かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

日本国民の海外産農産物への期待が増しているって、どこを見たらそう見えるのでしょうか? 

2012-09-14 22:46:10 | Weblog
 日本政策金融公庫が、2012年度上半期の消費者動向調査の結果を発表しました。その中で、購入する時に国産の食料品を気にかけるヒトが70.6%と前回調査(1月)より3.5ポイント低下、外食で25.1%と7.8ポイント低下、2008年5月の調査開始以来、最低となった、のだそうです。伸びない収入で節約が最大の関心事と言っても過言でない昨今、安い海外産農産物への期待が高まっている! などという記事が時事通信からでていましたが、これほど経済環境が悪化しているのに7割ものヒトが国産を気にしている、という現状からどうしてそういう結論が出てくるのか、私には理解できません。昔からこの種の調査で出てくる数字の意味については疑問が多々あるのですが、前回から3.5ポイント低下、というのは、統計的に意味のある話なのでしょうか? 回答数も何も基礎数字が提示されない事自体既に意味がある数字とは思えないのですが、まあ論文ではないのですし、そこは百歩譲ったとしても、74.1%と70.6%に「低下した」と言い切るだけの有意差が認められるのか、私には甚だ疑問があるのです。では外食の方はというと、そもそも3割前後と元から国産が期待されていない、という現状を鑑みると、この数字の変化で海外産への期待が高まっている、と言い切るその勇気が私には信じがたいものがあります。私ならせいぜい頑張って、「海外産への期待が高まっているらしき傾向がある」という程度のことしか、この数字では発言できません。
 大体、低価格競争でしのぎを削っている外食産業が、海外産の農産物で支えられていることなどもはや知らない人はいないでしょう。それでもなお、4分の1のヒトが国産に気をかけているということが私には逆に信じがたいものがあります。日本政策金融公庫や時事通信なる組織は、一体この調査結果という不思議な数字で何を言いたかったのか、その背景を考えるに、なんともきな臭いものを感じないではいられません。
 でも、ネットというのはその点いい具合にバランスが取れるようで、少なくともこの話が流れたネットニュースのコメント欄では、国産支持、特定国の農産物お断りの発言が相次ぎ、圧倒的多数の支持を得ているようです。
 既存メディアも、もうそろそろ世論を誘導してやろうなんていう妄想はすっぱりと諦めて、事実と真実を追求する報道機関へと進化することを、考えるべきではないでしょうか? 

コメント
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