ノロウイルスの集団感染がニュースにならない年はありません。
各施設、対策は取っているのに、なかなか征圧できない感染症の一つです。
朝日新聞からの事例報告と、読売新聞の感染対策の解説記事を紹介します。
■ 病院でノロウイルス集団感染 患者ら18人 福岡
(2018年02月15日:朝日新聞)
福岡市は14日、南区の病院で18人が下痢や吐き気などの症状を訴え、うち5人からノロウイルスが検出されたと発表した。市はノロウイルスが原因の感染性胃腸炎の集団感染とみている。保健予防課によると、症状を訴えたのは60~90代の入院患者11人と、20代と40代の職員7人。重症者はいないという。
※ 下線は私が引きました。
■ ノロウイルス感染予防…嘔吐物は新聞で覆い、次亜塩素酸ナトリウムで消毒を
(2018年2月13日:読売新聞)
下痢などの症状が出る「ノロウイルス感染症」は、秋から冬にかけて流行します。ウイルスは感染力が強く、人にうつさないように注意することも大切です。感染者が出たら、汚染物の管理など対策を徹底しましょう。(冨山優介)
◇ なぜ起きる?
ノロウイルスは直径30~40ナノ・メートル(ナノは10億分の1)で、インフルエンザウイルスの3分の1程度の大きさです。小腸の上皮細胞(表面の細胞)に感染して、増殖します。
感染の経路はウイルスが口から入る「経口感染」が中心です。感染者の便や 嘔吐おうと 物に触ったり、感染者が触ってウイルスが付着した食品を食べたりして感染します。二枚貝などウイルスに汚染された食品を食べることでも感染します。
◇ どんな症状?
ウイルスに感染してもすぐに症状は出ませんが、小腸の上皮細胞はやがて大量にはがれ落ち、1、2日後に下痢が起きます。嘔吐も主な症状の一つです。いずれも2、3日続きます。
ほかにも38度程度の発熱や腹痛、頭痛、悪寒、筋肉の痛み、のどの痛み、 倦怠けんたい 感など、様々な症状を伴うこともあります。
健康な人が感染した場合は、下痢や嘔吐は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りでは重症化する危険があります。お年寄りが吐いたものを詰まらせて窒息し、死亡することもあります。
◇ どう治すの?
本村 和嗣 ・大阪健康安全基盤研究所総括研究員(ウイルス感染症)は、「ウイルスの活動を抑え込む抗ウイルス薬や、感染を防ぐワクチンはいずれもありません。症状に合わせて対応する『対症療法』が中心になります」と説明します。
下痢で脱水症状が起きやすくなるため、必要な水分を点滴などで補給し、胃の調子が悪い状態が続けば整腸剤を服用します。痛みがひどければ鎮痛剤も使います。
症状が治まるまでは、安静にして過ごします。食欲も減退していることが多いので、おかゆなど消化に良いものを食べて、しっかり栄養を取ることが大事です。
◇ 予防には?
感染力が強いため、人にうつさないようにするのがポイントです。嘔吐物などを片付ける際には、まず新聞紙などで上から覆い、ウイルスを含んだほこりなどが舞い散らないようにした上で、殺菌力の強い次亜塩素酸ナトリウムを使ってしっかり消毒しましょう。漂白剤として使われることも多く、50~100倍に薄めて代用できます。
床や便座、ドアノブなど、感染者が触れたところも消毒が必要です。マスクやゴム手袋をつけて作業しましょう。感染者が使ったタオルは避け、食品はしっかり加熱することも大事です。体力が落ちていると感染しやすいので、体調が悪ければ不要な外出を控え、人混みを避けることが賢明です。
各施設、対策は取っているのに、なかなか征圧できない感染症の一つです。
朝日新聞からの事例報告と、読売新聞の感染対策の解説記事を紹介します。
■ 病院でノロウイルス集団感染 患者ら18人 福岡
(2018年02月15日:朝日新聞)
福岡市は14日、南区の病院で18人が下痢や吐き気などの症状を訴え、うち5人からノロウイルスが検出されたと発表した。市はノロウイルスが原因の感染性胃腸炎の集団感染とみている。保健予防課によると、症状を訴えたのは60~90代の入院患者11人と、20代と40代の職員7人。重症者はいないという。
※ 下線は私が引きました。
■ ノロウイルス感染予防…嘔吐物は新聞で覆い、次亜塩素酸ナトリウムで消毒を
(2018年2月13日:読売新聞)
下痢などの症状が出る「ノロウイルス感染症」は、秋から冬にかけて流行します。ウイルスは感染力が強く、人にうつさないように注意することも大切です。感染者が出たら、汚染物の管理など対策を徹底しましょう。(冨山優介)
◇ なぜ起きる?
ノロウイルスは直径30~40ナノ・メートル(ナノは10億分の1)で、インフルエンザウイルスの3分の1程度の大きさです。小腸の上皮細胞(表面の細胞)に感染して、増殖します。
感染の経路はウイルスが口から入る「経口感染」が中心です。感染者の便や 嘔吐おうと 物に触ったり、感染者が触ってウイルスが付着した食品を食べたりして感染します。二枚貝などウイルスに汚染された食品を食べることでも感染します。
◇ どんな症状?
ウイルスに感染してもすぐに症状は出ませんが、小腸の上皮細胞はやがて大量にはがれ落ち、1、2日後に下痢が起きます。嘔吐も主な症状の一つです。いずれも2、3日続きます。
ほかにも38度程度の発熱や腹痛、頭痛、悪寒、筋肉の痛み、のどの痛み、 倦怠けんたい 感など、様々な症状を伴うこともあります。
健康な人が感染した場合は、下痢や嘔吐は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りでは重症化する危険があります。お年寄りが吐いたものを詰まらせて窒息し、死亡することもあります。
◇ どう治すの?
本村 和嗣 ・大阪健康安全基盤研究所総括研究員(ウイルス感染症)は、「ウイルスの活動を抑え込む抗ウイルス薬や、感染を防ぐワクチンはいずれもありません。症状に合わせて対応する『対症療法』が中心になります」と説明します。
下痢で脱水症状が起きやすくなるため、必要な水分を点滴などで補給し、胃の調子が悪い状態が続けば整腸剤を服用します。痛みがひどければ鎮痛剤も使います。
症状が治まるまでは、安静にして過ごします。食欲も減退していることが多いので、おかゆなど消化に良いものを食べて、しっかり栄養を取ることが大事です。
◇ 予防には?
感染力が強いため、人にうつさないようにするのがポイントです。嘔吐物などを片付ける際には、まず新聞紙などで上から覆い、ウイルスを含んだほこりなどが舞い散らないようにした上で、殺菌力の強い次亜塩素酸ナトリウムを使ってしっかり消毒しましょう。漂白剤として使われることも多く、50~100倍に薄めて代用できます。
床や便座、ドアノブなど、感染者が触れたところも消毒が必要です。マスクやゴム手袋をつけて作業しましょう。感染者が使ったタオルは避け、食品はしっかり加熱することも大事です。体力が落ちていると感染しやすいので、体調が悪ければ不要な外出を控え、人混みを避けることが賢明です。