
ツルウメモドキ
先日、おじいちゃんをかかりつけ医に連れて行ったときの事。待合室にはたくさんの
お年寄りが長椅子に座り、呼ばれる順番を待っていました。どの人が診察で、どの人が
お薬だけなのかわかりませんから、かなり待つ時間が長いなと思いながら、持参した
『小説新潮 新春号』を読みはじめました。そのうち一人二人と帰っていき、おじいち
ゃんが診察室に呼ばれて入って行くのと入れ替わりに、どこかのおじいさんが診察室か
ら出てきました。私の座った椅子の3メートルほど前でおじいさんは一緒に来たおばさ
んに話しかけながら、モゾモゾしはじめベルトを外しにかかったので、「やはり、そう
なるか」と私は思ったのだよ。病院に付き添うと必ず見る風景で「いったい公共の場と
思ってないのかよぅ」・・・。ベルトを外し ズボンを下げ肌着をきれいに整えズボン
を上げ、ベルトを締める。まわりに女性がいようがお構いなしにするおじさん~おじい
さん類の病院待合所の風景。あれってなに?女の私には理解できません。なので私は
観察するように心がけている。見せられる側(いや見たい!と思ってる女性はいない)
はたまったもんじゃない。広い待合所なら目のやり場もあるだろうけど、小さな医院
とかで目と鼻の先でやられたら、たまらない。ただ、男側にしても一応、慎み?も
あるのかたいていは壁のほうをむき、そそくさ・・とならいいのだが、家でもそこまで
丁寧に整えないやろ!と想像してしまうくらい、ゆっくりとズボンを上げる。最初、
私が「なんてこったい!」と思ったのは、実はうちのおじいちゃんが田辺の国立病院
のレントゲン室前の廊下兼待合でこの行動をとったときで、私も少し若かったので
廊下を歩く人の目もあって、顔から火が吹くありさまだったのだ。幼い子供ならわかる
けど、長い年月生きてきたのにこんな人前でするのかよぉ~だ。そんなことを何回も
(途中何度も注意したけど、本人は聞く耳もたない)体験すると、「あぁ男ってそんな
ことすんだわ」とこちらが開き直ったような気持ちになってきた。よくよく見れば
病院ではそんな『よろしくない行動』をする輩が、たんといた・・・いるのに気がつい
た。なんで診察室でやってこない、モゾモゾするならトイレでやれよ!とおじいちゃん
にも全然知らない他人さまにも思ってしまう。その行動が、よろしくないと思っていな
いは何故なのか?広く世間一般に許されることなのか?日本人は他人の目を気にする
「世間様に顔向けできない」「風采がわるい」とかよく言うのになぁ。私なんか
「そんな恰好したら ふうが悪い」「そんなことしたら ふうわるい」とこの父親にも
母親にも言われ続けたのだが、言った本人は自分はOKみたいだ。
で、待合室で私は「この行動はいつ頃からしはじめたのか?」とその起源を考えた。
時代だ・・たぶん明治時代もそうだろう、その前江戸時代か?時代劇でよく家長が
刀を抜き、奥方に渡し羽織はかまを外して、部屋着の着物を肩に掛けてもらいながら
着ているシーンを見るけど、その時も少し背を向けるか。この頃か・・でもこれは
武士のパターンだ。庶民は羽織はかまは豪勢な商家の婚礼くらいのときに身につけるく
らいだったと思うので(『必殺シリーズ』で見た)、一般の町人は着流しか職業によっ
て、もっと丈を短くしてパッチを履くとかしていたと思う。その頃から人前でも堂々と
着物をはだけていたのだろう。でも、このみっともない動作は夏場には見られないのだ
まったくではないけど、どうやら冬場はズボンの下にラクダの股引みたいなバッチを
老人は身につけている。99.9%間違いなくだ。真夏の暑い時はパンツ一枚なので
いくらなんでも、待合所で後ろ姿とはいえできないのだろう。なかにはステテコという
ズボン下を履いている(おじいちゃんもそう)者がいて、そういう人は冬夏関係ないみ
たいだ。一種の癖みたいか?自分が傍の長椅子に腰かけているご婦人がたに迷惑をかけ
ているなんてことは、これっぽちも感じてないのだな。そういうところが もう人の
ことまで感じていられるか!となっている証拠なのだと私は思う。
どういう心境でやられるのか、知りたいわけではないが不快に思っている女性が五万と
いることを頭に入れておいてほしいもんだわ。幸い、このブログを読んでくださってる
のは40代~の男性が多いように見受けられるのだが、くれぐれも70代くらいから
このような『よろしくない行動』を慎んでいただければ、周りの女性に嫌われないと
思います。まさか 現在もう行動しちゃってる・・・という人いないですよね?
女性はそんなことしませんよ、女性はトイレで直します。女性が電車内でお化粧を
直すのがみっともないという投稿が新聞に載った時代もあったけど、最近は電車内で
一からお化粧を始める女性がいるんだとか。それと同等くらいなことかな。
若者が待合所で、モゾモゾとズボンを下げて衣類を直している姿は見たことはない。
私の小栗旬がそんなことやっていたら(そんな風景は見たくはない)ショックだ!
少し年齢を上げて、大沢たかおでも佐藤浩市でもしかり・・・。寝込みそうだ。
まったく、自宅と公の場を同じにしてもらうと困るのは異性なのだからね。この行動
は家で思う存分やってもらいたい。
そうなんだよぅ なんと2月5日新宮に佐藤浩市がやって来るのだ。石橋蓮司も。
昨年亡くなった原田芳雄が新宮市のお灯まつりに何度も参加し、作家故中上健次とも親
交もあり縁があるのだ。佐藤浩市は原田芳雄の最後の主演作となった『大鹿村騒動記』
に共演していて、そのつながりでやって来るのだ。その情報は昨年末に地方紙で知って
いて「生佐藤浩市を見たい!」と思っていたのだが、なんとその早朝、私達は新宮を
横目に次男君の引越しを敢行するために愛知県に向かうのだ。縁がなかったのね。