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トヨタ・ショック2

あのトヨタが再び苦境に陥っている。それを見て、“日本のモノ作りは大丈夫か!”などと言う。直感ではあるが、それは 少し 違うように思うのだ。
プリウス問題は 特に品質マネジメントの難しさが露呈した結果のように思う。それは、モノ作りの技術そのものとはあまり関係のないところの問題ではなかろうか。厳密に言えば、設計とリスク・コミュニケーションの問題ではなかったかと思うのだ。顧客、この場合 一般消費者の要求する品質水準と それを どう考慮し反応するかというコミュニケーションの問題だったように思う。

それから、トヨタの対応は遅いと言う評価があったが、問題の所在に気付いてからの対応は 非常に早かったように思う。異常に早い印象なので、返って それで対策が十分なのか、その対策で二次トラブルを引起すことはないのか、それは十分に確認できているのか、と思わせるほどだった。

しかし、何と言ってもこの件に関して正確で詳細な情報はない。この手の報道が大体においていい加減だからだ。だから的確なコメントはできない。しいてコメントするとピントが外れているかも知れない。だが、これまでトヨタに関して何かを言ってきた限りにおいて 何も言わないのも少々片腹痛いという感じだ。

プリウス問題は 随分以前なら それ程 問題にならなかったものではないかと思うのだ。それが車だから 操作に対するリアクションとそのパフォーマンスが 消費者にとって、少し気に食わないと問題になるのだろう。だが、例えば それが馬だったら どうだろう。癖のある性格の馬だったら、それに合わせて乗るものではないのか。その性格に合わせて 乗りこなすことができなければ、それは乗り手が 下手なだけで それで、事故があれば乗り手の責任となるのではないか。
私は昨秋、三菱のiミーブに試乗したことがあったが、これまで乗り合わせた車とは ほとんど異なることは無かったが ハンドリングで少々 車体が大きく振れる傾向があった。これは 同乗したインストラクターの言によれば リアドライブのためだ、という。今にして思えば 多少ブレーキの効きも違っていたように思う。だから、ノッキングしているような下手な運転はしないように乗りこなすべく 注意したものだった。車とは ある面では そんなものだと思うのだ。
だから、冷静に考えれば トヨタの技術担当重役が 運転者のフィーリングの問題だと言ったことを 一概に 問題発言だとは 言えない。しかし、やはりあのタイミングであの場での発言は 不適当で、これまでのトヨタの公式発言としては、いかにも脇が甘かったのではないか。それが 世界一となった気分がしからしめたのだろうか。
消費者は気まぐれで、その品質基準はうつろい易いものなのだ。特に、PL法が出てからは 消費者は王様になったのだ。消費者相手の製品は その点に注意するべきなのだ。トヨタは その点で優れた感覚を持っていたハズだったが。やっぱり、トヨタは どこかおかしくなっているのだろうか。

米国での問題は プリウスに関しては、上記のような問題も含んでいるのだろうが、もう少し 問題は違ったところにあるようだ。それこそ、急ぎすぎた米国進出に 部品供給者のコントロール等十分にマネジメントする体制を築けていなかったのが原因ではないかと思うのだ。そして、消費者からの情報分析も そのための仕組も不十分だったのではないかと想像する。未だ トヨタ色が米国で十分に発揮しきれていなかったのではないか。そういうことから ヒョットして 米国ではトヨタといえども、ISO/TS16949を運用することが有効なのかも知れない。

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