The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“先が読めるのは7割残り3割に働き甲斐”
またまた1ヶ月遅れの雑誌記事紹介で恐縮です。
日経ビジネス8月27日号の 目次の次のページ “有訓無訓” に どこか親しみ易い感じの 年配ビジネス・マンの写真が ありました。その次の瞬間 あの日本の金融界が地獄を見た時期に 住友信託銀行の “社長”だった高橋温氏(現会長) だと思い出しました。当時、政府が 長銀との合併を推進するのを 頑として受け付けなかったあの人だったと思い出したのです。あの時、そこまで 政府の意向に 抵抗できる銀行経営者は 他には居なかったのではないかと思います。
同氏の 肉声はあまり拝聴したことがないので、思わず記事に注目しました。
曰く。“国から注入されていた公的資金を2003年度に計画より1年繰り上げて完済した時は、結構無理をしました。親しい お取引先29社に優先株を持っていただくことで、完済したのですが、「来年になればどうせ完済になるのに、なんでそんなに無理をしてまで」といわれました。” という切り出し。
どうして無理をしたのか。“実は、公的資金が入ったことで銀行が抜き差しならない状況になってしまいそうだったのです。” 社内会議で 議論をしていると 突然 経営健全化計画の達成の話が管理部門から出てきて、錦の御旗にみなが無条件にひれ伏してしまうようになった、ということです。“数字を書いてきちきちと守るだけでいい。そんなカルチャーが定着するような風情までありました。・・・・それが経営だ、と。” “私の思想では、これは経営ではありません。とても合わない。”
主体性のない経営は “これは経営ではありません。” 他からの強制ではなく、独自の視点を持ち 主張し、実行することが大切。
“世の中、先のことは絶対に7割しか分からない。3割は未知の分野であって、分からないことに挑戦するところに働く人間の夢、ロマンを織り込めるんです。そこに働き甲斐がある。だから計画の期初には目標の3割の見通しが立たなくていい。見通しが立っていたら、それは予定であって、計画ではない。そう鼓舞したわけです。社長在任中、・・・このことをひたすら繰り返し言い続けました。”
経営者として自己の信念を 語り続けること、説得し続けることは 重要です。
“我々は 役所じゃないですから、説明がつかないことを3割くらい作らないと未来への展望は開けません。もちろん計画は達成しなければなりません。もちろん計画は達成しなければなりません。ただ、決まっていることを達成するのと、分からないことを挑戦的な手段なりで達成するのとではニュアンスが違います。経営でも日常業務でも、自分の仮説に基づいて行動しないと、自発性というか力強さが出ません。”
まさに 経営戦略とその実施運用の 要諦を うかがったような気がしました。
つまり 計画には 必ず3割くらいの 夢や仮説を織り込んで、それに挑戦しなければ、ビジネスに活力はなくなることを 説いておられるのです。
なるほど、こういう考え方で 皆を鼓舞し、難局を乗り越えたのか・・・もっと この人の考え方など 知りたいものだと思うのです。
それにしても、ご本人も ここで言われているのですが、長銀との合併を最初に仕掛けたのは 高橋氏 ご当人だったとは 知りませんでした。そして、それは “見通しの立たない3割”であったということです。ですが、一旦 ダメだという結論を得た後は、誰が言おうともテコでも動かない 強い決意を持った経営者であったのです。
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日経ビジネス8月27日号の 目次の次のページ “有訓無訓” に どこか親しみ易い感じの 年配ビジネス・マンの写真が ありました。その次の瞬間 あの日本の金融界が地獄を見た時期に 住友信託銀行の “社長”だった高橋温氏(現会長) だと思い出しました。当時、政府が 長銀との合併を推進するのを 頑として受け付けなかったあの人だったと思い出したのです。あの時、そこまで 政府の意向に 抵抗できる銀行経営者は 他には居なかったのではないかと思います。
同氏の 肉声はあまり拝聴したことがないので、思わず記事に注目しました。
曰く。“国から注入されていた公的資金を2003年度に計画より1年繰り上げて完済した時は、結構無理をしました。親しい お取引先29社に優先株を持っていただくことで、完済したのですが、「来年になればどうせ完済になるのに、なんでそんなに無理をしてまで」といわれました。” という切り出し。
どうして無理をしたのか。“実は、公的資金が入ったことで銀行が抜き差しならない状況になってしまいそうだったのです。” 社内会議で 議論をしていると 突然 経営健全化計画の達成の話が管理部門から出てきて、錦の御旗にみなが無条件にひれ伏してしまうようになった、ということです。“数字を書いてきちきちと守るだけでいい。そんなカルチャーが定着するような風情までありました。・・・・それが経営だ、と。” “私の思想では、これは経営ではありません。とても合わない。”
主体性のない経営は “これは経営ではありません。” 他からの強制ではなく、独自の視点を持ち 主張し、実行することが大切。
“世の中、先のことは絶対に7割しか分からない。3割は未知の分野であって、分からないことに挑戦するところに働く人間の夢、ロマンを織り込めるんです。そこに働き甲斐がある。だから計画の期初には目標の3割の見通しが立たなくていい。見通しが立っていたら、それは予定であって、計画ではない。そう鼓舞したわけです。社長在任中、・・・このことをひたすら繰り返し言い続けました。”
経営者として自己の信念を 語り続けること、説得し続けることは 重要です。
“我々は 役所じゃないですから、説明がつかないことを3割くらい作らないと未来への展望は開けません。もちろん計画は達成しなければなりません。もちろん計画は達成しなければなりません。ただ、決まっていることを達成するのと、分からないことを挑戦的な手段なりで達成するのとではニュアンスが違います。経営でも日常業務でも、自分の仮説に基づいて行動しないと、自発性というか力強さが出ません。”
まさに 経営戦略とその実施運用の 要諦を うかがったような気がしました。
つまり 計画には 必ず3割くらいの 夢や仮説を織り込んで、それに挑戦しなければ、ビジネスに活力はなくなることを 説いておられるのです。
なるほど、こういう考え方で 皆を鼓舞し、難局を乗り越えたのか・・・もっと この人の考え方など 知りたいものだと思うのです。
それにしても、ご本人も ここで言われているのですが、長銀との合併を最初に仕掛けたのは 高橋氏 ご当人だったとは 知りませんでした。そして、それは “見通しの立たない3割”であったということです。ですが、一旦 ダメだという結論を得た後は、誰が言おうともテコでも動かない 強い決意を持った経営者であったのです。
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残念ながら 計画的活動や 文書化について 私は それほど否定的ではありません。
それは 私自身 結構 計画や文書化を重んじる世界から、あまりにも計画を実施することに無頓着で 統制のとれていない世界へ身を移し、その問題点を日頃痛感しているという事情があります。
ですが、行き過ぎると問題ありで、やはり高橋会長の言われる通り 3割くらいの比率で夢というか見通しのない部分のあるのがbestなのだろうと思っています。
それから ご指摘のように品質ISOの世界には 私も問題があるように感じていて これから おいおいそれを 書いてみようか…と考えています。