健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

『リンパ浮腫』セルフケアー講習会を終えて

2009年06月17日 07時43分58秒 | Weblog
6月5、12日とリンパ浮腫のセルフケア講習会があざみ野の男女共同参画センター横浜北で開催されました。

初回の内容はむくみ改善のリンパドレナージのセルフケアやリンパの仕組みなど、2日目は運動療法と日常の注意事項など盛りだくさんの内容でした。

この講習会で何より皆様に持ち帰って頂きたかったことは、リンパ浮腫をより正しく理解して今の生活を見直すことで、より良い状態をめざしてむくみと向き合っていただきたいということです。

今はまだむくみが出ていない方、軽度の方 、またむくみが出てから時間が経過してしまった方も、毎日皮膚の手入れを行うことで、昨日と違う皮膚の情報を見つける可能性や、細菌感染などからも未然に皮膚を守ることができます。

更に、正しいマッサージのケアや運動を、生活の一部に取り入れる工夫と日常の注意を守ることで、恐怖心を持ったり神経質になることもなく生活の質を高めながら、趣味や旅行を楽しむこともできます。

ということで、15年前にはリンパ浮腫の情報も少なく、お医者様も術後の浮腫に対する注意や生活のアドバイスなどの説明はありませんでした。

特に長年待ち望んでいた『リンパ浮腫治療の保険適応』が2008年4月から導入されて、入院中1回に限り「リンパ節郭清(カクセイ)範囲の大きい乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がんの手術後にしばしば発症する四肢のリンパ浮腫について、その発症防止のための指導について評価を行う。」というリンパ浮腫指導管理料が保険で受けられることになりました。
もう1点は、四肢リンパ浮腫に対する弾性着衣を用いた圧迫療法が療養費の対象となったことです。

私はたまたま開業時に初めての患者さまがリンパ浮腫の方でしたので、リンパ浮腫治療を学び取り組むきっかけとなり、この時が原点となってこれまで多くの患者さまとの出会いがありました。
また術後の浮腫は個々に発症の時期や部位も異なるため数々の臨床経験を積ませて頂くことができました。
今後も更に研鑽を重ねより新しい情報の発信や治療、運動療法などで皆様のお役に立てるよう努力して参ります。

今回の講座で「乳がんの基礎知識」に関しては次のような質問を致しました。その一部で比較的多くの皆様が間違えて解答した問題を書き出してみました。

これは千葉県対がん協会検診センター顧問など乳腺専門医として「ブレストサービス」を設立しテレビなどでも幅広くご活躍の宮内 充 先生の講義を拝聴した時のものです。
皆様も是非お考え下さい。○×形式です。

問1 
疫学(統計)的には乳腺細胞の活動が活発になる妊娠や授乳などの機会(回数)が多い方が乳がんになりやすい。

問2
乳がんの早期発見のためには2年に1度のマンモグラフィー検診より、毎年必ず触診を受けた方が良い。

問3
乳がんの治療は手術が大原則で、少々無理をしても手術で取ることが治療成績を上げる為の最も確実な方法である。

問4
乳がん術後の抗がん剤治療は正常細胞まで障害を受ける為、免疫力が落ちる原因になりますので充分な手術ができているならば特に必要がないとされている。

皆様はすぐにわかりましたか?それでは解答は次回のブログで

さてこれからの時期、圧迫療法は皮膚の弱い方には大変なストレスになります。
しかしリンパ浮腫の治療にはなんといっても圧迫療法が最も重要になります。
湿気や暑さなどの対策は、ご自分の皮膚に合った方法で包帯や弾性ストッキングなど選んで頂きたいと思います。先ずは、行き付けの病院や治療院で適切な指導を受けご相談ください。

今回は「乳がん、婦人科がんの後遺症によるリンパ浮腫のセルフケアー講習会」の報告でした。検診を受けていない皆様、この機会に是非受診をお薦めいたします。
では、蒸し暑い梅雨どきをさわやかにお過ごし頂きたいと思います。