The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
御室の桜―仁和寺での花見
先週は、熊本での震災があって急遽それに関連した内容とさせてもらった。したがって、頭に描いていた予定稿を飛ばしてしまったので、申し訳ないが今週は頭の中のそれを使わせてもらいたい。
震災はその後も容易には終息せず、それにともない気象庁には混乱があって、相変わらずてきぱきしない役所の対応や報道陣の無軌道が話題になっている。隣国ではこうした日本の不幸に“祝賀セール”を企てて一儲けをたくらんだ企業があったという。携帯、スマホの普及により、このようなことが一般にも知られるようになった。その上、芸能人等セレブリティのSNSの“つぶやき”にすら、間違った突っ込みを入れる手合いが大勢居るようだ。かように知らなくてもいいような話題も満載でネット空間は喧しい。
しかしながら、九州は“シリコン・アイランド”と呼ばれたこともあって、特に熊本はその中心のようだがIT関連の電子産業の集積地なので、今後日本の先端産業での停滞が起こりはしないかと懸念される。このに対し一方では、BCP絡みの対策が進展していて、生産拠点は分散されているという見方もあるようで、それが事実なら幸いだが本当だろうか。
それにしても、“東北の復興なくして、日本の将来はない。”などと大見得を切っていた政府は、今度はどんな台詞を吐くのだろうか。案の定、激甚災害指定は遅くなっているようで、しかも政府の災害本部長も口害であっさり更迭された由。風呂屋の桶つまり“ユーばっかり”の姿勢が、果たして九州でも通用するのであろうか。
行政は復旧、復興の建設をここでも迅速に進展させられるであろうか。特に、建設工事の人手は既に東北の再建と東京オリンピックに取られていて、それ以外の地域では熟練者はあまり居ないとされている。例えば、先日聞いた話では、最近建設中の関西のタワー・マンションには、大手の建設会社はほとんど携わっていないので、今後問題が起きる可能性が高いのではないかとの噂が、専門家の間では囁かれているという。横浜の傾いたマンションは大手業者によるものだったので、大手だから安心とは言えないのが寂しいのだが。神戸の建設中の高速道路高架橋落下事故も現場の熟練者不足の影響ではないかと思われるが、どうだろうか。
こうした、災害によって日本の国富が次第に蝕まれて行く危険性が、大いに懸念されるところだ。さらに、近い将来に南海トラフ地震や津波が起きないか、阿蘇のカルデラ噴火は大丈夫か、こういう問いをしても誰も大丈夫とは言えないのが、大変情けない。これらへの、根本的、決定的対策もないのだ。不況に加えてこうしたことが続くこの国の不幸を何とかしなければならない。何はともあれ、被災者は絶望せずに元気よく復活されることを祈るばかりだ。そのために何を為すべきか考えなくてはならない。
さて、震災についてのシリアス・トピックスはこれぐらいにして、話題を関西では既に終わっている“花見”にしたい。
今年は気が付けば時節遅れとなり、最早花見はできないかと思っていたが先々週 偶然に京都で“小売電力自由化”のセミナーがあって参加予定していたのだった。京都では遅咲きの“花見”と言えば、“仁和寺の桜”は以前から知っていたので、午後からのセミナーに合わせて、これ幸いと午前中に仁和寺を訪れることとした。
仁和寺と言えば昔、学校で徒然草の“仁和寺にある法師、年よるまで岩清水を拝まざりければ、心うく覚えて、あるとき思ひ立ちて、ただ一人、徒歩よりまうでけり。”を習っていたが、それこそ“年よるまで仁和寺を拝まざりければ、心うく覚えて”、花見に赴いた訳である。残念ながら現代人の私は、徒歩ではなく神戸から阪急で西院に出て、半路面軌道の京福電車に乗り換えて御室仁和寺で下車。緩やかな登り勾配の向こうの山の手前に大きな山門が見える。これが仁和寺の二王門である。
