鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

子どもの接種を考える

2022年02月16日 16時58分35秒 | Weblog

鈴鹿市でも5歳から11歳向けの新型コロナウィルスワクチン(ファイザー)について、3月から供給が始まり接種に向けた動きが進められるということに関して、いま公開されている情報を見たいと思います。情報については、厚生労働省の「新型コロナウィルスワクチンQ&A」から引用していきます。

小児(5~11歳)への接種については、Q&Aの回答にもあるように「小児については、現時点において、オミクロン株に対するエビデンスが確定的でないことも踏まえ、小児について努力義務の規定は適用せず、今後の最新の科学的知見を踏まえ、改めて議論することが適当であるとされました。 」ということを押さえて考える必要があると思います。

■https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0126.html

そこで「詳細を見る」と書かれているのは

  • 小児におけるオミクロン株の感染状況(感染者、重症化の動向)が未だ確定的でないこと(増加傾向の途上にあること)
  • オミクロン株については小児における発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスが必ずしも十分ではないこと(オミクロン株の出現以前の知見であること)

から、現時点では小児について努力義務の規定は適用しないということです。

ということは、私たちも感染状況などを注視して考えることが大切ということだと思います。いろいろ情報に目を通し、その上で接種を希望される保護者の方には、滞りなく子どもさんに接種できる体制を整理することが自治体が取り組むことで、ワクチン接種を進めることが目的化してしまうのは課題があると考えます。

Q&Aの中には「小児(5~11歳)の接種では、どのような効果がありますか。」という質問があり、それに対する回答も出ています。

■https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0114.html

回答はもちろんですが、ここでは2つの資料「PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の審査報告書」と、第30回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料から抜粋されている「小児(5~11歳)に対する新型コロナワクチンの有効性、安全性等」に目を通してみます。

すると分科会資料で、ファイザー社臨床試験に対する説明をうけて、PMDAが判断したことがまとめられていて、有効性に関する判断を要約して抜き出すと次のように出ています。

  • C4591001試験(16~25歳対象の試験)で確認されている本薬のCOVID-19発症予防効果を踏まえると、5-11歳の小児における本薬の一定の有効性は期待できると判断する。
  • 本申請で提出された免疫原性データは本薬2回目接種後1カ月時点までのデータであり、5-11歳の小児における本薬接種後の時間経過に伴う中和抗体価の推移は不明である。
  • 変異株に対する本薬の有効性や免疫原性について情報収集し、適宜状況に応じた対応を検討する必要がある。

一点目については、小児へのワクチンについて「一定の有効性は期待できる。」となっていて、あくまで期待であって「効果がある」と書かれていないことは考える要素でしょう。世間で考えられているイメージは後者が強いのであればなおさらです。

二点目については、どれだけ効果が持続するのか、長いのかも短いのかもわかっていないということで、接種しても効果がすぐに切れてしまうのであればリスクに対する考え方を変える必要があるでしょう。まして、三点目は変異株に対する有効性はわかっていないということなのでなおさらです。

そこで、PMDAの報告書を見てみると、報告書の22ページに以下のような表現があります。ちなみに特例承認にかかる報告書で、令和4年1月11日の日付となっています。

「一方で、健康な小児はCOVID-19に罹患しても多くが軽症であること等も踏まえると、本邦の現時点での感染流行状況においては、すべての小児に対して早急にSARS-CoV-2ワクチン接種が必要な状況とはいえない。SARS-CoV-2ワクチン接種により期待されるベネフィットとリスクのバランスは、感染流行状況、非接種者の基礎疾患の有無等により異なる。医療従事者、非接種者及びその保護者が、本罪接種により小児で期待されるベネフィットと副反応等のリスクを理解した上で、接種の必要性を判断できるよう、十分に情報提供がなされることが重要である。」

1月11日以降、陽性反応者数が激増して状況は刻刻と変化していますが、ここにかかれているような情報提供がされているかというと、ワクチン接種というベクトルの情報ばかりで、ウイルスに感染してどうなのかという情報は非常に少ないと思います。出てきても極端な事例が多く、大きな流れはどうなのかが見えにくいように思います。

そして報告書は、ファイザー社の試験を元にした特例承認に関するものということで、接種をすることは成人への接種の際も言われていましたが、治験とほぼ同じ意味合いということも意識したほうが良いでしょう。

このようなことから、現時点では5~11歳の小児について、ワクチンを接種という方向の情報ばかりでなく、今はオミクロン型が中心といわれる疾病としての新型コロナウィルスの罹患状況とその後の経過の情報を見ることが重要だと思います。

