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ひろ さちや・著“道元 正法眼蔵―わからないことがわかるということが悟り”を読んで

今回も ひろ さちや氏の本を紹介したい。今度は ひろ さちや氏がNHKの番組“100分de名著”で解説した内容を本にしたもので、“道元 正法眼蔵―わからないことがわかるということが悟り”だ。小冊子だが、道元の本質を分かり易く解説している良書と思う。 著者は、『正法眼蔵』を哲学書として読めば、それほど難解ではないと指摘している。禅の指南書として読むのは当然だが、一般人は哲学書として読んだ方がよいとのこと。ところが“哲学書というのは、何の前提もなく、ただただ人間の理性・言語によって真理の世界を解明しようとするものだ。” 「不立文字・以心伝心」の禅の世界で、何故、道元は『正法眼蔵』を書き遺したのか。それは“ただただ言語を武器として、悟りの世界を解明し、叙述したかったのだ。それによって彼の信じる「正伝の仏法」を後世に伝えたかったのだ。”と著者は言う。 道元哲学を理解するキィワードは、“生死即涅槃”、“煩悩即菩提”、“仏即凡夫”や “色即是空”での“即”であり、“時節因縁”、“即今・当処・自己”、“心身脱落(忘我)”、“修証一等(ただ高みに歩みつづける)”であるという。 . . . 本文を読む
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