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“技術者倫理とリスクマネジメント”を読んで

いつも本を表題で選んでしまうが、今回の本の表題は“技術者倫理とリスクマネジメント”と、私にはきわめて魅力的に思えるものであった。実際に読んでみて感じるのは、化学工学系の技術者として生きた著者の深い反省をベースに、そのあるべき姿を追究した生真面目さである。すなわち、技術者はどうあるべきかを、知ることができた限りのエピソードを集めて何らかの教訓を引き出そうとして格闘した結果だと言える。 しかし、おおよそ“リスクマネジメント”を標榜する割には、今や少々もの足りなさを感じてしまう。つまり、著者の“良心的常識”から発する極めて原初的な“リスクマネジメント”でしかないからだ。それは、“リスクマネジメント”と称するからには、ある程度の定式化された手法―例えば ISO31000やISO22301等の規格に従った手順など―に従って課題となる対象を分析し、対処するという姿勢が必要と思うが、そこまでできていないからだ。 . . . 本文を読む
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