健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

リンパ浮腫①

2022年12月18日 08時50分24秒 | Weblog

朝晩の冷え込みが一層厳しく感じられるようになりました。

新型コロナの感染が世の中を狂わせてから今年も収束を見ないまま

年越しになります。そんな中でも街はクリスマスの装いに変わり

日暮れが近づくと色とりどりの灯りが気分を盛り上げてくれています。

 

今年も沢山の皆様に「健康塾通信」の頁を開いていただきまして

心より感謝申し上げます。

治療師として振り返ると

1984年鍼灸マッサージ師の資格を取得して1994年(平成6年)8月開業、

その年の10月にはじめての「リンパ浮腫」の患者様とご縁を頂いてから今日まで

複合理学療法(現在は複合的治療と呼びます)というリンパ浮腫の治療を中心に行って参りました。

 

リンパ浮腫は下に記す『原発性』と『続発性』に分類されます。

原発性・・先天性の要因によるリンパ浮腫

続発性・・後天的な原因によるリンパ浮腫

私たち治療師は主に続発性リンパ浮腫の患者様の治療になります。

乳がんや婦人科がん、直腸がん、前立腺がんなどが

原因となって乳がんではリンパ節を切除した方の上肢、婦人科がんでは、下肢に発症しています。

特に手術による放射線治療や化学療法の有無によってもリンパ浮腫の原因や

誘因となりうることもあります。

がんの治療や手術を無事に終えた方々が、2000年以前はリンパ浮腫に関して

手術前や手術後に個別に説明や指導管理などを受けることがなく、2008年に

厚労省からの「リンパ浮腫指導管理料」として算定が認められるようになりました。

 

これに基づき保健医療機関は入院中か退院後の1回、医師・看護師・理学療法士

等何れかがリンパ浮腫の重症化を抑えるための指導を実施しています。

私の患者様の浮腫が始まったきっかけは、引っ越しや季節の衣類の入れ替えや整理

などによる過労や旅行などによる乗り物など長時間の移動なども思い当たるようでした。

 

浮腫の始まりはゆっくりと進行していきますが

上肢の患者様では、手のけがから手首より下から浮腫が始まり結婚指輪が外せない状態で

来院されました。

この時は直ぐに近くの消防署で指輪の切断に行ってもらい、その後から治療をスタートしたこともあります。

大切な指輪ですから、

消防署の方からは切断後、修復してくれる業者の情報を渡されて安堵していました。

 

下肢の患者様では、正座が出来づらくなって気が付いた方もいらっしゃいましたが、

特に長時間の正座は本来婦人科がんの術後はさけなければなりません。

 

このほか術後の生活で気をつけたいことは多々ありますが、一度リンパ浮腫が発症して慢性化すると

生涯にわたって生活に支障が出てきます。

医療機関での手術前後の指導を守ることでいつの間にかリンパ浮腫にならないことが大切なことだと思います。

 

それでは次回、日常生活の注意点をまとめてお伝えいたします。

 

今日も良い一日になりますように