The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
解体措置中の“ふげん”見学会に参加
先週の10月11日(木)に、敦賀にある新型転換炉“ふげん”の廃炉作業の途中経過を視察した。これは、一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所(AMPI)ものづくり支援センターの主催する見学会参加によることだった。見学先は、正確には独立行政法人・日本原子力研究開発機構原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) (敦賀市明神町3)であり、その廃炉解体を技術支援するレーザー共同研究所(敦賀市木崎65-20)の見学も付随していた。
JR尼崎駅近くの温泉施設脇からバスで8:30に出発し、名神、北陸から敦賀インター・チェンジを経由して、まずレーザー共同研究所を見学し、昼食、その後“ふげん”に至り、往路を逆にたどり出発地点に18:00に戻るという計画で かなり慌しい予定であった。途中のトイレ休憩は、往路・復路とも多賀サービス・エリア10分で、土産物やバス中で欲しいと思ったものを物色するには不十分であった。
まずは、敦賀市街地にあるレーザー共同研究所に11時過ぎに入る。2階で活動の概要説明を受け、ついで1階にある研究現場を見学。
レーザーを使った研究開発は“現場への応用技術開発”や“基礎的研究”、“原子炉等の解体技術開発”等を柱にして活動しているという。
具体的代表例は、溶接・溶断のメカニズム(物質挙動)の解明とモデル化、プラントの細管減肉補修の肉盛溶接、原子炉解体に必要な技術である“水中切断”、“サンプリング技術”であるという。“ふげん”に使われている150mm厚のステンレス鋼の切断も可能とのこと。レーザー光は、福島原発事故で生じている溶融核燃料物質の除去に役立つものだということだった。スリーマイル島でのこの溶融デブリの除去の経験では、それが超硬のダイヤモンド刃を使用したドリルを用いてもすぐに刃欠けを生じ、作業が進展しなかったということであり、それに対し、レーザーの瞬時照射で熱歪を生じさせ、脆化で破壊することが可能となっているとして、アルミナのペレットを破壊するデモンストレーションをしてくれ、その断片はジルコニアも含めてサンプル展示していた。
一方、グラス・ファイバーをレーザー加工して他の無機物質による繊維とを使ってある種の布を作り、それを圧力センサーとして使用できる見通しも立てていて、これを実機の原発プラントや化学プラントに適用することで、プラント配管の応力負荷の実態をリアルに観察・記録できるようになるという研究もあった。
さらに、原子炉補修機器開発からの発展として医療機器への応用も開発中とのことであった。つまり、外径1~2mmφの複合型光ファイバー(中心にレーザー伝送用の光ファイバー、その周囲に約1万画素の画像伝送用、最外層に証明用のファイバーから成る)を開発した由。地元の医大との共同で応用技術の開発中とのことであった。
それから、“もんじゅ”を念頭にした開発であろうか、金属ナトリウムを透過・透視するためのレーザー光の研究も紹介していた。
こういった開発技術とロボット技術の組み合わせで、福島事故に対処して行きたいとのことであった。
ここで、AMPI手配の弁当で昼食し、12時半頃、“ふげん”に向かって出発。
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30分後の午後1時頃、日本原子力発電㈱敦賀発電所を左手に見つつ“ふげん”の正門に到着。原電の用地自身は、敦賀半島の突端に位置しているのだが、実際にはその半島の奥深い入江の奥に位置していて、武力攻撃の標的にするには困難な場所のように思える。つまり外洋からは、山影になっており見えず、敦賀湾に入ってからも さらに狭い入江の奥にあり、炉本体は殆ど見えないのだ。“ふげん”は、原電の2つの原発のさらに奥に位置している。しかし、ここは最近 活断層の存在が懸念され、残念ながら原電の2つの原発も廃炉判定される可能性は高い。バスが構内に入る正門の手前でバスは停止し、車内でガード・マンによる身分証のチェックと、提出された名簿と対応した丸い番号札の配付を受ける。
