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ISOマネジメントと中小企業

私の基本的な 考え方の背景をご紹介したいと思います。実は 私は 中小企業こそ21世紀のビジネス・スタイルを支える基本だと考えています。それから その中小企業にとっては コンサルタントの存在が極めて重要になるだろうと 考えているのです。

松下やソニー、ホンダ等多くの企業は 中小企業からスタートし、今日の大企業となりました。しかし これからの時代は 必ずしも大企業になる必要はない、と考えます。中小企業のままで よいのではないか、と。事業は 成功すれば どんどん成長し、企業規模は 大きくなって行くのが自然です。しかし、事業には おのずと適正規模というものが存在すると思います。
最近、企業統治能力govern-abilityということが 言われるようになりました。それは 企業トップの目がきちんと企業内に行き届く規模で、適切な統治能力がなければ 迅速に 複雑に 変化する世の中に適応できないことを示しています。
GEのジャック・ウェルチは 不要な部門を容赦なく切捨てたことは 有名ですが 経営者が無駄な エネルギーを裂くことを避けたのではないかとも考えられます。どんなにITの時代になっても 経営者が 自信を持って 確実に把握できる規模には 限界があります。パソコンのデルも 企業規模が大きくなってきた時、社長は どのように企業分割すべきか悩んだようです。事業が大きくなれば 企業を適切に分割して 企業集団として 統治した方が 透明で誤りの少ない経営になるものと思われます。

企業分割の前に事業部制がありました。一時これが上手く 機能するかのように見えたのですが 最近は 末端では 同じ会社なのに違う部門で同じような製品を出して競うという 滑稽な事例が 随所で見られたようです。これは 資本効率の点から 全く良くないという反省がなされています。無理矢理 同じ会社の中に事業を留めておくことの意義は 見出せません。

企業規模は 小さい方が 経営の迅速さは生まれます。

人材の活用・調達ということを考えた場合、大企業が有利だったというのは 一昔前ならば 確かにその通りだったと思います。昔 聞いた話ですが 電力会社に 水棲昆虫学者が 居たそうです。それは ダムの発電効率を上げるのに 水棲昆虫が 問題となったためだそうです。大企業に 一人や二人 一見そぐわない人々が社員として働いていることは むしろその会社の雄大さを示し、尊敬される会社の 象徴のように見られていました。

しかし あのライブドアとフジテレビの係争では 両社 自分たちの社員だけを動員して争われた訳ではありませんでした。肝心な部分は 臨時に雇った腕っこきの超一流の弁護士に 任せたのです。両社とも従来からの顧問弁護士だけに頼っていて上手く行くとは 考えていなかったでしょう。このように複雑で しかも急速に変化する社会において従来型の 社内人材で全てを処理する時代は もう終ったと見るべきではないでしょうか。超一流の人材は 高い給与が必要です。常時 雇っておくことはどんな大企業にとっても負担は巨大です。それより パートタイムで 超一流の頭脳を お借りする方が効率的です。

このことは特に IT時代には 全ての会社スタッフに当てはまる問題ではないかと思うのです。例えば 会社の重要な経理上の問題は 帳簿はITで 決算にまで一気に整理可能です。そして後は 会計士や税理士と経営者が相談して仕上げるといのが 多くの中小企業の現状ではないでしょうか。この例では 専任の会計課の社員の必要性は小さく、経理的な 分析・判断は 会計士が担うことになります。まぁ 透明な経営をしていることが前提ですが、こういうように 中小企業診断士をはじめとして、各分野の仕事についても社労士、弁理士などアウトソーシングが 可能になってきているのではないでしょうか。以前 株式会社総務部という会社が話題になったことがありましたが そういう流れの中にあるものと思います。

つまり いわゆる本社費を 固定費からそっくり変動費に切り替えることが可能になりつつあります。さらに、もし そぐわないコンサルタントならば 契約解除すれば、済みます。雇用関係になれば解雇は安易にできません。そして コンサルタントの方が プロ・専門家ですので 普通の人より良く物事を知っていると考えて良いでしょう。ここまで考えれば、コンサルタントの企業への私的な忠誠心は 問題にならないでしょう。人材難に悩む中小企業にとっては有利な条件が 整いつつあります。

機敏に展開される21世紀のネットワーク型社会というのは こういうモデルが基本ではないでしょうか。

というような訳で 私は 中小企業こそが21世紀のビジネス・スタイルを支えるものだと考えており、その中小企業にとっては コンサルタントの存在が極めて重要になるだろうと 考えているのです。
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