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丸山茂徳著“21世紀地球寒冷化と国際変動予測”を読んで

国会は疑惑を隠すかのように閉会した。安倍氏は真摯に対応するとか、反省するとは、口では言っているが、この人の言葉はウソばかりなので、これもウソ。やっぱりこの期に及んで“信なくば立たず”という台詞を持ち出してきた。当然それもウソ。ウソつきがこの国の首相とはなんたる堕落した政府だろうか。国民の責任は大きい。
長い間不思議だったが、さすがの安倍政権の支持率も急落した。これに勢いを得たのかマスコミは心なしか政権批判を強め始めた。或いは日経社会部の女性記者が強面の菅官房長官を追い込んだのを見て、ようやく勢いを得たのだろうか。何だか軟弱な日本のマスコミだ。報道の自由を前面に掲げて日頃から権力と対峙する気概が乏しいのではないか。
当面は都議会選挙の結果だという。そんな一都市の選挙が国政に大きく影響するというのも違和感がある。
公明党は自民と離れて、知事側に就いた。御都合主義の政党であり、心底彼らを信じられない。組織犯罪防止法成立に大きく寄与したのであり、信じられない暴挙を犯した。国政レベルでは今後も安倍政権の憲法改正協力に邁進するつもりであろうか。彼らを支持する宗教団体の宗教的信条も、政治信条も信じられない。そこには精神の荒廃、腐敗臭すら漂っているような雰囲気がある。真面目な信者たちはそれで良いのであろうか。

先週、私は思わず“それにしても共謀罪法で今も活動しているであろう北朝鮮のスパイつまり組織的犯罪者は一網打尽できるのだろうか。ベクトルは違う方向に向いているような気がしてならない。”と言ってしまった。1週間経って、そうかその手があったのか、ということに気付いたのだ。
そう言えば、安倍政権は米国のパペット。その米国は特に軍部は北朝鮮の挑発には既にレッド・ラインを越えたと見ている。また政権はロシア疑惑の捜査が進展しており、既に国民の支持を失って完全にレーム・ダックになっている。それが故に経済政策も実効を見ないだろうとの見方が広がり、市場も急落のきっかけは何になるかを息をのんで見守っている。ここで窮余の一策、米軍の北への攻撃は必至のシナリオになっているのではないか。実際、6月初めには在韓米軍の家族らの避難訓練があったというが、これは訓練ではなく実際に避難してしまったのではないか。米国3空母群は現在の所、未だ集結はしていないようだが、いつでも集結できる態勢にあるようだ。特に、米国本土にいたニミッツもハワイ付近へ進出して来ているようだ。恐らく乗員の訓練を徹底させているのではないか。
一方、7月には北もさらに挑発する行動に出るとの観測もある。その挑発をきっかけに米軍は動き出す可能性は非常に高い。米軍の北への攻撃があれば日本で活動中の北朝鮮スパイ団がテロを仕掛ける可能性は高い。そのテロを組織犯罪処罰法を適用して事前に防ぐ必要がある。急いでいたから強行採決してでも成立させたと見ることが出来るのではないか。この法律は7月11日から施行とのことでこの直後に一斉検挙となると私は妄想するのだ。この際、余計なとばっちりを受ける冤罪者もかなり出る可能性はあろう。これが日本政府の常套手段なのだ。
もし、このようなことがあれば国内の右派からは大喝采が巻き起こり、一部マスコミも同調し、安倍政権の支持率は一挙に80%程度には回復できることになるだろう。この準備完了を見て、いよいよ米軍は行動を起こすことになるだろう。
さらに米軍の攻撃があれば、安倍氏は拉致被害者救出のため自衛隊の特殊部隊を派遣すると意気込んでいるとの噂も週刊誌に出ていた。現行憲法を無視した行動だ。国民内の右翼バネはさらに跳ね上がって、内閣支持率は100%を超えるかもしれない。この余勢で一挙に憲法改正に向かうことになるのだろう。安倍氏はそれを今や手ぐすね引いて待っているのだ。