入構後まず、管理棟での事前の概要説明。“ふげん”は核燃料サイクル形成のための第一段階のための実証転換炉として建設され、1979年3月に本格運転に入り、“新型転換炉技術の実証、プルトニウムを利用する核燃料サイクルの実証等を行い2003年3月に25年間の運転を終了”したものとパンフレットにはある。この運転で約200億kWhの発電量となった由。また、この“ふげん”の仕組については、“中性子の減速材に重水を使っている”ことが大きな特徴であり、この“重水は、中性子の吸収が極めて少ないなど、減速材として優れた特性を持って”いるため採用されていたとある。そして、“重水は〔練炭状に穴のある〕カランドリアタンクと呼ばれる炉心を構成する容器内に入れられ”ており、“このカランドリアタンクの〔穴の〕中に一定間隔に並んだ圧力管(224本)があり〔挿入され〕、圧力管の中の燃料が、〔圧力管内を流れて燃料棒と直接触れる〕冷却水(軽水)を加熱”し、この“熱せられた冷却水(軽水)は蒸気となり、この蒸気がタービンに導かれ発電機を回して発電”することになる、とある。* つまり、基本は沸騰水型軽水炉であるが、減速材はカランドリアタンクの中にある重水を使っていることになる。また、中性子吸収の少ない重水をダンプアウトすることでも、炉心停止機能が働くという制御棒挿入以外の二重の安全機構になっているとの現場での説明だった。炉容のおおよそは、出力:16.5万kW、炉心高さ:3.7m、炉心直径:4.0mで、現場の印象も巨大とは感じない手頃感のあるものだった。
以上はパンフレットにあった説明で、実はこのような基本説明は口頭では殆どなく、もっぱら解体にかかわる技術説明ばかりであった。
*“”内は原研開発機構のパンフレットを引用。〔〕内は筆者による補足。文章でより図を見た方が分かりやすいが、それは、ネット(図1、図2、図4) 等で理解されたい。
解体に当たっての問題は、燃料棒に直接触れる冷却水の配管とその系統の装置の処理が中心とになる。その部分は250~280℃の温度で、約80kg/cm2の圧力に耐えていたもので、その金属(多くはステンレス鋼)に含まれるCoコバルトが放射性のコバルト80に変化していることだと言う。このコバルト80の半減期が5.2年なので、特に これらの部分の解体は、運転停止後ほぼ5年放置するものだという。また、25年間使用した金属疲労の影響や、ステンレス鋼の熱時効の結果によるフェライト相の形成による脆化等には注意しなければならないとも指摘していた。
海外の廃炉措置状況は、日本の8基を含め121基がその対象となっており、廃炉措置完了が米国の10基、ドイツの1基であるという。とは言うものの、日本でも小型の動力試験炉JPDRの解体は96年に完了した実績はあるとのこと。
炉本体の解体は、放射線防護や 装置にある金属ジルコン起因の発火し易いジルコニアの存在を警戒して、水中で実施する計画にしている。したがって、炉心周囲にはプールを構築することになっている。そのため、水中での切断技術が必要となり、プラズマ・アークやAWJ(水に砥粒を入れて高圧で噴射)、レーザー等を研究しているとのこと。
そういったこと以外には、特に開発の必要な大きな要素技術はないとのこと。廃棄物総量は約36万トンだが、放射性廃棄物となるのは1万トン程度と見積もっている由。また、再利用可能なものは、できるだけ同じような用途へ転用することになっているとのこと。勿論、再溶解するものも出てくるだろうが、そのトレーサビリティ・システムはこれから検討しなければならないとしていた。したがって、福島のような事故がない場合は、解体コストが予測できないことにはならない、と説明していた。商業炉については、電気代の5%程度が解体費として積み立てられているのではないかとのことだった。
