こげの耳に★ねんぶつ★

たわいない日々の思うことと愛犬こげと花が咲いていたら花の写真など

がんばろう

2011-06-13 05:30:30 | いろいろ


6月のはじめ 朝刊をポストから取り出した時にこのウチワが入っていました。月末の集金のと

きに渡し忘れたのかな。裏には『がんばろう、日本!』 読売センター 串本 と書かれた文字

があり、表には赤ちゃんが左手をのばし、その瞳が上空を見上げた写真が写っています。

 東日本大震災から11日で3ヶ月。大地震と大津波の未曾有の災害からいまは福島第一原発の

放射能汚染にばかり目も耳も向けられているような現実に、実際二万人以上の死者・行方不明者

の家族や友人たちは置き去りになっていると感じているのは、私だけではないだろう。

 放射能は恐ろしい、詳しく知らないけど恐ろしい。漏れた時の危険をいつの間にかありえない

こととして忘れていた私達は、おバカだった。原爆を唯一落とされた国民は今回の事故が起きる

まで原子力発電の仕組みも、すべて学者まかせにしていたし、国家も怖さを隠して推進ばかりを

してきたあげく 毎日の報道でもいまさらの試行錯誤を繰り返している。土壌汚染も海洋汚染も

空気汚染ももう取り返しのつかないことになっている。なんとか収束させようと現場に入って

働いている人達にも家族はいるし、なんでこんなことになってしまったのかと自然災害だけでも

私達は立ち直るにも時間がかかるのに、原発事故は本当に先が見えない。

 『脱原発』それがいいに越したことはないけど、国として産業も国民生活も繁栄させていくの

が、幸せのひとつでもあるのだから 即廃炉というわけにはいかない。工場も企業も病院も、

なんだって電力に頼っている、いかに便利な生活を私達は求めすぎたから。節電タイプの家電で

あっても電気は使っている。電車は街では5分おきにやってくる、あちこちの電光掲示板に

年中無休のお店、夜の街の異常な明るさ、深夜のテレビ、それもこれも私達が希望したことだ。

私達は『脱原発』が成功した時に、「でも夏って暑いよね」とか「もっと自動で便利にならない

のかな」とかきっと思うと私は思う。そうやって私達の親の世代が戦後日本をいろんな分野で

世界に技術を披露できるまでの国に仕上げてくれたのだ。その途中では、公害や乱開発なども

引き起こしながら、それでも少しでも住みやすい国へと進んできた。その過程を私達は社会科と

いう授業で学んできた。子供の頃の社会の教科書で日本の国の輸出量が伸びていく右上がりの

グラフを見て、「これからは戦争もない平和で世界の中心になっていく日本」を夢み、実現した

ら、昔の勤勉さや思いやりがどこかでねじれて消えてしまったように思う。妊婦さんや赤ちゃん

をもつ人達は不安でしかたないだろうから、そんな原発はいらないと思うのは当然だけど、

でも電気生活の中で育ってきたのは事実だから、どうか新時代にむかって新しいエネルギーを

環境破壊も少なく効率的なものを開発してほしい。



読売新聞の朝刊コラム『編集手帳』(3月31日)が書かれています。

震災の夜、宮城県石巻市の避難所で母親が産気づき、被災者の女性たちが手を貸した。停電の中

懐中電灯の明かりを頼りに、へその緒を裁縫用の糸でしばり生まれた赤ちゃんを発泡スチロール

の箱に入れて暖めたという・・・日本人の一人ひとりがあの地震を境に、今までよりも他人の痛

みに少し敏感に、少し涙もろくなった新しい人生を歩み出そうとしている。原発事故も深刻な危

機が続いている。復興の光明はまだ見えないけれど 君の成長と「寒き世」が「あたたかき世」

になる。する。どちらが早く足を踏ん張って立ち上がるか、競争だろう。名前も知らぬ君よ。た

くましく、美しく、一緒に育とう・・・  

 これから私達はこの自然災害の脅威と、原子力発電所の爆発事故をのちの世に伝えていかな

ければならない。そのためにも悲しい現実を忘れてはいけないと思う。      
コメント (2)
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