かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

京大病院の調剤ミスでの死亡事故、希釈倍率間違えなんて割とよくやらかすのだから、防ぐ方法を考えてはいかがでしょう?

2018-03-27 20:58:05 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は7.1℃、最高気温は22.2℃、五條市アメダスの最低気温は3℃、最高気温は22.6℃でした。連日よく晴れて暖かくなりますね。あまり外に出ていないためか被害はそうでもありませんが、目がしょぼしょぼしてかゆいのはあります。どうやら花粉が盛大に舞って、季節後半のピークを形作っているようです。桜も早く咲いていることですし、花粉の方も早くシーズンオフになればいいのですが。

 さて、京都大学医学部付属病院の女性患者死亡事故、その後の検証で自宅で行う点滴用セレン注射薬が、処方時の濃度調整のミスで仕様の1000倍の高濃度液となり、それを使ったためにセレン中毒で死亡した事が明らかになったとのことです。昨年5月16日に、薬剤師がセレン試薬と滅菌水を無菌室で混ぜて注射薬を作ったとのことで、この際に計量をミスし、単位を間違えた可能性があるとされますが、調剤した薬剤師二人は、病院の調査に「いつも通りにやった。間違うはずがない」と話しているとのことです。
 そもそも病院の薬局で調剤する際にどんな道具を使っているのか不明なのでなんとも言いようがありませんが、研究施設の実験室で使うような道具立てだとすると、千倍という希釈濃度からすれば、mLとuLを間違えたのだろうということは容易に想像できます。例えばピペットで1uL量り取るつもりで1mlのピペットを使ってしまった、とか。まあ通常あまりに少量は計りにくいので、10倍とか100倍とか少し濃い目の希釈をしてからそれを更に必要な濃度まで希釈したりしますが、段階希釈をやるのにうっかり一段すっとばしてしまった、とか言うようなことは、日常的に私などはやらかして、発色試薬を入れた瞬間どぎつい色になって、「あ、しまった」と気づくことはままあります。実験なら最初からやり直しすれば済む話(時間も試薬ももったいない事をしてしまいますのであまり褒められた話ではありませんが)ですが、薬剤師ともなるとヒトの命にかかわるので、この手のミスは無いに越したことがありません。例えばそのセレン原液が何らかの身体には影響のない色素で着色していて、希釈度合いが見た目で判る、というようなことでもなっていたら、1000倍も違えば当然色がいつもより濃く見えてミスに気づく、というような事もできていたかもしれません。これに限らず、ヒトはミスをするということを前提にして、いかにミスしにくいように、可能ならミスできないようにする仕組みを作るかが重要だと思いますが、中々難しいことなのでしょうか。

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