用地は、本来 日本原子力発電㈱からの借地であるので、更地にした時点で返却となるとのことであった。
いよいよ、現場見学となったが、使用済燃料棒のプールが定期検査に入っているので、その傍にある炉心へは入れないとのこと。肝心な部分が見れないということで、主催者の事前調査不足に 少々腹立たしい印象を持つ。
ここでは、実際に姿は見なかったが武装警察官のパトロールが常時行われているとのことで、見学者にも厳重なチェックが入る。当初、大丈夫かも知れないと主催者AMPIが言っていたカメラや携帯電話の建屋内持ち込みは不可。したがって、このブログに掲載する建屋内写真はない。さらに、実際に建屋に入る時、正門で配付された丸い番号札は、長方形のID札に交換して着装。さらに線量計を持たされる。一人ずつゲートに入り、ID札がチェックされる。手術時に外科医がするような白い帽子を被り、白い上っ張りを着て 靴下を履き替え、靴も用意されたものを履く。さらにヘルメットを装着してようやく建屋内へ。これまでのいずれの原子炉見学よりも厳しい管理下にあった。
復水器の解体現場では、驚いたことに作業者はマスクもせず普通に作業していた。案内者に聞いてみると、蒸気になった水は放射能の汚染度が低く、放射性物質はほぼ炉心に残留するのだ、ということであった。冷却海水の取り入れ口は既に閉鎖処置されていて、配管も既になかった。このタイプの原発の熱効率に興味があったが、やはり30%を小数点以下のレベルで少し上回る程度のものとのことだった。解体物の表面を 砥粒混入水をジェット噴射して除洗しているが、これが効果あれば、装置化するつもりであると説明していた。
また筆者は、合間の空き時間に 今話題のMOX燃料を順調に、しかも安全に消化した実績から、どうして“ふげん”型の炉が普及しなかったのかを聞いてみた。すると、通常の軽水炉で通常に運転していても、プルトニウムは生じておりそれでも長年運転できている。MOX燃料が危険なものだというのは、あまり合理的根拠はない。日本の使用済み核燃料を加工した英国の会社で、データ捏造事件があったのでマスコミ受けが悪くなったせいだろう、との見解であった。確か、あの事件は物質のトレーサビリティの問題であって、燃料の品質そのものの本質問題ではなかったと私は思っている。MOX燃料に関し、かねてからの私の疑問に真正面に答えてくれたのだが、ここにもいい加減な日本マスコミによる誤解の種があったのだ。
3時半を周ったところで、“ふげん”を辞去。尼崎に戻ったのは7時近くとなり、予定を1時間近くオーバーした。主催者が、道中をかなりキチキチの予定にしていたせいであろう。このような“予定”とせざるを得ない事情があったのかも知れないが。
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JR尼崎駅近くの温泉施設脇からバスで8:30に出発し、名神、北陸から敦賀インター・チェンジを経由して、まずレーザー共同研究所を見学し、昼食、その後“ふげん”に至り、往路を逆にたどり出発地点に18:00に戻るという計画で かなり慌しい予定であった。途中のトイレ休憩は、往路・復路とも多賀サービス・エリア10分で、土産物やバス中で欲しいと思ったものを物色するには不十分であった。
まずは、敦賀市街地にあるレーザー共同研究所に11時過ぎに入る。2階で活動の概要説明を受け、ついで1階にある研究現場を見学。
レーザーを使った研究開発は“現場への応用技術開発”や“基礎的研究”、“原子炉等の解体技術開発”等を柱にして活動しているという。
具体的代表例は、溶接・溶断のメカニズム(物質挙動)の解明とモデル化、プラントの細管減肉補修の肉盛溶接、原子炉解体に必要な技術である“水中切断”、“サンプリング技術”であるという。“ふげん”に使われている150mm厚のステンレス鋼の切断も可能とのこと。レーザー光は、福島原発事故で生じている溶融核燃料物質の除去に役立つものだということだった。スリーマイル島でのこの溶融デブリの除去の経験では、それが超硬のダイヤモンド刃を使用したドリルを用いてもすぐに刃欠けを生じ、作業が進展しなかったということであり、それに対し、レーザーの瞬時照射で熱歪を生じさせ、脆化で破壊することが可能となっているとして、アルミナのペレットを破壊するデモンストレーションをしてくれ、その断片はジルコニアも含めてサンプル展示していた。