全く違う分野の話、本題に入るが、IPCCの“CO2の地球温暖化主因説”に反対する学者・丸山茂徳氏がようやく“21世紀地球寒冷化と国際変動予測”という本を出版していたことを、最近知った。つい先日この本を読んだので感想を記したい。
この本の著者・丸山茂徳氏は東京工業大学教授で、地殻構造を動的に捉えたプルーム・テクトニクス理論で世界に衝撃を与え、日本地質学会賞や紫綬褒章を受章した学者だ。この人が2008年に“科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている”という新書本を出している。当時、私もIPCCの議論に同調するべきか否か迷っていたので、興味津々で読んでみた。そして、地質学者としての嗅覚でIPCCの議論はおかしいと考えている、だが、科学的論理的明確に根拠を示して主張したものではなかったと記憶している。このブログでも私は読後感想を出している。

またほぼ同時に、アラスカ大学地球物理研究所の所長にして地球電磁気学や北極圏研究における世界的権威とされる赤祖父俊一氏も“正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために”という本を発刊し、これもCO2だけによる一方的温暖化は考えられないと主張していた。特に極地の気象メカニズムの基本すら解明されていないにもかかわらず、地球全体の気候変動メカニズムなど簡単には説明できない、という論調だったように思う。また定量的評価によれば“人為的なCO2よる気温変動は,少なくとも6分の1程度でしかない”と推定していたと記憶している。
しかし、いずれもIPCCの地球温暖化CO2主因説が決定的に間違っていると主張するほどのインパクトある議論ではなかったように思う。なので、丸山教授はそのうちに網羅的にIPCCの議論に反論した本を世に問いたいと言っていたので、私としてはそれを読んでから、IPCCの地球温暖化CO2主因説が間違っていることへの確信を深めようと思っていたが、その本の出版状況を完璧にフォローできていなかった。最近、気付けばこの本が出ていたので慌てて読んだ次第だ。

さて地球温暖化の議論はどう考えるべきだろうか。私は工学系出身なので、太陽からの入熱と宇宙への放熱の熱収支を基本に考えるべきだと考えている。こういう地球というプロセスへのインプット/アウトプットを考えるのは、ISOでいうプロセス・アプローチでも、品質工学でもインプット/アウトプットにノイズを入れて考察するし、はたまた会計学の基本である簿記においても決算の結果をバランス・シートに示して誤りなく適正であることを示している。そういう点において、定量評価での収支バランスを突き詰める態度がある種の思考方法として基本であると言えるのだ。
ところがIPCCの議論は、入熱の変動を頭から無視して、放熱の程度が温室効果ガスによって抑制されるから温暖化するのだという主張だ。だが太陽活動は黒点の増減に見られるように変動するのはよく知られたことだが、IPCCはそういう“不都合な真実”は無視して、温暖化を立論している。
IPCCの“不都合な真実”を無視する議論は他にもある。それは温暖化すれば、地球上の水分は気化して結果的に雲の発生が増えることになる。雲量が増えれば、それは太陽光をはね返す方向に大きく寄与する。つまり地球への入熱を阻害する。それは結局のところ温暖化よりも寒冷化への影響を与える要因となる。この点をIPCCは公式の報告書で議論が複雑になるので無視するという意味のことを書いていて、私にはそれがとても科学的なものではないと映ったのだ。

その後、2009年には東北大学が南極ドームふじで250m深さの氷を分析して得られたほぼ34万年前からの 気温と CO2ガスの濃度、海水面高さの変化を示している図*を見たのだが、IPCCによるせいぜいで直近千年程度の気温変化だけを見せられていた私には衝撃だった。何故なら、この34万年の間に4回温暖化と3回の寒冷化の時期があり、その寒冷化の時期の方が長いのだ。現在はその4度目の短い温暖な時期なのだ。そして、その繰り返しは気温に歩調を合わせてCO2が増減している。それにつれて海水面の高さも連動しているのだ。この気温とCO2ガスの増減は何に拠っているのだろうか。いずれにせよ、人為的なものとは思えない。ならば、昨今の温暖化も人為的なものが主因ではない可能性があるし、少なくともたとえCO2ガスが増加しても地球のメカニズムには増加がある閾値に達すれば自動的にそれを減少させる働きがあり、IPCCの主張のように一方的に温暖化熱帯化する訳ではないと推測されるのだ。これもIPCCにとっては“不都合な真実”となるのではないか、と当時思ったのだった。こうした疑念を抱きながら丸山教授の本格本を待っていたのだ。

