今日もいました、
「アレルギー検査希望」
の小学生の患者さん。
話を聞くと、
1ヶ月以上前から咳が続いていてかかりつけの耳鼻科に通院、
しかしなかなかよくならず、
耳鼻科医が「アレルギーかなあ」とつぶやいたので、
アレルギー科を標榜している当院を受診したとのこと。
さらに詳しく話を聞くと、
ゼーゼー呼吸困難感のある咳ではなく、
家族が心配しているダニアレルギー、ペットアレルギーに関しては、
外出時より家にいるときの方が咳が目立つわけでもなく、
喘息に特有の「朝方咳き込んで目が覚める」エピソードもなく・・・
アレルギー専門医の私から見ると、アレルギー性咳嗽≒喘息らしくありません。
「1ヶ月以上咳が続いています」という訴えを聞くと小児科医は、
・風邪・上気道炎の反復。
・上気道炎が気管支炎・肺炎にこじれたので長引いている。
・副鼻腔炎を起こして後鼻漏(鼻が喉に垂れる)が刺激となり咳が続く。
・結核。
・・・最後に喘息、等々を考えます。
そして喘息の診断をアレルギー血液検査で行っていたのは昭和時代の医療、
平成・令和時代は呼気一酸化窒素濃度や肺機能検査で行います。
以上を説明し、
「咳が長引いている原因をはっきりさせたいのなら、
すべての検査ができる総合病院小児科に紹介状を書きますよ」
と提案しましたが、
「なぜアレルギー血液検査をやってくれないんですか?」
の一点張りで聞く耳を持ちません。
こういう患者さんが一番疲れます。
思い込みが強く、こちらの説明が耳に入らないのです。
その状態で診療を終えると、
google map に悪い口コミを書かれたことが何回もありました。
もう、やってられない。
アレルギーの検査ならかかりつけの耳鼻科で受けて欲しい。
小学生なんだから採血もできるでしょう。
結局、鼻声も気になることから副鼻腔炎の可能性を考え、
それに対する治療を当院で行い、
反応がないなら病院紹介という段取りになりました。