一方、グラス・ファイバーをレーザー加工して他の無機物質による繊維とを使ってある種の布を作り、それを圧力センサーとして使用できる見通しも立てていて、これを実機の原発プラントや化学プラントに適用することで、プラント配管の応力負荷の実態をリアルに観察・記録できるようになるという研究もあった。
さらに、原子炉補修機器開発からの発展として医療機器への応用も開発中とのことであった。つまり、外径1~2mmφの複合型光ファイバー(中心にレーザー伝送用の光ファイバー、その周囲に約1万画素の画像伝送用、最外層に証明用のファイバーから成る)を開発した由。地元の医大との共同で応用技術の開発中とのことであった。
それから、“もんじゅ”を念頭にした開発であろうか、金属ナトリウムを透過・透視するためのレーザー光の研究も紹介していた。
こういった開発技術とロボット技術の組み合わせで、福島事故に対処して行きたいとのことであった。
ここで、AMPI手配の弁当で昼食し、12時半頃、“ふげん”に向かって出発。
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入構後まず、管理棟での事前の概要説明。“ふげん”は核燃料サイクル形成のための第一段階のための実証転換炉として建設され、1979年3月に本格運転に入り、“新型転換炉技術の実証、プルトニウムを利用する核燃料サイクルの実証等を行い2003年3月に25年間の運転を終了”したものとパンフレットにはある。この運転で約200億kWhの発電量となった由。また、この“ふげん”の仕組については、“中性子の減速材に重水を使っている”ことが大きな特徴であり、この“重水は、中性子の吸収が極めて少ないなど、減速材として優れた特性を持って”いるため採用されていたとある。そして、“重水は〔練炭状に穴のある〕カランドリアタンクと呼ばれる炉心を構成する容器内に入れられ”ており、“このカランドリアタンクの〔穴の〕中に一定間隔に並んだ圧力管(224本)があり〔挿入され〕、圧力管の中の燃料が、〔圧力管内を流れて燃料棒と直接触れる〕冷却水(軽水)を加熱”し、この“熱せられた冷却水(軽水)は蒸気となり、この蒸気がタービンに導かれ発電機を回して発電”することになる、とある。* つまり、基本は沸騰水型軽水炉であるが、減速材はカランドリアタンクの中にある重水を使っていることになる。また、中性子吸収の少ない重水をダンプアウトすることでも、炉心停止機能が働くという制御棒挿入以外の二重の安全機構になっているとの現場での説明だった。炉容のおおよそは、出力:16.5万kW、炉心高さ:3.7m、炉心直径:4.0mで、現場の印象も巨大とは感じない手頃感のあるものだった。
以上はパンフレットにあった説明で、実はこのような基本説明は口頭では殆どなく、もっぱら解体にかかわる技術説明ばかりであった。
*“”内は原研開発機構のパンフレットを引用。〔〕内は筆者による補足。文章でより図を見た方が分かりやすいが、それは、ネット(図1、図2、図4) 等で理解されたい。
解体に当たっての問題は、燃料棒に直接触れる冷却水の配管とその系統の装置の処理が中心とになる。その部分は250~280℃の温度で、約80kg/cm2の圧力に耐えていたもので、その金属(多くはステンレス鋼)に含まれるCoコバルトが放射性のコバルト80に変化していることだと言う。このコバルト80の半減期が5.2年なので、特に これらの部分の解体は、運転停止後ほぼ5年放置するものだという。また、25年間使用した金属疲労の影響や、ステンレス鋼の熱時効の結果によるフェライト相の形成による脆化等には注意しなければならないとも指摘していた。