*こうした図は不勉強で知らなかったのだが、最近他所からのエータで同様な傾向を示すものをいくつか見るようになった。これが科学的常識ならば何故IPCCの主張に疑惑があるとは言えないのだろうか。海外ではIPCCの主張への疑問を呈する報道があると言い、そのデータをスティック曲線と揶揄し改竄疑惑があると指摘しているらしいが、日本では寡聞である。こういう点でも私は日本のジャーナリストを信じることができない。

こうした疑問に丸山教授はこの本でどのように答えているのだろうか。この本のまえがき“プロローグ”で、既に“太陽活動、大気組成、火山活動、宇宙線強度、地磁気強度であり、長期的には海陸分布変化などのいろいろな地質事件も大きな影響をもつ。”と言っている。
そう、先ずは地球への入熱の影響、太陽活度を念頭に置くのは当然であろう。
そして、一般に気温変化は太陽活動と比例関係にあることは実は昔からよく指摘されてきたことであり、“太陽活動の指標である太陽黒点数は気温上昇と関連して増加する。観測期間を過去400年間にまでのばしてみても、太陽黒点数が気温変化とよい相関を示しており、気温上昇の原因が太陽活動の活発化にあることを示しているかのようにみえる。しかし、最近の人工衛星観測データの解析によれば、太陽エネルギーの変化は気温l変化の10%しか説明できないということも明らかにされている。”
次に地球と太陽との距離が木星や土星の影響を受けて変化したり、地軸の傾きが変化する歳差運動の影響を見るミランコビッチ・サイクルの影響について述べている。ここでは“天体力学が地球の気候変動に影響する重要な要素であることは確かである。ミランコビッチ・サイクルによれば、現在地球は温暖期を終えて寒冷期に向かうことが示されている。”

“デンマーク国立宇宙センターのハンス・スベンスマーク博士は気温変化と雲量、宇宙線強度と太陽活動の関係を調べ、地球温暖化の原因はこれらの変動によつて説明できると指摘した。宇宙線は宇宙から飛んでくる高エネルギー放射である。地球人気に進入した宇宙線は雲核形成のためのイオン化を促進させ、結果として雲量増加をもたらす。彼は宇宙線強度が雲量と強い正の相関をもち、一方太陽放射量や気温とは負の相関をもつことを指摘した。地球に侵入してくる宇宙線強度は、これに対するバリア効果をもつ太陽風と地磁気の強さによって大きく影響される。このため太陽活動が強まって強い太陽風が地球にやつてくると、地球に到達する宇宙線強度は小さくなり、そのために雲量が減少し、気温が上昇する。逆にもし太陽活動が強まると地球に到達する宇宙線強度は小さくなり、その結果雲量が増大し、気温が低下する。このように、太陽活動、宇宙線と気温の間には強い相互関係がみられるのである。”
ところが、“地球に到達する宇宙線の強度は太陽活動だけでなく、地磁気にも影響される。”ところが、“ここ400年間にわたって地磁気強度はずっと弱まってきている。ここまでのべてきたように、太陽活動強度が変わらないと仮定すると、地磁気が弱まれば地球に到達する宇宙線は強くなる。もし地磁気がこのまま弱くなっていくと、宇宙線放射は2035年には現在より15%多くなる。そうなると雲量が増加し、これは気温の低ドをもたらす。このように、地磁気強度は気温変化をコントロールする要因の一つである。”
このように、“太陽活動、地磁気変動と(これらに影響される)宇宙線強度変化はすべてが気温降下につながる方向に変化している”と予測している。IPCCよりもはるかに幅広い科学的情報に基づいた影響度分析である。そして“太陽活動が最小になると予測される2035年には気温は最低になると予測される”と言っている。

