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ISO休戦
熊本・大分群発地震に思う不安
また日本列島に震災があった、というよりも群発地震は記事投稿中も継続している。震央は熊本・熊本市周辺、阿蘇地域さらに、大分・西部、中部にまで及んでいる。お蔭でテレビ報道は震災一色となっている。東北震災と同じ状況だ。
特に、4月15日午前1時半頃の地震は、私の住んでいる阪神地域でも揺れを約10分間継続してゆっくりした横揺れを感じ取れた。これは東北の時と全く同じだ。熊本市からは約450㎞強あるよう遠隔地だが、結構恐怖感がじわりと湧き上がってきたものだった。その後、気象庁はこれが本震だと発表した。
翌日目覚めて後、災害はNHKテレビを見ることにしていたが、被害が拡大している状況は分かった。特に熊本城の石垣が崩れているのは衝撃だった。何故ならば、この城の石垣はしっかりしているとの定評を聞いたことがあったので、構築されて後約400年経過したが、遺構は損傷を受けずに残ったのではないかと誤解していたからだ。しかしNHKの報道では、手当たり次第に被害状況を伝えるばかりで、整理された全体像が把握し辛い。
この点では民間放送の方が分かり易かった。地震学者を登場させ、現在の状況を学問的に整理された情報に基づき現状を見た目で説明してくれていたからだ。NHKの災害報道は、大したことのない場合は民放よりも、迅速で詳しい印象がある。しかし、“大したことのある”災害では、あまり役に立たない印象がある。阪神震災の経験では、民放は一般聴取者の情報を取り込んで、官製報道よりもはるかに役に立った覚えがある。
しかしその後民放ではCMが入るので、その間またNHKに戻した。すると午前11時頃だったと思うが日向灘沿岸域で地震が発生した、という緊急速報が流れた。これはどうやら広範囲に広がる地震のようだが、ならば新たな地震モードが展開するのかと驚いた。というのは震源が熊本地域から大分・西部、中部に拡大していて、これがさらに宮崎方面にまで及ぶのかと懸念を感じたからだ。ところが、これに関しての続報は一向になかった。そこで、ネットで気象庁のホーム・ページを見ると、掲載はなし。どうやら“誤報”のようだ。だが、NHKそのことを伝えず、相変わらず手当たり次第に被害状況を伝えるばかり。情報源の問題であっても間違った報道については放置せず、一旦きちんと説明するべきだと思うが、何となく“国営放送”の傲慢を感じてしまう。
また、NHKに限らないが現場報道の報告者の語彙の少なさ表現力の乏しさも気懸りだ。映っている映像では道路1箇所の分断にもかかわらず“寸断されています”と言ってみたり、“見受けられます”の連発であったりして耳障りな報告が見られた。報道に携わる人がこれではいささか問題だ。(語彙の使い方、表現については私も立派とは言えないが・・・。)
この時見た気象庁の地震データを見て驚いたことは、この熊本・大分群発地震発生以後に、他地域においても極小規模ではあるが地震発生が記録されていることだ。報道では一切取り上げられていないが、これが日本列島全体の現実なのだということを、思い知った次第だ。これは一般には知られていない事実ではないか。
これも民放報道によって知ったが、約130年前に熊本で同じような地震があったという。“1889年(明治22年)7月28日23時45分に発生した、熊本を震源とするM6.3の直下型地震。”どうやら、その時も熊本城の石垣は崩壊していたようだ。こういうことは、NHKには解説員は居るが何故か言及しない。
とにかくまさしく“天災は忘れた頃にやってくる”のだ。現地インタビューでは、特に高齢者は皆一様に“生きて居て、初めてだ。”というが、経験者は皆死んでしまっている。災害発生後いつも同じことの繰り返しのようだ。
しかし、中央構造線に沿って東側に震源が進行すれば、伊方原発に至る。民放テレビに出た地震学者は、逆に震源が構造線に沿って南側に移行する懸念を表明していたが、そっちは川内原発に至る。いずれも“同じことの繰り返し”では、日本は滅亡する。伊方は瀬戸内海の中央、川内は鹿児島県の西域にあるので北西の風で放射能汚染の被害は甚大となる。阿蘇の火山活動への影響も大いに気懸りだ。阿蘇はカルデラ巨大噴火つまり九州全体の存立にかかわる災害につながる懸念がある。さらに、こうした地震がいよいよ南海トラフにどのような影響を与えるのかという懸念も増す。
そして、こうした自然災害によって日本の国力が少しずつ削がれていくのではないかという不安がよぎる。こうした災害を跳ね返して、伸びてゆく活力が今の日本に感じられないのだ。どうやら、アベノミクスも世界的にはアホノミクスと思われ始めており、世界最大のファンドも日本への投資を断念したという噂もある。英“エコノミスト”誌も“総じて失敗”と評価しているようだ。