なにより、子どもたちが身体も心も元気で活力あることは、自然な抵抗力の強さにもつながるはずですから、そこを重視して考えることが大人には必要なのだと思います。それを、不安をあおるような方向ばかりであったり、活動を抑えるほうばかりが強くなっているとすれば、本末転倒なことをし続けていることになるのではと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナのこと考えてみませんか

2022年02月14日 01時19分30秒 | Weblog
 リンク先は2月10日開催の、第55回三重県新型コロナウィルス感染症対策本部会議の資料で、今回のブログの画像はそちらから引用しています。
 先日、三重県のまん延防止等重点措置が3月6日まで延長されましたが、この資料から今の状況を考えてみませんか。
 
 
 12月1日から2月9日までの陽性反応者全体に占めるワクチン接種歴の状況は、母数1万4138人に対して未接種者は4,554人で32.2%、1回以上接種者は合計で8,914人で約63%となっていて、1月20日の資料での割合よりも若干未接種者が増えたものの、比率はほぼ同じということを考えると、症状の程度はわからないのですが、ワクチン接種に感染予防効果がどの程度あったのかと考えます。
 また、可能性として、ワクチン接種をされた方の中で無症状の方や非常に軽度の症状の方が、知らず知らずに感染を広げているかもしれないことは否定できないと思います。
 
 
 入院等の状況を見ると、2月10日時点で全療養者数は6,115人、うち入院されている方は264人、その中で重症となっている方は4人となっています。この資料の時点のグラフを見ると、全療養者数の動きに対して重傷者用病床使用率は低いものとなっていますので、ワクチンには重症化を抑える効果があるだろうということが見えます。
 同時に、現在流行しているウィルスの型が重症化リスクの低いものだから、このような形になっていることも考えられます。
 
 
 
 年齢構成別入院患者の状況を見ると、264人の入院患者の方のうち、4人の方が重症、125人の方が中等症になっていて、10歳未満と10代の方はあわせて3%で人数で8人、60代以上の方はあわせて83%で人数で219人となっています。
 ここで年齢別患者発生状況を見ると、1月15日以降、20歳未満の陽性反応者の割合は30%を占めていることを考えると、この年代での重症化リスクは言われているように低いことが予想されます。
 懸念されるのは、高齢の方にとってのリスク判断を、すべての年齢に当てはめるような考えになっていないかということです。
 
 医療県別患者発生状況を見ると、1月21日にまん延防止等重点措置が出されて2月10日までに、効果があったとみられるのは東紀州で、2月2日以降の動きを見ると減少しています。一方で、北勢と中勢伊賀と南勢志摩は右肩上がりのままになっていて、状況は大きく変わっていないのではないかと思われます。
 まん延防止措置の効果を検証すべきでしょうし、もしかすると、視点を変えた取り組みの検討を早急にしたほうが良いのではないでしょうか。
 
 これら三重県から公開されているデータですが、もう少し知りたい情報もあります。
 
 ひとつは、ワクチン1回以上接種者の8,914人の方々についいて、年齢構成別の割合はどうなっているか、あわせて最終接種後の経過月数などもあればと思います。仮に、最後に接種してから3か月以内の方の割合が多いのであれば、ワクチンの有効性を考えるに当たって重要と思いますし、接種を済ませた方にとってもブースター接種を検討するにあたって有用な情報ではないでしょうか。
 
 もうひとつは、やはり20歳以下の動向です。1月1日以降の総陽性者数とそれに対する症状の程度の割合、療養状況、重症者用病床使用の有無などについても数字を整理して、グラフ化してはどうかと思います。この数字がはっきり見えない中で、感染して陽性反応が出ることをもって、殊更に子どもの感染に対する危機感を煽ることはいかがなものでしょうか。
 
 ワクチンに重症化予防に効果があるだろうということは見えていると思いますし、経口治療薬も海外だけでなく国内製薬会社製造のものもめどが立ってきている現在、浮足立ってヒステリックになったりパニックになったりせず、コロナウイルスについて冷静に考えることが大切ではないでしょうか。
 
 2月8日時点での鈴鹿市のワクチン接種状況ですが、住民基本台帳から令和3年3月末日時点での総人口19万8353人のうち12歳以上は18万688人、そのうち2回接種の方は2月8日で86.59%の15万6456人です。
 
 マスメディアで流れている情報は、客観的なようでいて実際は主観的だと思います。こうして公的に出されている情報に目を通して、日々流れている情報と比較して考える時間を少し持って頂くことが、もう2年近く影響下にある新型コロナを社会全体で考えることになると思いますし、その後の社会にも重要なことだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする