かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

「発掘例ない異形のはにわ出土」という妄想掻き立てる刺激的なニュースが楽しいです。

2017-09-06 19:25:37 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は21.9℃、最高気温は28.1℃、五條市アメダスの最低気温は20℃、最高気温は28.1℃でした。昨日夕方から雨模様のぐずついた天気が続いていますが、天気図を見ると秋雨前線と思われる低気圧と前線が九州から関東までを横断しています。しばらくこの前線が南北に触れるたび、少し暑くなったり涼しくなったり、雨が降ったりやんだりを繰り返すのでしょう。少なくともこの先1週間ばかりはそれが続くと見込まれますから、しばらくは傘は手放せない事になりそうです。

 さて、京都市の南西、京都府向日市にある「五塚原(いつかはら)古墳」という前方後円墳から出土した埴輪が、全国で発掘例のない形式のものだと市の埋蔵文化財センターから発表がありました。ネットニュースのタイトルが「発掘例ない異形のはにわ 出土」
という何とも刺激的なもので、もしこれが物語ならそれを発端にいかにも事件やら何やらが展開しそうな、実にベタベタなタイトルっぽいのですが、もちろんそういうSFとか伝奇っぽい何かではなくてれっきとした考古学的発見のニュースですので、封印された何かが出てきたり、なんていう事は無かったはずです。
 この五塚原古墳は、古墳時代最初期である3世紀の築造と推定される国内最古級の前方後円墳で、墳丘長91.2mの大型のものです。3世紀と言えばまさに魏志倭人伝の時代。卑弥呼とか邪馬台国とかがあったとされる時代ですが、そんな古墳から異型の埴輪が出土と言われると、何もなくても伝奇的な話の一つも思いつきたくなるというものです。
 それはさておき、件の埴輪は、昨年の9月から10月にかけて、古墳の裾部分から出土した約300点の破片を、パズルよろしく再生組み上げして復元したもので、3段の筒状胴体部と、数センチだけの基部、それに最上部の球状に整形された蓋部分からなり、高さ約66センチ・口径約20センチ、上部ほど大きくなる若干安定が悪そうな壺のようです。研究者によると、この埴輪は、五塚原古墳の主の子孫を納めた埴輪棺、つまり棺桶だそうですが、こうしていまだにこれまで発見されなかった形式の埴輪がひょっこり出てきたりするのですから、考古学とは面白いものです。
 復元された埴輪は、向日市寺戸町の市文化資料館で10月9日まで開催中の成果展「先祖の記憶―古墳時代の祖霊観」展示されているそうですので、時間の余裕ができそうならちょっと観に行ってみたくなりますね。

コメント
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