報道が震災一色になっている中で、改めて新聞をみていると、九州新幹線ではカーブで軌道に取り付けるべき脱線防止ガードや車両に取り付けるべき逸脱防止ストッパーが無かったため、熊本駅近くで回送中の車両が脱線したとの記事があった。誰のどういう経過での経営判断だったのかは知らぬが、これは背景には高度な裁量が働いていると考えるべきだろう。最近の日本企業の経営層の劣化―東芝やシャープ等に見られるが、元々そうだったのか?―とその意向を下部従業員が忖度する企業風土が気懸りである。それは多様性を認めず、議論しないままでの悪い意味での“全社一丸”の企業文化だ。こういう傾向も日本社会の活力を削いでいる要因ではないか。新入社員採用でも表面的ではなく深い意味での個性を認めず、協調性(忖度できる気質)を強く求める傾向がある。
報道機関でもこの傾向は認められ、国際的にも懸念されているようだ。これは特に日本社会を危うくさせているように思われる。日曜の民放番組では、メディア側のこうした傾向を取り上げていた。日本社会の“空気の問題”であろうか。戦前もそうだったようだが、不況の中での専制回帰が心配だ。
また交通の主要幹線すなわち鉄道の新幹線や高速道路が、こうした災害に対し意外に脆弱な印象を持つ。この交通インフラの脆弱化が、救助復興の障害になるのではないかと思うのだが、どうだろうか。
そして同じ新聞には、さらにそうした記事より小さく“北朝鮮・弾道ミサイル失敗”との見出しがあった。そこには、“北朝鮮は15日午前5時30分ごろ、日本海沿いの江原道元山(カンウォンドウォンサン)付近から中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程3千キロ以上)を発射した。機体は十分に上昇せず、途中で爆発したとみられる。ムスダンは米領グアムを射程に収める。北朝鮮が、事前探知が難しい移動発射台から実戦形式で、米領土を攻撃できる弾道ミッサイルを使ったのは初めて。米国の反発は必至だ。”と書かれていた。
何故、これが気懸りなのか。それは、北が米国重要拠点のグアムを攻撃可能と、改めて米国を威す姿勢を示したからだ。同記事では“北朝鮮は事前に飛行予定海域に航行禁止警報を流していなかった。”とあり、本当に“失敗”したのか、自爆させたのか定かでないところが、懸念要素である。要するにチキン・レースで、北はノッチを一つ上げたことになる。これに対抗して、米国はスティルスの大型B1爆撃機―地下壕を破壊する機能―の配備決定が、焦点となるとの解説を聞いている。震災一色の報道の中で、いつのまにか隣国でドンパチということがないことを祈るばかりだ。
特に、4月15日午前1時半頃の地震は、私の住んでいる阪神地域でも揺れを約10分間継続してゆっくりした横揺れを感じ取れた。これは東北の時と全く同じだ。熊本市からは約450㎞強あるよう遠隔地だが、結構恐怖感がじわりと湧き上がってきたものだった。その後、気象庁はこれが本震だと発表した。
翌日目覚めて後、災害はNHKテレビを見ることにしていたが、被害が拡大している状況は分かった。特に熊本城の石垣が崩れているのは衝撃だった。何故ならば、この城の石垣はしっかりしているとの定評を聞いたことがあったので、構築されて後約400年経過したが、遺構は損傷を受けずに残ったのではないかと誤解していたからだ。しかしNHKの報道では、手当たり次第に被害状況を伝えるばかりで、整理された全体像が把握し辛い。
この点では民間放送の方が分かり易かった。地震学者を登場させ、現在の状況を学問的に整理された情報に基づき現状を見た目で説明してくれていたからだ。NHKの災害報道は、大したことのない場合は民放よりも、迅速で詳しい印象がある。しかし、“大したことのある”災害では、あまり役に立たない印象がある。阪神震災の経験では、民放は一般聴取者の情報を取り込んで、官製報道よりもはるかに役に立った覚えがある。
しかしその後民放ではCMが入るので、その間またNHKに戻した。すると午前11時頃だったと思うが日向灘沿岸域で地震が発生した、という緊急速報が流れた。これはどうやら広範囲に広がる地震のようだが、ならば新たな地震モードが展開するのかと驚いた。というのは震源が熊本地域から大分・西部、中部に拡大していて、これがさらに宮崎方面にまで及ぶのかと懸念を感じたからだ。ところが、これに関しての続報は一向になかった。そこで、ネットで気象庁のホーム・ページを見ると、掲載はなし。どうやら“誤報”のようだ。だが、NHKそのことを伝えず、相変わらず手当たり次第に被害状況を伝えるばかり。情報源の問題であっても間違った報道については放置せず、一旦きちんと説明するべきだと思うが、何となく“国営放送”の傲慢を感じてしまう。
また、NHKに限らないが現場報道の報告者の語彙の少なさ表現力の乏しさも気懸りだ。映っている映像では道路1箇所の分断にもかかわらず“寸断されています”と言ってみたり、“見受けられます”の連発であったりして耳障りな報告が見られた。報道に携わる人がこれではいささか問題だ。(語彙の使い方、表現については私も立派とは言えないが・・・。)
