現在、喘息治療の第一選択薬は吸入ステロイドです。
小児では飲み薬の抗ロイコトリエン薬が優先されますが、
やはり発作を繰り返して入院するような喘息児には吸入ステロイドが必要です。
吸入ステロイドはいろいろな形態の薬剤があり、大きく以下の3つに分けられます;
1.ネブライザー:電動吸入器を使うタイプ(パルミコート®)、
2.pMDI:霧状の薬液を噴霧しそれを吸い込むタイプ(キュバール®、アドエア・エアー®など)、
3.自分で息を吸い込むタイプ(アドエア・ディスカス®、フルタイド・ディスカス®など)
2024年8月に3にニューフェイスが登場しました。
その名は「レルベア®」。
従来の薬剤はすべて「1日2回吸入」でしたが、
レルベアは「1日1回吸入」でよいという特徴があります。
なお、成人用は10年以上前(2013年)にすでに発売されています。
今回新発売となったのは、その小児バージョンです。
これは便利ですね。
紹介記事を提示します;
<ポイント>
・商品名と仕様:小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同50エリプタ30吸入用
・適応:気管支喘息
・成分:
(気管支拡張薬)ビランテロールトリフェニル酢酸塩
(ステロイド薬)フルチカゾンフランカルボン酸エステル
・1ブリスター中に、
ビランテロール(VI)25μg+フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)50μgを含有
・用法用量:5歳以上12歳未満の小児に、1日1回1吸入投与(VI 25μg・FF 50μg)する。
▢ ビランテロール・フルチカゾン(レルベア)小児喘息に1日1回吸入でよいICS/LABA配合薬
北村 正樹=医薬情報アドバイザー
(2024/09/20:日経メディカル)より一部抜粋(下線は私が引きました);
2024年8月23日、喘息治療配合薬ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステル(商品名:小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同50エリプタ30吸入用)が発売された。1ブリスター中に、ビランテロール(VI)25μgおよびフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)50μgを含有している。同薬は、6月24日に製造販売が承認され、8月15日に薬価収載されていた。適応は「気管支喘息(吸入ステロイド薬および長時間作動型吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」、用法用量は「5歳以上12歳未満の小児に、1日1回1吸入投与(VI 25μg・FF 50μg)する」となっている。
なお、同成分配合製剤としては、2013年9月、レルベア100(VI 25μg・FF 100μg)とレルベア200(VI 25μg・FF 200μg)が成人の気管支喘息で承認。2016年12月、レルベア100に成人の慢性閉塞性肺疾患(COPD)が追加承認された。
・・・
日本で小児気管支喘息に使用可能なICS/LABA配合薬には、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)・ホルモテロールフマル酸塩水和物(フルティフォーム)、FP・サルメテロールキシナホ酸塩(アドエア)が承認されているが、いずれも1日2回の吸入投与が必要である。
レルベア50は、1日1回吸入投与で小児喘息治療の利便性の改善による患者のアドヒアランスと喘息症状のコントロールの向上が期待できるICS/LABA配合薬だ。
・・・海外では、2024年8月現在、米国にて5歳以上の小児に対する喘息適応で承認されている。また、日本においては2024年6月、既存のレルベア100で12歳以上の小児気管支喘息に対して用法用量が追加承認された。
重大な副作用として、肺炎(0.5%)のほか、アナフィラキシー反応(咽頭浮腫、気管支痙攣など)の可能性もあるので十分注意する必要がある。また、その他の副作用として主なものに、口腔咽頭カンジダ症、発声障害(各1%以上)などがある。
薬剤使用に際して、下記の事項についても留意しておかなければならない。
●既存の同成分配合製剤と適応や用法用量(対象患者を含む)が異なるので十分注意すること
●患者の吸入指導資材として、製薬会社から「小児用レルベア50エリプタの使い方」が提供されている
●患者、保護者またはそれに代わる適切な者に、急性の発作に対して使用しないことなど使用上の注意事項を指導すること(添付文書の「効能又は効果に関連する注意」「重要な基本的注意」「特定の背景を有する患者に関する注意」を参照)
●医薬品リスク管理計画書(RMP)では、重要な潜在的リスクとして「重篤な心血管系事象」「副腎皮質ステロイド薬の全身作用(副腎皮質機能抑制、骨障害、眼障害など)」が挙げられている
なお、同成分配合製剤としては、2013年9月、レルベア100(VI 25μg・FF 100μg)とレルベア200(VI 25μg・FF 200μg)が成人の気管支喘息で承認。2016年12月、レルベア100に成人の慢性閉塞性肺疾患(COPD)が追加承認された。
・・・
日本で小児気管支喘息に使用可能なICS/LABA配合薬には、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)・ホルモテロールフマル酸塩水和物(フルティフォーム)、FP・サルメテロールキシナホ酸塩(アドエア)が承認されているが、いずれも1日2回の吸入投与が必要である。
レルベア50は、1日1回吸入投与で小児喘息治療の利便性の改善による患者のアドヒアランスと喘息症状のコントロールの向上が期待できるICS/LABA配合薬だ。
・・・海外では、2024年8月現在、米国にて5歳以上の小児に対する喘息適応で承認されている。また、日本においては2024年6月、既存のレルベア100で12歳以上の小児気管支喘息に対して用法用量が追加承認された。
重大な副作用として、肺炎(0.5%)のほか、アナフィラキシー反応(咽頭浮腫、気管支痙攣など)の可能性もあるので十分注意する必要がある。また、その他の副作用として主なものに、口腔咽頭カンジダ症、発声障害(各1%以上)などがある。
薬剤使用に際して、下記の事項についても留意しておかなければならない。
●既存の同成分配合製剤と適応や用法用量(対象患者を含む)が異なるので十分注意すること
●患者の吸入指導資材として、製薬会社から「小児用レルベア50エリプタの使い方」が提供されている
●患者、保護者またはそれに代わる適切な者に、急性の発作に対して使用しないことなど使用上の注意事項を指導すること(添付文書の「効能又は効果に関連する注意」「重要な基本的注意」「特定の背景を有する患者に関する注意」を参照)
●医薬品リスク管理計画書(RMP)では、重要な潜在的リスクとして「重篤な心血管系事象」「副腎皮質ステロイド薬の全身作用(副腎皮質機能抑制、骨障害、眼障害など)」が挙げられている
・・・あれ、これを読んでも、従来の薬剤との比較がわかりません。
今までの薬のどの量に相当するのか?
こちらに答えが書いてありました。
■ アドエア250を1日朝夕とレルベア100を1日1回吸入
■ アドエア500を1日朝夕とレルベア200を1日1回吸入
レルベア50はアドエア125に相当する計算になりますね。
アドエアの標準量は、小児では以下の通りです。
(乳幼児)アドエア50を1日朝夕
(学童) アドエア100を1日朝夕
すると、レルベアは乳幼児に相当する量の設定はなく、
学童以上で「アドエア100を1日朝夕吸入」してもコントロールが不十分な場合に
「レルベア50を1日1回吸入」が選択される、
ということになりますか。
なんとも微妙な量の設定・・・。