古くなったバッグとかありません

か？」「ないですね」ワカイシは門越しに茶色のショルダーバッグを見せながら「こん

なバッグですよ、お買い物とかに持って行くような」「（それってダサくね？私が学生

の頃に売られてたようなブランド物でもなんでもないヤツみたいに見えるけど）いやぁ

ないですね」「部品が壊れているような、ゴミに出してもいいようなもの」おばあちゃ

んが「ないの～」私「そんなのはゴミに出すからないです！」「でしたら、貴金属で

サイズが合わなくなった指輪とか、壊れたネックレスとか」「（やっぱ！こいつテレビ

でやってた古い貴金属を出させて、こちらが売るとも何も言わないうちに二束三文の

お金を置いて持ち去るつー、あの手口と同じやん）すみませんがありません！！」と

二人で拒否したら帰って行ったわ。アブナイアブナイ。リサイクルとか買い取るとか

そんな言葉で、再現ビデオのおばあちゃんは親の形見の貴金属を見せたあげく、ぱぱっ

と領収書を切られ、買ってもらうつもりの古着物数枚と数個の貴金属を三千円で持って

行かれて、泣いていた。一人暮らしゆえ会社に抗議の電話をかけるのも仕返しが怖くで

きないし、他のパターンでは電話で相手にすごまれ、形見の指輪を泣く泣く諦めるとい

う被害が出ている・・・というのを夕方のニュースだったかやっていた。

　昔、戦後も街から田舎の家に買い取りにきたことがあったとおばあちゃんが言ってい

た。うちなんか家が古いから　何か骨董があると思われ三十年くらい前に古物商みたい

な人が来たっていっていた。鑑定団とかお宝ブームとかで怪しい奴らがやってくるのは

とても怖いし、こんな詐欺集団みたいな奴らもコワイ。やはり、直感的に怪しい・危な

い・わけわからんと思ったら、とことん戦うべきかな（なにをかいわんや・・・）