この時見た気象庁の地震データを見て驚いたことは、この熊本・大分群発地震発生以後に、他地域においても極小規模ではあるが地震発生が記録されていることだ。報道では一切取り上げられていないが、これが日本列島全体の現実なのだということを、思い知った次第だ。これは一般には知られていない事実ではないか。
これも民放報道によって知ったが、約130年前に熊本で同じような地震があったという。“1889年(明治22年)7月28日23時45分に発生した、熊本を震源とするM6.3の直下型地震。”どうやら、その時も熊本城の石垣は崩壊していたようだ。こういうことは、NHKには解説員は居るが何故か言及しない。
とにかくまさしく“天災は忘れた頃にやってくる”のだ。現地インタビューでは、特に高齢者は皆一様に“生きて居て、初めてだ。”というが、経験者は皆死んでしまっている。災害発生後いつも同じことの繰り返しのようだ。
しかし、中央構造線に沿って東側に震源が進行すれば、伊方原発に至る。民放テレビに出た地震学者は、逆に震源が構造線に沿って南側に移行する懸念を表明していたが、そっちは川内原発に至る。いずれも“同じことの繰り返し”では、日本は滅亡する。伊方は瀬戸内海の中央、川内は鹿児島県の西域にあるので北西の風で放射能汚染の被害は甚大となる。阿蘇の火山活動への影響も大いに気懸りだ。阿蘇はカルデラ巨大噴火つまり九州全体の存立にかかわる災害につながる懸念がある。さらに、こうした地震がいよいよ南海トラフにどのような影響を与えるのかという懸念も増す。
そして、こうした自然災害によって日本の国力が少しずつ削がれていくのではないかという不安がよぎる。こうした災害を跳ね返して、伸びてゆく活力が今の日本に感じられないのだ。どうやら、アベノミクスも世界的にはアホノミクスと思われ始めており、世界最大のファンドも日本への投資を断念したという噂もある。英“エコノミスト”誌も“総じて失敗”と評価しているようだ。
報道が震災一色になっている中で、改めて新聞をみていると、九州新幹線ではカーブで軌道に取り付けるべき脱線防止ガードや車両に取り付けるべき逸脱防止ストッパーが無かったため、熊本駅近くで回送中の車両が脱線したとの記事があった。誰のどういう経過での経営判断だったのかは知らぬが、これは背景には高度な裁量が働いていると考えるべきだろう。最近の日本企業の経営層の劣化―東芝やシャープ等に見られるが、元々そうだったのか?―とその意向を下部従業員が忖度する企業風土が気懸りである。それは多様性を認めず、議論しないままでの悪い意味での“全社一丸”の企業文化だ。こういう傾向も日本社会の活力を削いでいる要因ではないか。新入社員採用でも表面的ではなく深い意味での個性を認めず、協調性(忖度できる気質)を強く求める傾向がある。
報道機関でもこの傾向は認められ、国際的にも懸念されているようだ。これは特に日本社会を危うくさせているように思われる。日曜の民放番組では、メディア側のこうした傾向を取り上げていた。日本社会の“空気の問題”であろうか。戦前もそうだったようだが、不況の中での専制回帰が心配だ。
また交通の主要幹線すなわち鉄道の新幹線や高速道路が、こうした災害に対し意外に脆弱な印象を持つ。この交通インフラの脆弱化が、救助復興の障害になるのではないかと思うのだが、どうだろうか。
そして同じ新聞には、さらにそうした記事より小さく“北朝鮮・弾道ミサイル失敗”との見出しがあった。そこには、“北朝鮮は15日午前5時30分ごろ、日本海沿いの江原道元山(カンウォンドウォンサン)付近から中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程3千キロ以上)を発射した。機体は十分に上昇せず、途中で爆発したとみられる。ムスダンは米領グアムを射程に収める。北朝鮮が、事前探知が難しい移動発射台から実戦形式で、米領土を攻撃できる弾道ミッサイルを使ったのは初めて。米国の反発は必至だ。”と書かれていた。
何故、これが気懸りなのか。それは、北が米国重要拠点のグアムを攻撃可能と、改めて米国を威す姿勢を示したからだ。同記事では“北朝鮮は事前に飛行予定海域に航行禁止警報を流していなかった。”とあり、本当に“失敗”したのか、自爆させたのか定かでないところが、懸念要素である。要するにチキン・レースで、北はノッチを一つ上げたことになる。これに対抗して、米国はスティルスの大型B1爆撃機―地下壕を破壊する機能―の配備決定が、焦点となるとの解説を聞いている。震災一色の報道の中で、いつのまにか隣国でドンパチということがないことを祈るばかりだ。
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