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“ねんきん特別便”に思う

5000万件と言われる 誰のものか分からない“宙に浮く年金記録”の持ち主と思われる人に送る“ねんきん特別便”が70万通送付されたという。その結果が思わしくないので、再度 70万通を出し直すという。
ただでさえ、既に無駄なお金が費消されているというのに、まだこのような余計な出費を行なうのだろうか。膨大な時間とお金の無駄遣いに 嘆息せざるをえない。



“ねんきん特別便”で“未統合記録はない”つまり “ねんきん特別便”に記載された内容に欠落がある可能性が高いのに“それで正しい”と回答してきた人がほとんどだったという。社保庁は この回答をした人530人に再度電話で確認したところ、264人44.3%に 記入漏れが確認できたという。全く “手取り足とり”のような気がする。年金を受け取る側の国民のいい加減さも 少し 感じてしまう。
それこそ、“自己責任で回答”したのではないのか。大半が高齢者だからだ!という考慮すべきことも あるかも知れない。だが、今の60代の人達は結構 目先ではチャッカリしている人が多いのは事実だ。そういう60代が 結構先回りして50代の行く先の邪魔をしていることも多いように感じている。
個人差の大きい高齢者相手に、社保庁もこれ以上泥沼にはまり込まないように コストミニマムでやって欲しいものだ。

昔のことで 恐縮だが そもそも国民皆保険を言い出してスタートした頃、とりたてて国民自身の間に何か意識変化があったような記憶はない。ただ、政府厚生省が盛んに報道機関を通じてPRをやっており、中には街宣活動で、幟を立て、にぎやかにビラやチラシ、風船の配布もしていたような気もする。思えば あの費用はどこから出ていたのだろうか。
それから 時の厚生省高官が テレビ出演して年金制度の概要説明で 積立方式をとらなかったのは、インフレの亢進で、折角積み立てた年金が無価値になることが無いように考えたからだ、と言っていたように思う。最近のデフレの中でこのことは すっかり忘れ去られて “当然、積立方式にするべきだったのに、なぜ負荷方式になったのか。” などと指摘する したり顔の評論家の実に多いことに呆れてしまう。

その当時、まだまだオカミ意識が 充満しており、“年金はオカミの勝手にやっていること” という意識が強かったような気がする。要するに 誰も 年金のありがたさについて 国民の側での議論はなかったように思うのだ。少なくとも 私の周囲では そうだった。だから 今の若い人たちに 年金に意識を持てないのは 当然のような気がする。
そういう状態だったから お役人の 年金資金費消についても 無関心だったのではないか。要するに かき集められたお金は どうせインフレでグジャグジャになったり、無価値になるだろうから 今のうちに使ってしまおうという乱暴な考えやら、施設でも作って未来に残しておいた方が無駄には ならないだろう、という“親心”も 少しはお役人の側にはあったのではないか。これに対して、周囲に 急に立派なハコモノが出来始めて、何だが日本も 金持ちになったのかなぁ という妙な 感慨をフト持ったような気もする。
それくらい いい加減な認識の下でも、オカミのある程度のいかがわしさも うすうすは感じてはいたように思う。皆がいい加減な認識だから、お役人の側にも 横領くらい大した問題にならないだろうという意識も芽生えたのだろう。
なのに、受け取るような 時期になって 無駄遣いだと大騒ぎとなった。今や デフレ。少しでも現金収入があれば ありがたい時代ではある。

何だか お役人よりの見解のようだが 私は 普通の民間人である。受け取る年金は 思っていたよりは少ない。対策は必要だと今頃慌てているところだ。

とにかく、最近の年金絡みの騒ぎを俯瞰するに、何だか 目先だけでオロオロする朝三暮四の 故事を思い出す。お猿さんと同じレベルのようだ。“劣化する日本人”なのか 元々そうなのか。
長期的視点に立てず、目先に翻弄され、しかも健忘症のはなはだしい国民性の なせる騒ぎなのか。健忘症に 関しては 私も相当なものだが、それは 私も日本人であることの証左なのだろうか。
こういう国民性の国家に 雄大な戦略性を求めるのは 元々 無理な話なのかも知れない。企業戦略など およそ戦略と名の付くもような全てのものにも 同じことが言えるのだろうか。

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