6月29日に開催の本会議で、鈴鹿市議会に「議員定数及び報酬検証特別委員会」が設置されました。思い返すと平成26年(2014年)9月定例議会で提出された請願「鈴鹿市議会議員の定数削減を求める請願書」からほぼ8年を経て、鈴鹿市議会における定数の議論が行われることになります。
2014年は請願「鈴鹿市議会議員の定数削減を求める請願書」が提出されたあと、総務常任委員会で請願者を招致しての継続審議が行われながら、翌年の3月定例会で委員会で不採択、本会議でも否決となりました。当時、請願の採択に賛成の議員は、会派「すずか倶楽部」所属の4人でした。当時、討論に登壇した際の論点は、次の画像の通りとなります(クリックで拡大できます)。
2014年と比較した鈴鹿市の状況の変化は、総合計画2023が策定され、その中で地域住民による地域づくり協議会の設置が、そのための条例制定とともに確立し、現在市内に28の地域づくり協議会があることです。旧来からある「自治会」だけでなく、住民・市民が主体的に参加することが期待される団体ができたことは、請願以降の変化の中で重要な点だと思います。
財政面では、依然として経常収支比率が90%を超えていて、財政の硬直化は継続しているといえます。また人口は、2014年6月に20万1057人でしたが、2022年6月は19万6955人となり、約4千人の減少となっています。これらについて、2014年時点の社会情勢と比較して考えると、2022年以降はより不安定な要素が多く、厳しさは増すと考えることが妥当と思います。
その中での特別委員会の設置になるわけですが、議員定数と報酬の議論は「黒船」なのかもしれないと思います。それは議会・議員にとってだけではなく、市民の皆さんにも住民自治と団体自治の関係を見直す転機でしょうし、行政もDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて住民参画の推進と、それによる住民主体の課題解決の推進に取り組むといった、社会の変革点としての位置づけではないかという意味合いです。
鈴鹿市民にとって、地域だけでなく多様な社会課題の解決に関わる形はどのようなものなのか、その時、行政側に求めるものはどのようなことなのか、そして、あるべき議会の姿や活動とはどのような形なのか、そこで活動する議員はどのような人物像なのか人数はどうなのか、ということを集中して考えることが大切だと思います。
考えることについて多様な論点や視点はありますが、大正大学の江藤俊昭教授が講演などで「議決の前の日に眠れるんですか」とよくおっしゃられるのですが、その点について、市民のみなさんと現状の話と意見交換をするだけでも、変わるものがあると思います。
私自身は、財政課題や今後の社会課題を考えるとスリムで筋肉質な議会を目指すべきだと思います。その中で、市民参画と住民参画の機会を議会も行政も増やすと同時に充実し、そこで課題を解決できるように財源と権限を委譲、それとともに議員数は現状より削減する方向が、鈴鹿市にとって良いと考えています。