The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“ISOを活かす―17. 口頭注文内容を再確認することによって、顧客満足度を向上させる”
今回は、電話で飛び込んでくる建設現場からの受注にどう対応するべきかの問題です。
【組織の問題点】
3年前にISO9001を認証取得した建設資材メーカーA社では、顧客から受注する時のコミュニケーション不足によるトラブルを解消できずに困っているということです。
顧客は、建設工事現場から携帯電話による注文を出すので 注文書などの文書によらないため生じるのです。
このトラブルは 顧客の信頼を失う原因となるばかりでなく、A社にとっても損失です。
【磯野及泉のコメント】
ここで 著者・岩波氏は 建設資材の注文は “現場事務所のない建設現場からその都度電話によって発注” するのが ほとんどであり、“携帯電話が普及した現在、以前にくらべて増えています。” と指摘しています。
またISO9001の規定「顧客がその要求事項を書面で示さない場合には、組織は顧客要求事項を受諾する前に確認すること」(7.2.2項)も引用して、“口頭注文の内容を再確認(復唱)する”ことの重要性を指摘しています。
しかし、それだけで、受注ミスはなくすことができるのでしょうか。それも 最低限必要なのは間違いないでしょうが、もう一工夫が要るように思います。
A社が どのような規模の会社か不明ですが、A社では 営業マンが受注する仕組だとすれば もし、営業マンが出先に居た場合、携帯電話のみでの受注では、勘違いや 聞き違いなど大いに起こりうることでしょう。特に 建設資材では 寸法間違いや色違いは 致命的です。
これに対しては 今やITを導入するべきでしょう。例えば 簡単なデータベース・ソフトをインストールしたPCを営業マンに携帯させ、受注の都度インプットするという工夫くらいは容易でしょう。
例えば 著者・岩波氏の例示するような チェーン店の居酒屋や ファミリー・レストランでは PDAを端末に使って、顧客のオーダーをインプットしているのをよく見かけます。これは、そうすることで厨房へレシピの種類、数量の情報が間違いなく伝達可能であり、発注者テーブル(向け先)も間違わないためです。また、オーダーをその場で確認することがマニュアルで定められているので誤り無く顧客に受注レシピを提供できるのです。
A社の場合、このような簡単なデータベース・ソフトを用いるだけでも、受注不能な寸法や色をインプットした場合 チェックが かかるようにすることも可能でしょう。また、インプットした結果を そのまま伝票フォームにアウト・プットすることも可能になり 転記ミスもなくなります。発注者に その伝票を E-mailで送信するなり、アウト・プットしてFAXすることができ、これで 顧客も発注内容を確認することができるでしょう。顧客への確認の一方、工場へのオーダー投入も一気に進めることが可能となります。こうして、簡単にISO9001の7.2.2の要求事項をカバーできるのではないかと思います。
ハード装備が重要なメーカーでは トラブル防止ばかりではなく、省力化も可能なので その程度の投資は積極的にするべきだと思いますが いかがでしょう。
さらに一歩進めて システム化すれば 省力化しつつISO9001の要求事項を十分に満足できるようになると思います。
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