“使いまわし”？

残った料理の“使いまわし”なんてェ、“一流”料理屋業界の常識、世間の非常識になっていないだろうナ。
皆でやれば怖くない！本当にそんなことにはなってないだろうナァ？
一流の常連客は　こういうことは見抜けるの？
余裕も無い、繊細な感覚もない貧乏人にはワカンネェだろうナァ。

さて、この“使いまわし”をやった“一流”料理屋は　ISOの認証取得をしているのだろうか。
大看板にそんなものは不要だろう。繊細な感性が支える“わざ”の店には　不要だろう。
ISOの認証取得は　三流で無名の　良きにつけ悪しきにつけ“意欲ある経営者”のすることだろう。あるいは、近代的経営に馴染んだ　ホテルやレストランの目指すところなのだろう。ISOには　そんなイメージがある。

それにしても、こういうことは　コンプライアンス委員会で検討・審議すべきことなのか。
これは、“遵法”とは違う世界のような気がする。“使いまわし”を禁じた法があるのだろうか。事実が白日の下にさらされるまで　部外者のほとんどは知らず、食中毒も発生していない。実害が無ければ　本当は“適法”？バレなきゃ大丈夫！？

このような“店”は日本料理の　良き伝統を順守しつつ、板前を育成しなければならない。そんなことを　コンプライアンス委員会に任せられるのだろうか。
板前の育成。厳しい修行の中で　師匠の後姿から自ずと悟りながら体得する“わざ”でなければ本当に身につかない。ほとんど無言の内の“気付き”の世界だ。教える側も　教わる側も　凛とした厳しい緊張の中で繊細な感性と“わざ”を伝えて行く。そういうものなのだろう。
これに対し、コンプライアンス委員会は言葉の中で生きる世界だ。ISOも同じだ。
まさか　この店では“使いまわしのわざ”を伝授していたのではなかろうナ。

日本の伝統と言えば　相撲部屋でも　不祥事があった。こういうこともコンプライアンス委員会で審議すべきものなのか。
これは　明らかなイジメ殺人という犯罪だった。しかし、その根っこは　コンプライアンス委員会では解決できないように思う。
こういう　後継者育成に関わる　日本の無言の伝承は　コンプライアンス委員会やISOではどうにもならない。世界が　違う。

そういう意味で　何だか　この“一流”料理屋の対策は　所詮　おざなりな印象である。無言の感性の世界に　言葉を持ち込んでいる。既に　この店の根っこは　日本の伝統から遠いところにある。
無言の伝承は少数精鋭。極端になれば一子相伝となる。“一流”料理屋風のチェーン店では無理な話だ。
こんな“一流”料理屋の話、まぁ　貧乏人には、そんなの関係ないッ！

だが、中国産食品の　“使いまわし”は有れば情けないヨナ。今日食った弁当のナカミに“使いまわし”はないだろうナ？
その弁当屋ISO取ってるの？