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さて、アメリカ・ロサンゼルスで開かれている第96回アカデミー賞授賞式において、「ゴジラー1.0」がVFX(視覚効果)賞を見事受賞しました。アジア映画としては史上初、監督が受賞したのは1968年「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック監督以来実に55年ぶり史上2人めの快挙を成し遂げました。VFX賞としては、過去「2001年」の他、1978年の「スター・ウォーズ」、79年「スーパーマン」、80年「エイリアン」、94年「ジュラシック・パーク」、2000年「マトリックス」、2010年「アバター」などの錚々たる作品群が受賞してきました。その一角に見事「ゴジラ」が並ぶ日が来たというのは、ニュースで流れる伊福部サウンドに心を踊らせ胸に滾るものを覚える半世紀ゴジラファンをしてきた身としては、まさに感無量の出来事でした。同時に長編アニメーション映画賞は宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が受賞し、長編作品2本が受賞したのは、日本映画初の快挙でもありました。ただ、「ゴジラ」が凄いのは、他のノミネートされた作品たちが一桁上の途方もない予算をかけて作られた贅沢な映画だったのに対し、わずか20億円程度と、それでも日本映画としては相当気張った予算のかけようではありましたが、それでも他より一桁リーズナブルに仕上げられた特殊撮影効果が他を圧する映像美を生み出したことこそ、日本映画の豊かな可能性を内外に示したと言えるでしょう。これからはILMじゃなくて、「ゴジラ」を担当した映像製作会社「白組」に、VFX演出の依頼が世界から寄せられるかもしれません。世界へ向けて大いに羽ばたいてほしいものです。