ネットwikipediaによれば、“御室(おむろ)は、京都府京都市右京区の仁和寺一帯を指す地名である。御室の名の由緒は、醍醐天皇の延喜4年(904年)、宇多法皇(最初の法皇)が仁和寺に室(僧坊)を造営し、起居する御所としたことから、その建物が「御室御所」と呼ばれ、やがては仁和寺の別称となったものとされている。さらに、仁和寺の住持(住職)である門跡の称号としても用いられた。それが仁和寺一帯の地名として定着したものである。御室は、オムロンの創業地としても知られており、社名の由来にもなっている。現在、オムロンの跡地は住宅地となっているが、創業記念碑が建立されている。”ということだ。この時、その創業記念碑は確認する元気はなかった。
どうやら、応仁の乱で建物は焼失し、戦国時代の後、徳川の治世に家光が再建したのが現在の伽藍となっているようだ。それを拝観するのが、“御殿”の部分である。普段は境内は拝観料なしで周遊できるようだが この花見の時期だけ、御室の桜を見るには臨時のゲートを通過しなければならないという。
先ずは、御殿に入場して拝観してみる。御庭はきれいに整備されてはいるが、特徴的なものは感じられず残念ながら印象は薄い。しかし、宸殿の上段の間の脇に明らかに武者隠しの小部屋があり、平安期頃の建物にこれは如何と若干驚いたが、家光の頃の移設建物であれば武家様式は然るべきところであろうか。しかし、京都には数多くある景色だ。
この後、有料となっている境内に中門から入って直ぐ左手が、御室桜の苑となっている。ここの人出は外人観光客も混じって多い。御室桜は大きくならない品種のようで、木立の高さはせいぜいで2m強程度。苑の周遊路はU字形になっていて、進んで行くとユーターンしてほぼ元に戻ることになる。桜のゲートをくぐりつつ進み、満開散り始めの桜を堪能できた。特に、背景にある五重塔が見え隠れするのは圧巻であった。
その後、金堂、御影堂、五重塔などの伽藍を拝観して、仁和寺観光は終了。
昼食時間なので、寺内休憩所というかレストランの御室会館に行って、湯葉丼を食べようと思って行ってみた。すると、入口で“今は、高いメニューしかサービスできない”とのことだったので、“儲けんとアカンしなぁ!”と思わず悪態を付いてしまった。後で反省。
そのまま市バスで午後のセミナー会場近くの烏丸五條に出て、以前に行ったことのある天ぷら屋さん“旬菜 天ぷら 有馬”で天ぷら定食を頼む。以前同様コスパは最高。天ぷらは勿論刺身や茶碗蒸しも美味いが、これらを省略して天ぷらをもう少し大盛にしてもらえば、満足度は上がるような気がする。
その後、予定通りセミナー受講。以下に内容概略を示したい。
経産省に“電力・ガス取引監視等委員会”を昨年9月に設置して活動しているとのこと。講師はこの委員会の事務局総務課長の岸敬也氏。委員は5名。事務局約110名。2020年には発送電分離を予定。従来の電気料金は使用量が多ければ利幅を取り、少なければ原価ギリギリの料金体系で一般商品とは異なる考え方の構成となっていたが、自由化で配電会社によって様々な料金体系が採用できることとなった。携帯電話会社やガス会社は、事業本来の商品販促のためのセット割であり、従来の電力会社は昼間・夜間や平日・休日、夏・冬の“時間帯別料金”や指定日時の節電協力に“節電割引”の適用等を考えているとのこと。付帯サービスも会社によって異なるが、消費者が会員となることで、次のようなサービスが提供されるという。“使用量の見える化”(既に実施?)や“電気関係のお困りサポート・サービス”(電力使用データ分析、省エネ機器提案、保守・修繕)、“駆けつけ・見守りサービス”等である。各々で魅力あるサービスと感じるものを購入すれば良い事になる。電力販売会社としては、279社の登録があるが、既に営業を開始しているのは21社。
電力自由化とは直接関係はないが、いずれ数年内に各家庭の電力計は無料(メータは本来電力会社の資産)でスマート・メータとなって、遠隔での30分単位での計測監視が可能になるという。これで各種サービスとつながるのであろう。
以上のような次第で、取り立てて耳新しい内容はなかった。このセミナー内容は環境ISOも考慮して、仁和寺の桜のついでに報告した。
