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京都府立植物園散策

どうにも暑いので、急にたくさんの朝顔が見て写真を撮ってみたくなり、京都に行く機会に北大路の府立植物園に行くことにした。朝早くは行けないので、ちゃんとした朝顔がみれるかという懸念はあったが、とにかく行ってみることにした。今回の予定は、いつものように午前中で園内を見て廻り、午後は本来の研修会出席とした。地下鉄・北山駅で下車して、北山門より入園することにした。要するに植物園の北側から入り、順次見て廻りながら南下し、正門より午後の予定地に向かうことにしたのだ。
ちょうど、祇園祭の前祭と後祭の間の日だったので、組み上げられた山鉾がどうなっているのか途中の四条烏丸の乗り換えで、わざわざ地上に出てみたが、既に車も外され基本の骨組みだけになっていた。前祭と後祭に登場する山鉾は、違うのかもしれない。

京都府立植物園は、学生時代に1,2度来たことがあるはずだが、ほとんど記憶が残っていない。まず北山門より入ってみると、だだっ広い広場が目に入ってきて、少々味気ない印象だ。
左手に池があり、そこに鉢植えのキキョウがあり青紫の花を咲かせていたが、白い花もあり、キキョウにこんな色の花があるとは少々の驚き。やや行くと、右手に大きなヒマワリ等の花が植えられていた。
さて、来園目的は朝顔。そこで入口でもらったガイドマップにある鉢物展示場を目指すことにした。そのために、北東部の北山門の広場から、できるだけ北側の道路に沿って西進する。繁茂する樹林に深山幽谷の雰囲気があり圧倒される。



やがて、右手に“あずまや”が見えて来たので、お茶でも飲んで休もうかと近付くと、その奥に水琴窟との表示がある。湧水(ゆうすい)と銘打っているようで、表示に曰く“京の水は 音になって私たちに潤いを 与えてくれます。水琴窟の蹲(つくばい)の水は、地中に逆さまに埋められた甕(かめ)に流れ込み、水滴音が反響し、地上に澄んだ音を響かせます。音響管を通して備え付けの陶器からも、水琴窟の音をお楽しみいただけます。”とある。竹筒の音響管で聞いてみたが、結構小さな音で、あまり明瞭には聞き取れなかった。確か、永観堂で聞いた水琴窟の方が良かったような気がする。音を発する方式が若干異なるのかも知れない。



取りあえず水琴窟に堪能し、元来た道に戻り西進する。やがて、目の前が開け“四季 彩の丘”と思われる地点に到達。先ず、スイレンの池があった。さらに西に進むと藤棚のような棚がある。そのトンネルをくぐっていると、ヘチマのような実が成っていた。しかし、中にはヒョウタン型の実が見られたので、これは瓢箪かと思われる。真面目に見ていれば、どこかに説明の銘板などがあるはずだが、ザァーッと見て歩くつもりだったので、この丘を一通り巡って終わる。



やがて、盆栽・鉢物展示場の表示があり、道を逸れて展示場に入る。見渡しても、朝顔は無く、盆栽だけだった。かなりガッカリ。朝顔展示の時期には、ほんの僅か早過ぎたのかも知れない。ガイドマップの裏には、7月下旬から8月中旬に朝顔展の表示はあるが、植物園ではその片鱗すら見ることはなかった。
しかし実は、私も種から梅を育てていて、これを盆栽にできないかと思っている。ここで、梅を探したら中に矢張りあった。ここにあるのは、いずれも年季の入ったものであったが、同じように立派なものだった。使用されている鉢は、私の使っているものよりかなり大きく、いずれはそんな鉢に植え替えるのが、良いようだ。まぁかなり先になるのだろうけれど。
そこから、元の道に戻って南下すると、やがて“桜林”との看板があった。時期が時期なので良く見ないと桜とは分からなかったが、樹皮はたしかにそのように見える。なるほど、ここでも花見が可能なのだ。だが、その頃は人出も多いのだろう。



そのまま、さらに南下すると超人工的で若干違和感を覚える銀色のフレームの温室が見えて来た。その前には池があって、そこにもスイレンが花咲いている。温室は別料金とあり、時間的制約もあったので、入場は控えた。池の向こうにカンナの花が見えたので近寄って写真撮影した。ふと、振り向くともう正門のようだ。未だ、全貌を見ていないので、少々戻ることにした。



ガイドマップにある大芝生地に出ると、“森のカフェ(簡易食堂)”が見えて来た。暑さに思わず飛び込みたくなる気持ちを抑えて、北側へすり抜けて、桜林に戻る。そこから道路を北東に進む。池からのせせらぎの橋を渡って、気儘に林の中へ紛れ込む。池のある樹林帯で景観は趣がある。
左手に蓮池を見て、気が付くと赤い鳥居があった。何故か鉄パイプで臨時の補強がされている。公立の植物園内に神社があるので驚きだが、地図にも出ている半木(なからぎ)神社である。社の掲示には、“世界文化遺産・上賀茂神社末社”とあり、“流木神社(ながれぎじんじゃ)とも云い、この周辺は京都絹織物発祥の地といわれ、織物業の守護神・府立植物園開園後は植物園の守り神として崇敬され、毎年四・十一月に行われる春秋の祭典には多数の関係者が訪れます。多くの木や花が実を結ぶ処に因み、試験の合格や恋愛成就の願いが叶うとの信仰が厚く、その努力が実を結ぶ御守『実守(みのりまもり)』を上賀茂神社で授与致しております。”とあった。別に、もっと詳しい案内の記載されている古い木の案内板もあり、文字が所々読み取れないが、やはりこの神社は結構由緒があるため、移転せずに残されたのかと伺い知れる。どうも、あの池はこの半木神社を取り囲んでいるようだ。



半木神社の“境内”を出ると、そこに水車小屋があった。残念ながら、水車は回っていない。気付くとあの水琴窟の直ぐ傍だった。あまりにも戻り過ぎてしまっていた。そこから、再び樹林帯をひたすらさ迷いつつ南下。後からガイドマップを見ても、どのように歩いたか跡をたどることはできないし、記憶も定かでない。



そのあてどない彷徨の果てに、予定の時刻に焦りを覚え始める頃、幸いにもあじさい園に至った。そこには最早時期外れになった紫陽花花の名残があったのだ。目的の朝顔のことを思うと、どうやら花の端境期に来てしまったのだ。ホッとしながらも残念感で一杯になる。
あじさい園に隣接して、ここにも蓮池があった。何となくこちらの蓮池の方が趣があるように感じた。



繁みから開放感ある広場に出る。沈床花壇と噴水があるが、この時は整備中だった。どんどん歩くと、これも時期外れのばら園に出る。盛りを過ぎた薔薇花が未だあった。心に余裕があれば、これも楽しめるものなのだろうが、今の私の精神にはそんなゆとりがない。それも残念なことではある。



ばら園を過ぎると、洋風庭園に出る。確かにヨーロッパの貴族の館の庭園を感じさせる造りになっている。ここに何故かひまわりが咲き誇っていた。植物園会館の建物には 僅かにに見覚えがあるような気がした。
もう少し、緑に親しんで居たいが、予定時刻を少し過ぎていたので思い切って正門を出る。北大路通りの橋を渡り、微かな川風を覚えながら、多少の空腹と夏の鴨川の風情を感じつつ、予定のコースをたどることにした。
改めて季節の節目、例えば花見等で訪れるのにも良い場所だという気持ちを強くした。


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