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リストラ

最近、急速な経営不振に陥っている会社で間接費が増加しているということで、3つの工場での“間接的”業務を行なっている業務課のあり方が問題となりました。

業務課の仕事の実態は 朝の製品出荷用のトラック手配、原材料の入荷手配、トラックへの積み降ろし作業。場合によっては運送中のトラブル対処。保管・滞留在庫の管理。工場建屋を含むユーテリティの修理・保全・維持管理。対外的に工場を代表する工場長や従業員の庶務的業務など 種々雑多。 どれをとっても注意を要する仕事ばかり。
要は 工場製造部門の手に余る雑務を押し付ける部署だったのです。

一方、この会社の経営陣 社長は営業出身、専務は他の商社出身、常務は技術出身で、いずれも工場業務課の仕事改善の具体的イメージがなく、部下に何度も質問するのですが 一向に 腑に落ちないというか理解できない状態。
そこで業務課のパフォーマンスの分析やヒアリングが行なわれ、課員の行動のタイム・スタディ(作業時間計測)が実施されました。

タイム・スタディ担当者も 実は若くして“偉くなった人”で、業務課を理解していませんでした。計測結果のパフォーマンス項目には その殆どを“雑用”として計上。当初から“雑務”と分かっていた業務課の仕事なので、この“雑用”の中身の分析が 必要なのですが。

経営者にそれが報告された結果、“雑用ならば” とばかりに一気に この部署は消滅させることになりました。しかし、仕事そのものを減らしていないので 全社トータルでの工数減はありません。経営陣は “余剰化”した人員を自然減で減らすとでも思ったのでしょうか。何だか 自分で自分を誤魔化している印象ですね。
そして 本社の総務部は工場業務課の仕事を押し付けられ、本来のスタッフワークを放り出して、アタフタ。しかたなく、人事部と総務部に分割。部長さんの数はめでたく増えました。・・・・部長ポスト増が狙いだった?

種々雑多な“雑務”の内容を吟味して IT化、システム化して“省力化”した上で、現業部門や 本社部門に業務移管するのなら分かるのですが 意味の無い組織いじりです。混乱を助長するだけ。
本当は固定費や本社経費の評価する仕組や、実態的な工数を客観評価する仕組も必要だったのでしょうね。
仕事全体が きめ細かく対応しなければならなくなっている時代なので、このような乱暴なリストラはいずれ 様々な方面で新たなトラブルを招来するでしょうね。
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