アメリカではA型インフルエンザのH3N2タイプが猛威を振るっています。
ちなみに、現在の日本で流行しているのはA型(H1N1pdm09)とB型で、アメリカとは異なります。
カナダからの報告では、大流行の原因はワクチンの効果が低いから・・・HAワクチン(コンポーネントワクチン)の限界が見え隠れします。
※ 下線は私が引きました。
■ 米国インフル大流行、ワクチン効果の低さが一因か
(HealthDay News:2018/02/06:ケアネット)
H3N2型インフルエンザウイルスに対する今シーズンのワクチンの効果は20%に満たないとするカナダの調査結果が2月1日に明らかになった。米国は今シーズン、H3N2型を主としたインフルエンザウイルスの感染拡大によって大きな打撃を受けており、米疾病対策センター(CDC)によると、インフルエンザによる入院の発生率は過去最悪レベルを記録した。CDC長官代理のAnne Schuchat氏は2月2日の記者会見で「米国でのワクチンの効果については分析を進めているところだが、わが国でも同様に効果の低さが示される可能性が高い」との見方を示した。
CDCによると、1月27日の時点でインフルエンザ患者が報告されているのは48州(前週は49州)。人口10万人当たりのインフルエンザによる入院患者数は、1月14~20日の10万人当たり41.9人から1月21~27日には同51.4人に増加した。また、1月21~27日の週に新たに16人の小児患者の死亡例が報告され、インフルエンザによる小児の死亡例は今シーズンだけで53人となった。
Schuchat氏は記者会見で「1月21~27日の(インフルエンザによる)入院の発生率はCDCが調査を開始して以来、最も高い。また、インフルエンザ患者の増加によって各地の病院が混雑し、抗ウイルス薬や迅速診断キットが不足している施設もあるとの報告を受けている」と説明。その上で「残念ながら、米国のほぼ全土でインフルエンザの流行は続いており、患者数は増加傾向にある」と話した。
インフルエンザを予防する最善の手段はワクチン接種だが、今シーズンのワクチンは実際に流行しているインフルエンザウイルスの型に対して効果が不十分である可能性が指摘されていた。会見の前日にはカナダのグループがH3N2型に対するワクチンの効果は推定で17%にとどまるとする分析結果を「Eurosurveillance」2月1日号の論文で発表した。
H3N2型は今シーズンに米国で最も多く検出されている型だが、同グループが分析したのはカナダのデータであるため、この数値が米国にも当てはまるわけではない。米国でのワクチンの効果については現在、分析が進められており、今後発表される予定だ。ただ、Schuchat氏はカナダの報告を受け「H3N2型に対して有効なワクチンの製造は難しいため、驚きはない」とコメント。「オーストラリアでも先ごろのインフルエンザ流行の終息時にワクチンの効果が低かったことが明らかになったが、米国でも同様にH3N2型に対するワクチンの効果の低さが示されることになるだろう。ただ、最終的な数値はまだ分からない」と話した。
ただし、CDCは今シーズンのワクチンの効果が例年と比べて低くても、ワクチンを接種しておくことは重要だと強調している。接種による予防効果だけでなく、感染した場合も軽症で済む可能性が高まるというのが理由だ。CDCインフルエンザ部門のDaniel Jernigan 氏は、特に小児ではワクチン接種による重症化の予防が望ましいことを指摘。「今シーズンにインフルエンザが原因で死亡した小児のうち、ワクチンを接種していた小児はわずか20%だった。また、死亡した小児の約半数はインフルエンザを発症する前は健康だった」と説明した。
ちなみに、現在の日本で流行しているのはA型(H1N1pdm09)とB型で、アメリカとは異なります。
カナダからの報告では、大流行の原因はワクチンの効果が低いから・・・HAワクチン(コンポーネントワクチン)の限界が見え隠れします。
※ 下線は私が引きました。
■ 米国インフル大流行、ワクチン効果の低さが一因か
(HealthDay News:2018/02/06:ケアネット)
H3N2型インフルエンザウイルスに対する今シーズンのワクチンの効果は20%に満たないとするカナダの調査結果が2月1日に明らかになった。米国は今シーズン、H3N2型を主としたインフルエンザウイルスの感染拡大によって大きな打撃を受けており、米疾病対策センター(CDC)によると、インフルエンザによる入院の発生率は過去最悪レベルを記録した。CDC長官代理のAnne Schuchat氏は2月2日の記者会見で「米国でのワクチンの効果については分析を進めているところだが、わが国でも同様に効果の低さが示される可能性が高い」との見方を示した。
CDCによると、1月27日の時点でインフルエンザ患者が報告されているのは48州(前週は49州)。人口10万人当たりのインフルエンザによる入院患者数は、1月14~20日の10万人当たり41.9人から1月21~27日には同51.4人に増加した。また、1月21~27日の週に新たに16人の小児患者の死亡例が報告され、インフルエンザによる小児の死亡例は今シーズンだけで53人となった。
Schuchat氏は記者会見で「1月21~27日の(インフルエンザによる)入院の発生率はCDCが調査を開始して以来、最も高い。また、インフルエンザ患者の増加によって各地の病院が混雑し、抗ウイルス薬や迅速診断キットが不足している施設もあるとの報告を受けている」と説明。その上で「残念ながら、米国のほぼ全土でインフルエンザの流行は続いており、患者数は増加傾向にある」と話した。
インフルエンザを予防する最善の手段はワクチン接種だが、今シーズンのワクチンは実際に流行しているインフルエンザウイルスの型に対して効果が不十分である可能性が指摘されていた。会見の前日にはカナダのグループがH3N2型に対するワクチンの効果は推定で17%にとどまるとする分析結果を「Eurosurveillance」2月1日号の論文で発表した。
H3N2型は今シーズンに米国で最も多く検出されている型だが、同グループが分析したのはカナダのデータであるため、この数値が米国にも当てはまるわけではない。米国でのワクチンの効果については現在、分析が進められており、今後発表される予定だ。ただ、Schuchat氏はカナダの報告を受け「H3N2型に対して有効なワクチンの製造は難しいため、驚きはない」とコメント。「オーストラリアでも先ごろのインフルエンザ流行の終息時にワクチンの効果が低かったことが明らかになったが、米国でも同様にH3N2型に対するワクチンの効果の低さが示されることになるだろう。ただ、最終的な数値はまだ分からない」と話した。
ただし、CDCは今シーズンのワクチンの効果が例年と比べて低くても、ワクチンを接種しておくことは重要だと強調している。接種による予防効果だけでなく、感染した場合も軽症で済む可能性が高まるというのが理由だ。CDCインフルエンザ部門のDaniel Jernigan 氏は、特に小児ではワクチン接種による重症化の予防が望ましいことを指摘。「今シーズンにインフルエンザが原因で死亡した小児のうち、ワクチンを接種していた小児はわずか20%だった。また、死亡した小児の約半数はインフルエンザを発症する前は健康だった」と説明した。