海外の廃炉措置状況は、日本の8基を含め121基がその対象となっており、廃炉措置完了が米国の10基、ドイツの1基であるという。とは言うものの、日本でも小型の動力試験炉JPDRの解体は96年に完了した実績はあるとのこと。
炉本体の解体は、放射線防護や 装置にある金属ジルコン起因の発火し易いジルコニアの存在を警戒して、水中で実施する計画にしている。したがって、炉心周囲にはプールを構築することになっている。そのため、水中での切断技術が必要となり、プラズマ・アークやAWJ(水に砥粒を入れて高圧で噴射)、レーザー等を研究しているとのこと。
そういったこと以外には、特に開発の必要な大きな要素技術はないとのこと。廃棄物総量は約36万トンだが、放射性廃棄物となるのは1万トン程度と見積もっている由。また、再利用可能なものは、できるだけ同じような用途へ転用することになっているとのこと。勿論、再溶解するものも出てくるだろうが、そのトレーサビリティ・システムはこれから検討しなければならないとしていた。したがって、福島のような事故がない場合は、解体コストが予測できないことにはならない、と説明していた。商業炉については、電気代の5%程度が解体費として積み立てられているのではないかとのことだった。
用地は、本来 日本原子力発電㈱からの借地であるので、更地にした時点で返却となるとのことであった。
いよいよ、現場見学となったが、使用済燃料棒のプールが定期検査に入っているので、その傍にある炉心へは入れないとのこと。肝心な部分が見れないということで、主催者の事前調査不足に 少々腹立たしい印象を持つ。
ここでは、実際に姿は見なかったが武装警察官のパトロールが常時行われているとのことで、見学者にも厳重なチェックが入る。当初、大丈夫かも知れないと主催者AMPIが言っていたカメラや携帯電話の建屋内持ち込みは不可。したがって、このブログに掲載する建屋内写真はない。さらに、実際に建屋に入る時、正門で配付された丸い番号札は、長方形のID札に交換して着装。さらに線量計を持たされる。一人ずつゲートに入り、ID札がチェックされる。手術時に外科医がするような白い帽子を被り、白い上っ張りを着て 靴下を履き替え、靴も用意されたものを履く。さらにヘルメットを装着してようやく建屋内へ。これまでのいずれの原子炉見学よりも厳しい管理下にあった。
復水器の解体現場では、驚いたことに作業者はマスクもせず普通に作業していた。案内者に聞いてみると、蒸気になった水は放射能の汚染度が低く、放射性物質はほぼ炉心に残留するのだ、ということであった。冷却海水の取り入れ口は既に閉鎖処置されていて、配管も既になかった。このタイプの原発の熱効率に興味があったが、やはり30%を小数点以下のレベルで少し上回る程度のものとのことだった。解体物の表面を 砥粒混入水をジェット噴射して除洗しているが、これが効果あれば、装置化するつもりであると説明していた。
また筆者は、合間の空き時間に 今話題のMOX燃料を順調に、しかも安全に消化した実績から、どうして“ふげん”型の炉が普及しなかったのかを聞いてみた。すると、通常の軽水炉で通常に運転していても、プルトニウムは生じておりそれでも長年運転できている。MOX燃料が危険なものだというのは、あまり合理的根拠はない。日本の使用済み核燃料を加工した英国の会社で、データ捏造事件があったのでマスコミ受けが悪くなったせいだろう、との見解であった。確か、あの事件は物質のトレーサビリティの問題であって、燃料の品質そのものの本質問題ではなかったと私は思っている。MOX燃料に関し、かねてからの私の疑問に真正面に答えてくれたのだが、ここにもいい加減な日本マスコミによる誤解の種があったのだ。
3時半を周ったところで、“ふげん”を辞去。尼崎に戻ったのは7時近くとなり、予定を1時間近くオーバーした。主催者が、道中をかなりキチキチの予定にしていたせいであろう。このような“予定”とせざるを得ない事情があったのかも知れないが。
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