The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“ISOを活かす―65. 供給者の評価基準を変えることによって、効果が期待できる?”
今回は 購買先の評価の仕方についてです。
【組織の問題点】
ISO9001認証取得している工作機械メーカーのA社では、供給者(購買先:部品材料の供給者と外注委託先)の評価を、取引開始時と その後定期的に実施することで運営しています。
この評価の方法は、どの場合にも一律に 同じ“標準化したチェックリスト”を使用して実施しているとのことです。つまり、評価先が 部品・材料の供給者であろうと、製造プロセスの外注委託先であろうと、あるいは 取引開始時の評価であろうと、ベンダー・リストに選定後に実施する再評価であろうと、同じチェックリストで評価しているとのことです。ISO9001マネジメントではできるだけ“標準化した”チェックリストを使うべきだと考えているからとのことです。
しかし、この評価結果はA社では、あまり有効に活用されていないとのことです。
このA社のやり方は適切と言えるのか という課題です。
【磯野及泉のコメント】
購買先の評価のために 「どの場合にも一律に 同じ“標準化したチェックリスト”を使用して実施しているのは、次の理由による場合が多いものと推察されます。つまり、違うチェック項目によるリストで評価してしまうと、ベンダー・リストで評点化する時に 違う基準で評価しておきながら、評点という数値で序列評価してしまうのか、という問題が生じるからだろうと思われます。
この疑問に対しては、購買先の機能により別々に評価することにすれば その分野別に「“標準化したチェックリスト”を使用して実施する」のが合理的な対処法であり、機能分野別に 業者の評価序列を決めるのが合理的だと考えられます。違う分野の業者を併せて総合的に序列を決定しても意味が無いのは当然です。原材料供給業者と輸送業者を一律に評価しても意味ありません。
また、“取引開始時の評価”と、“ベンダー・リストに選定後に実施する再評価”のチェック項目も 異なる項目とするのも当然と言えます。つまり、付き合う前と付き合った後の評価情報はその質が異なるのが一般的ですので、当然 異なる項目で評価するべきでしょう。つまり、ベンダー・リストに搭載する時の評価基準と 搭載後の評価基準では より具体的な評価が可能になっているはずで、その状態・状況により変えることの方が合理的な管理法と言えます。
この本では、建設会社の施工工事外注先の評価を工事が終了した時点で行っている、という事例を紹介し、そうする方が有効なこともあると言っています。評価するための行為(対象)が無ければ 評価できないのは当然です。しかし、この場合 外注先として起用するのが妥当なのかを決めるために、評価するのが先か、外注するのが先か、手順をしっかり合理的に確立させておくことが大切でしょう。評価の序列の中である順位までの供給者を起用するのか、絶対評価で 合格点を取ったところを今後も起用するのか、供給者との関係性の中で合理的な評価方法を リスクを配慮しつつ決定するべきでしょう。
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