このように温暖化が進むのではなくて、逆に温暖期が現在異様に長いと懸念する気候学者もいることから、この予測は確度が高いと思われる。また丸山教授も、グリーンランド氷床コアからの測定データにより、“ここ1万年間のような安定した気候状態は稀なことであるのがわかる。もし現在の温暖期が終われば、地球は再び急激な寒暖を繰り返す普通の気候状態に戻るであろう。人間社会の文明化と化石燃料使用に伴う炭酸ガス排出はほんの200年ほど前から始まったことである。長い地球の歴史からはこれはほんのわずかの期間であるし、かつ小さな出来事であり、地球はさらに大規模な気候変動をごく普通に無数に繰り返してきているのであり、今後も繰り返すのである。”とも言っている。
寒冷化によって、民族大移動が生じたのが人類史であり、既存の社会には様々なダメージが生じるであろう。このためのケアが大切だと説いている。

日本ではこのように結構疑わしいIPCCの温暖化論が幅を利かせ、かなりの知識人にすらそれが正しいことだとの認識が浸透している。いわばCO2温暖化論一色なのだ。しかもその温暖化防止のための予防原則の適用すら必要だとの議論があり、かなり感情的になる人も居る。これにはヘイト・スピーチと同根の精神構造が見られるような気がする。極めて危険なことではないだろうか。温暖化阻止ばかりに血道を上げているので、いざ寒冷化が始まっても何かの間違いとばかり、対応が遅れる可能性が大きい。日本はそういう過ちを犯す傾向にあり、そこに日本社会の脆弱性があるような気がする。戦前から一向にその根幹は進化しておらず、その点でも戦争への反省が不十分だったのではないか。
これに対しこの本では指摘しているのは、米国ではトランプ氏のような俗論での反温暖化論ではなく、れっきとした科学者による“NIPCC(Non‐Governmcntal lnternational Pannel for Climatic Change)という非政府系科学者の組織がつくられ、31478人が署名した政府あての要望書を公開しているのである。この組織では、(1)地球温暖化人為起源C02犯人説を支持する確証はまったくない、(2)地球温暖化は食糧の増産などよいことが圧倒的に多い、という11つの重要な結論を明言己している。”ということだ。
先進諸外国では何か特定の考え一色に染まらないのだ。実は丸山教授が“科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている”と言っているのは特に日本の科学者への発言であって、それが本当ではないかと思っている。日本の科学者は御身大切で、口をつぐんでいることも要因としてあるのではないか。ある大学のリスクに関する一連の講義を受講したことがあるが、その時の講師陣を占める若い助教の方にこの点どう思うのかと飲み会で問うたことがある。すると、“CO2犯人説はウソ”だと思うが、そうしておけば“「資源節約には役立つ」方向に世の中を動かせる。”だから、そのままにしている、という意味のことを言っていた。それが真相なのだろう。しかし、このままではやっぱりいずれ問題が生じると思われる。
先進諸外国では何か一色に染まらないのは、自分の頭で考え、自分なりの考える基準や原則を持っているからではないか。だからこそ、自由、平等、の最後は博愛ではなくてfraternity(他者の尊重)が重要なのだ。
丸山教授もこの本で、“こんな状態だから、日本では多くの人たちがいとも簡単に「二酸化炭素犯人説」を信じてしまうのである。もちろん、情報が足りない、偏っているということは言える。それにしても、小学校で習った基本的な理科の知識があれば、疑ってみることくらいはできるはずなのである。日本の教育における哲学の欠如、科学教育の貧困さを如実に反映しているのではないだろうか。”と指摘している。有為の人には是非読んで頂きたい良書だと思う。

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