徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザ脳症が6例発生、5例は10歳以下

2017年12月24日 06時13分02秒 | 小児科診療
 今年流行のタイプはAH1pdm09が主流ですが、地域によりAH3亜型(=香港型)が主流のところもあり、一定していないようです。
 インフルエンザ性脳症の情報が入ってきました。6零報告され、死亡例はゼロだそうです。
 国立感染症研究所の情報はタイムラグがあります。
 全国小児科医の有志による以下の報告は、ほぼリアルタイムです;

MLインフルエンザ流行前線情報DB





 すでに幼稚園・小中学校は冬休みに入りましたので、流行拡大はいったん止まり、年明けに本格的な流行という例年通りのパターンになりそうですね。

■ インフルエンザ脳症が6例発生、5例は10歳以下
2017/12/19:日経メディカル
 インフルエンザの流行が拡大している。12月10日までの1週間(第49週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は2万人を超え、定点当たり4.06人と前週の2.58人から増加した。国立感染症研究所によると、推計患者数は約20万人で、うち9歳以下が40%、10歳代が20%と低年齢層を中心に感染が広がっている。重症例も目立ってきており、インフルエンザ脳症は48週までに6例が報告され、うち5例は10歳以下だった。
 流行地域も拡大し、全域で流行の目安である定点1人を超えた自治体は45都道府県となった。長崎県は定点報告が10.51人と注意報レベルとされる10人を超え、今季初めての注意報を発表した。沖縄県(7.07人)、大分県(6.84人)、愛媛県(6.46人)、宮崎県(5.90人)、福岡県(5.79人)などと続いている。
 感染研によると、推定患者数は約20万人で、9歳以下が40%と最多だった。10歳代が20%、30歳代と40歳代が10%で続いている。20歳代、50歳代、60歳代、70歳以上はそれぞれ5%だった(図1)。


図1 年齢層別に見たインフルエンザ推定患者数(国立感染症研究所の感染症発生動向調査を基に作成)

インフルエンザ脳症の報告も
 感染研がまとめている感染症発生動向調査を基に、全数把握疾患である急性脳炎のデータをピックアップし、インフルエンザが原因の症例を集計した結果、第48週までの累計で、インフルエンザ脳症例は6例となった。第44週(10月30日~11月5日)以降、5週連続で報告されている。報告時死亡例は、出ていない。
 年齢別では、1歳が2例、6歳が1例、10歳代が2例と1歳以下が多く、50歳代も1例報告されている。ウイルスのタイプは全てA型だった。


図2 インフルエンザ脳症の報告数の推移(国立感染症研究所の感染症発生動向調査を基に作成)

 なお、インフルエンザの流行ウイルスは、感染研のインフルエンザウイルス分離・検出速報によると、直近の5週間(45~49週)でAH1pdm09が164件で最多だった。B型が54件、AH3亜型は31件だった。AH1pdm09が66%を占めており、流行の主流となっている。ただし、地域によってはAH3亜型が主流のところも散見されており、注意が必要だ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 都民の2人に1人が花粉症 | トップ | 「返品詐欺」というのがある... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小児科診療」カテゴリの最新記事