本稿は“休戦エンタ”としたが、思わずシリアス・トピックスのサンドウィッチになってしまった。取りあえず、下の“旬菜 天ぷら 有馬”の天定写真でお楽しみ頂きたい。
震災はその後も容易には終息せず、それにともない気象庁には混乱があって、相変わらずてきぱきしない役所の対応や報道陣の無軌道が話題になっている。隣国ではこうした日本の不幸に“祝賀セール”を企てて一儲けをたくらんだ企業があったという。携帯、スマホの普及により、このようなことが一般にも知られるようになった。その上、芸能人等セレブリティのSNSの“つぶやき”にすら、間違った突っ込みを入れる手合いが大勢居るようだ。かように知らなくてもいいような話題も満載でネット空間は喧しい。
しかしながら、九州は“シリコン・アイランド”と呼ばれたこともあって、特に熊本はその中心のようだがIT関連の電子産業の集積地なので、今後日本の先端産業での停滞が起こりはしないかと懸念される。このに対し一方では、BCP絡みの対策が進展していて、生産拠点は分散されているという見方もあるようで、それが事実なら幸いだが本当だろうか。
それにしても、“東北の復興なくして、日本の将来はない。”などと大見得を切っていた政府は、今度はどんな台詞を吐くのだろうか。案の定、激甚災害指定は遅くなっているようで、しかも政府の災害本部長も口害であっさり更迭された由。風呂屋の桶つまり“ユーばっかり”の姿勢が、果たして九州でも通用するのであろうか。
行政は復旧、復興の建設をここでも迅速に進展させられるであろうか。特に、建設工事の人手は既に東北の再建と東京オリンピックに取られていて、それ以外の地域では熟練者はあまり居ないとされている。例えば、先日聞いた話では、最近建設中の関西のタワー・マンションには、大手の建設会社はほとんど携わっていないので、今後問題が起きる可能性が高いのではないかとの噂が、専門家の間では囁かれているという。横浜の傾いたマンションは大手業者によるものだったので、大手だから安心とは言えないのが寂しいのだが。神戸の建設中の高速道路高架橋落下事故も現場の熟練者不足の影響ではないかと思われるが、どうだろうか。
こうした、災害によって日本の国富が次第に蝕まれて行く危険性が、大いに懸念されるところだ。さらに、近い将来に南海トラフ地震や津波が起きないか、阿蘇のカルデラ噴火は大丈夫か、こういう問いをしても誰も大丈夫とは言えないのが、大変情けない。これらへの、根本的、決定的対策もないのだ。不況に加えてこうしたことが続くこの国の不幸を何とかしなければならない。何はともあれ、被災者は絶望せずに元気よく復活されることを祈るばかりだ。そのために何を為すべきか考えなくてはならない。
さて、震災についてのシリアス・トピックスはこれぐらいにして、話題を関西では既に終わっている“花見”にしたい。
今年は気が付けば時節遅れとなり、最早花見はできないかと思っていたが先々週 偶然に京都で“小売電力自由化”のセミナーがあって参加予定していたのだった。京都では遅咲きの“花見”と言えば、“仁和寺の桜”は以前から知っていたので、午後からのセミナーに合わせて、これ幸いと午前中に仁和寺を訪れることとした。
仁和寺と言えば昔、学校で徒然草の“仁和寺にある法師、年よるまで岩清水を拝まざりければ、心うく覚えて、あるとき思ひ立ちて、ただ一人、徒歩よりまうでけり。”を習っていたが、それこそ“年よるまで仁和寺を拝まざりければ、心うく覚えて”、花見に赴いた訳である。残念ながら現代人の私は、徒歩ではなく神戸から阪急で西院に出て、半路面軌道の京福電車に乗り換えて御室仁和寺で下車。緩やかな登り勾配の向こうの山の手前に大きな山門が見える。これが仁和寺の二王門である。
ネットwikipediaによれば、“御室(おむろ)は、京都府京都市右京区の仁和寺一帯を指す地名である。御室の名の由緒は、醍醐天皇の延喜4年(904年)、宇多法皇(最初の法皇)が仁和寺に室(僧坊)を造営し、起居する御所としたことから、その建物が「御室御所」と呼ばれ、やがては仁和寺の別称となったものとされている。さらに、仁和寺の住持(住職)である門跡の称号としても用いられた。それが仁和寺一帯の地名として定着したものである。御室は、オムロンの創業地としても知られており、社名の由来にもなっている。現在、オムロンの跡地は住宅地となっているが、創業記念碑が建立されている。”ということだ。この時、その創業記念碑は確認する元気はなかった。
