かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

「猛省」すればミスはなくなる、なんてことはまさか考えてないでしょうね?

2016-06-16 20:45:43 | Weblog
 今日は雨模様の天気の中、早朝から仕事で大阪へ出かけました。大体早朝に大阪へ出かけると、電車の中でお腹の具合が悪くなる事が多いので、今回は最初から近鉄の有料特急で移動することにして、万が一の場合のトイレを確保、結局別に具合が悪くなることもなく無事大阪にたどり着き、問題なく仕事をこなすことができました。やっぱりこういうのは安心感というか、気持ちに余裕があるかどうかで随分結果が変わるような気がします。
 
 さて、宇宙航空研究開発機構JAXAの奥村直樹理事長が、先ごろ、プログラムミスで打ち上げ後異常回転し壊れて使い物にならなくなったX線天文衛星「ひとみ」の件について、自身と副理事長、理事で宇宙科学研究所所長を厳重注意処分にし、給与の10%を4カ月間、自主返納すると発表しました。奥村理事長によると、「国民の期待を著しく損なうことになった。再び起きないよう猛省する必要がある」と発言したそうですが、どうも前時代的というか、本当に科学研究開発機関の長の言葉なのか? と疑いたくなる不見識ではなかろうか、という気がしてなりません。先端の科学技術開発は常に未知への挑戦が続く分野であり、失敗はある意味必然でもあります。また、うっかりミスも元を正せばそのミスを誘発しやすい環境があったり、それを防ぐためのシステムが十分練れていなかったりなどの原因があり、単に「猛省」するだけで解決が図れるほど単純な話で無いことがわかってきています。まあトップとして責任を明確にしたいという意志は尊重しますし、処分が上役三名で留めるというのなら好きにすれば良いと思いますが、それをいいことに現場で働く人たちにまで余分なプレッシャーを与えるような真似だけは避けてもらいたいものです。
 それにしても、極端に言ってしまえば先端の科学技術開発の現場においては国民の期待などどうでもよいことであり、そんな些末事を気にしては駄目だと思うのです。そんな暇があったら、科学者・技術者の方々には、全能力を上げてやりたいようにやりたいことを突き詰めて頑張ってもらうほうがはるかに益があると思います。その結果として国民の利益になることはあっても、最初から国民のために、などとお題目を立てながらやるような研究にろくな結果は訪れないでしょう。
 どうかこの反省が単なる精神論による「猛省」ではなく、きっちり理詰めで問題点を洗い出しその対策をより進化させるよう、そして失敗を恐れず深遠なる宇宙へ手を伸ばすあがきをひるまず続けるよう、お願いしたいです。

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