徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザ対策に空気清浄機は有効?

2011年11月01日 01時00分41秒 | 小児科診療
 毎年、いろいろなインフルエンザグッズが出ては消えていきます。
 近年、評価が一定してきたかのような印象のあるシャープの空気清浄機「プラズマクラスター」。
 ホントに有効なのでしょうか?
 こんな記事が目にとまりました;

■ 空気清浄機・・・効果を否定する研究結果も(2011.10.31:nikkei BP net)

 そろそろ冬のボーナスに向けて、インフルエンザ対策にエアコンや空気清浄機を考え始めた人もいるのではないだろうか。今年の夏のエアコン商戦ではもちろん省エネ性能が重視されたが、最も人気を集めたのはイオンの発生装置により除菌・消臭機能を持つハイエンドのモデルだったそうだ。おそらく、冬の商戦でもその人気は受け継がれるはずだ。
 イオン発生機能で代表的なのがシャープのプラズマクラスター。浮遊アレル物質の作用を抑える、浮遊カビ菌を除菌する、浮遊ウイルスの作用を抑える、付着臭を分解・除去、などの効果があるという。
 こう聞くと、インフルエンザの流行期に向けて、思わず1台は欲しくなるところ。だが、その効果を否定する発表が感染症学雑誌に掲載されたという。国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンターの西村秀一氏らの研究によるもので、プラズマクラスターイオン発生機だけでなく、ナノイー発生機、フラッシュ・ストリーマ放電装置でも同様でHEPAフィルター装着空気清浄機の方が効果的だったという。プラズマクラスターイオン発生機では、活性ウイルス量の推移は、コントロールの経時的自然減衰、すなわち何もしない状態のウイルス量変化と変わらなかったそうだ。


 もう5年以上前になりますが、私が参加したアレルギー系の学会で空気清浄機の比較評価した演題を聞いたことがありました。その時も「イオン式はフィルター式に劣る」という結果であったことを記憶しています。演者は「イオン式って名前が付くものはどうもダメなんですねえ」とコメントしていました。

 近隣の市町村で、小学校全校に空気清浄機を設置した自治体がありましたが、効果はあったのでしょうか。税金を投入したのなら検証して結果報告する義務があると思われますが、残念ながらそのような情報はついぞ聞いたことがありません。

 やはりインフルエンザ対策の王道はワクチン&手洗いに尽きるようです。
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