かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

戦時創作としか見えない「百人斬り」に対する不思議な判決

2005-08-23 21:59:39 | Weblog
「百人斬り競争」の判決、兵士遺族の方の請求が棄却されたそうです。もともと時局迎合の戦意昂揚「記事」と言うより「小説」と言って差し支えない内容の文書がこうまで多くの問題を生みだしていること自体が、私には一種不思議の感があるのです。私自身は元となる東京日々新聞の記事も、本田勝一氏の「中国の旅」なる著書も読んでいないので大した論評も出来かねますが、少なくとも百人斬りなどというものが現実に可能かどうか位は、少し考えてみれば判りそうな気がします。それを裁判官は「虚偽、誇張が含まれている可能性が全くないとは言えないが、記者の創作とまで認めるのは困難」とか、「歴史的事実として評価は定まっておらず、明白な虚偽とは認められない」と宣うのですから、何をかいわんや、です。まあ、新聞を読む限り、当時の東京日々新聞を、「百人斬り報道」を理由に名誉毀損で訴えたらしいので、これはどうかとも思うのですが、それはともかく、事は百人斬りをしたかどうかなのですから、少なくとも裁判所は、本当に人を百人も斬ることが出来るかどうか、まじめに検証してみればよいと思うのです。当時の軍隊経験者など、軍刀で人を斬った経験のある方もまだおられるでしょうし、そう言った方の証言や、刀に関する専門家などの意見を集めれば、実際に実験して斬ってみなくても、客観的な判断は十分可能なように思います。その上で判決を編み出すのならともかく、肝心要の問題をうやむやにして、結局自分達には真偽を判断できないから無罪にしとこう、と言うような態度をとられるのが理解に苦しみます。自分達が「歴史的事実」を確定することに躊躇されたんでしょうか? 

コメント
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