どうやら、応仁の乱で建物は焼失し、戦国時代の後、徳川の治世に家光が再建したのが現在の伽藍となっているようだ。それを拝観するのが、“御殿”の部分である。普段は境内は拝観料なしで周遊できるようだが この花見の時期だけ、御室の桜を見るには臨時のゲートを通過しなければならないという。
先ずは、御殿に入場して拝観してみる。御庭はきれいに整備されてはいるが、特徴的なものは感じられず残念ながら印象は薄い。しかし、宸殿の上段の間の脇に明らかに武者隠しの小部屋があり、平安期頃の建物にこれは如何と若干驚いたが、家光の頃の移設建物であれば武家様式は然るべきところであろうか。しかし、京都には数多くある景色だ。
この後、有料となっている境内に中門から入って直ぐ左手が、御室桜の苑となっている。ここの人出は外人観光客も混じって多い。御室桜は大きくならない品種のようで、木立の高さはせいぜいで2m強程度。苑の周遊路はU字形になっていて、進んで行くとユーターンしてほぼ元に戻ることになる。桜のゲートをくぐりつつ進み、満開散り始めの桜を堪能できた。特に、背景にある五重塔が見え隠れするのは圧巻であった。
その後、金堂、御影堂、五重塔などの伽藍を拝観して、仁和寺観光は終了。
昼食時間なので、寺内休憩所というかレストランの御室会館に行って、湯葉丼を食べようと思って行ってみた。すると、入口で“今は、高いメニューしかサービスできない”とのことだったので、“儲けんとアカンしなぁ!”と思わず悪態を付いてしまった。後で反省。
そのまま市バスで午後のセミナー会場近くの烏丸五條に出て、以前に行ったことのある天ぷら屋さん“旬菜 天ぷら 有馬”で天ぷら定食を頼む。以前同様コスパは最高。天ぷらは勿論刺身や茶碗蒸しも美味いが、これらを省略して天ぷらをもう少し大盛にしてもらえば、満足度は上がるような気がする。
その後、予定通りセミナー受講。以下に内容概略を示したい。
経産省に“電力・ガス取引監視等委員会”を昨年9月に設置して活動しているとのこと。講師はこの委員会の事務局総務課長の岸敬也氏。委員は5名。事務局約110名。2020年には発送電分離を予定。従来の電気料金は使用量が多ければ利幅を取り、少なければ原価ギリギリの料金体系で一般商品とは異なる考え方の構成となっていたが、自由化で配電会社によって様々な料金体系が採用できることとなった。携帯電話会社やガス会社は、事業本来の商品販促のためのセット割であり、従来の電力会社は昼間・夜間や平日・休日、夏・冬の“時間帯別料金”や指定日時の節電協力に“節電割引”の適用等を考えているとのこと。付帯サービスも会社によって異なるが、消費者が会員となることで、次のようなサービスが提供されるという。“使用量の見える化”(既に実施?)や“電気関係のお困りサポート・サービス”(電力使用データ分析、省エネ機器提案、保守・修繕)、“駆けつけ・見守りサービス”等である。各々で魅力あるサービスと感じるものを購入すれば良い事になる。電力販売会社としては、279社の登録があるが、既に営業を開始しているのは21社。
電力自由化とは直接関係はないが、いずれ数年内に各家庭の電力計は無料(メータは本来電力会社の資産)でスマート・メータとなって、遠隔での30分単位での計測監視が可能になるという。これで各種サービスとつながるのであろう。
以上のような次第で、取り立てて耳新しい内容はなかった。このセミナー内容は環境ISOも考慮して、仁和寺の桜のついでに報告した。
本稿は“休戦エンタ”としたが、思わずシリアス・トピックスのサンドウィッチになってしまった。取りあえず、下の“旬菜 天ぷら 有馬”の天定写真でお楽しみ頂きたい。
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