鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

年の瀬に

2019年12月31日 08時35分19秒 | Weblog

大晦日です。今年は4月の統一選を過ぎてから、12月まで一気にきた感じがしています。砂をかむような気持ちを感じる時もありましたが、研修などの学びや視察などでいろいろな方と交流をさせて頂き、それを越えて、今は自分が取り組むことに目が向いて、そこにエネルギーを向けようという気持ちになっています。いろいろな思いがありながらも、このように活動できているのは、活動にご共感頂いている皆さんのおかげだと思っています。誠にありがとうございます。

2019年は、それまであまり参加できていなかったいろいろな研修や他の自治体視察を、意識的に多く出るようにしました。個人として中心テーマとしておいたことは子ども政策で、泉南市の子どもの権利に関する条例や、福山市の学校内でのフリースクール型の不登校対策、子どもの居場所の重要性や地域社会の関わりについての研修などに参加しました。その他、財政関係の研修、公共施設マネジメント関係の研修、津山市での公民連携の取り組みなどと学び、それぞれ担当課との情報共有や一般質問などを通じて、鈴鹿市政に還元してきたと自分では考えています。

2019年の議会活動について、訳あってここまで一人で活動する形になっています。議会内での立場などでは大変なことも経験していますが、その分、視点の違った取り組みをできているかと考えています。前期からのテーマとしていた、若い世代と議会とのつながりの高校生報告会に関われていることはそのひとつです。一方、行政に対するチェック機関の議会・議員の一人としては、これまでと変わらず一所懸命に取り組み、一般質問だけでなく、議案質疑、委員会活動、採決の際の討論など、自分として必要と思うことについて、発言をしっかりと行っています。また、パブリックコメントについても、総合計画基本構想部分、後期基本計画、観光振興方針と、ここまで文書で意見を出すことにも取り組んでいます。そのようなことを通じてですが、行政との関係については、これまでより深化している部分を感じています。

2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される年、鈴鹿市にとっては総合計画2023の後期計画がスタートする年になります。

ですが、ここ数年の気象災害による被害は、地域を問わず甚大なものが増え、またほぼ毎年発生していることを考えると、気持ちを備えておく必要を感じますし、そこに、東南海トラフ地震などをはじめとして、各地で発生する可能性のある大きな地震や火山活動なども、リスクとして意識しておかなければいけないと思います。また、国際情勢などの影響などの社会状況の変化も意識しておくべきことと考えています。

そのようなことを意識に置いたうえで、新しい年も、身近な地域課題はもちろんですが、市政課題にも取り組んでいきます。大切にしたいことは、次世代への負担を前提にするのではなく、次世代のことを意識の外へ置くのではなく、若い世代の可能性を信じて、これまで以上に若い世代の参画機会をつくっていくことです。難しい時代に向かうには、若い世代が学びの中から、お互いのコミュニケーションの中から、次の時代を考えることが大切ではないでしょうか。

総合計画2023後期計画の基本構想部分について、2月定例議会で議決案件に上がってくる予定です。それまでに、教育振興計画をはじめとして、総合計画と関係する各種長期計画もパブリックコメントに出てきます。各種計画を読み込み、チェックして意見をすることはもちろんですが、年が明けるとあっという間に2月定例議会(予算議会)となるので、気を引き締めていきたいと思います。

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そのイメージはどこまで共有?

2019年12月27日 00時02分09秒 | Weblog

こんばんは今日は紀北町で開かれていた「2019高校生地域創造サミット」の様子を見に行っていました。

都合、午後の紀北町副町長からの課題提案までを聞き、高校生が町内のポイントに出かけるまでだったのですが、午前中にあった木本、三重、尾鷲、岡山県津山東、兵庫県生野の五校の生徒さんからの活動報告は、非常に興味深く聞いていました。

木本高校の生徒さんの発表は、発表していた学生の熱意があふれているのを感じて、それが周りの人も動かしているんだろうなと感じましたし、津山東高校の生徒さんの発表は、たまたま今年、津山市のコンセッションの取り組みを視察したこともあって、行政の動きと津山東高校での行学の取り組みが重なるようでした。やはり、一度でも現地に行ったりした経験があって、いろいろな話を聞いていると、こういう場面でその経験が重なり、興味が深まります。

で、タイトルの「そのイメージはどこまで共有?」ということですが、これは今回のイベントの中で聞かれた「地域活性化」という言葉や、「そのまちに住みたいと思う」という表現についてです。

そもそも「活性化」している状態ってどんな感じでしょう?

「地域活性化」という言葉が必要と思われる社会の状況は突然あらわれたわけではなく、これまでの生活や経済活動の選択の結果あらわれたものではないでしょうか。ですが「地域活性化」という言葉が使われるときイメージされているのは、どこかしら拡大するイメージを伴っているように思いますし、その言葉を使う人たちにとって元気があったと感じる時代の雰囲気ではないでしょうか。とすれば、活性化が必要だという状況をつくってきたのは、そもそもそう言っている人たち自身の行動と選択の結果じゃないでしょうか。それについては自分も含めて、一定責任があると思いますし、謙虚にならないといけない部分があると思います。

なのに、「活性化」という言葉を唱えながら、今までの延長で社会を考え、なんとかしようとしても、実は課題解決から遠ざかるばかりのような気がします。また、若い世代の多くに、ショッピングモールや大都市が活性化のモデルのように思わせてしまう可能性はないでしょうか。「活性化」という言葉を躍らせる前に、過去を検証することが必要だと思います。

もしかしたら、これからの社会にとって、地域が将来にわたって持続的な状態であれば、それは活気があると考えて良いかもしれないでしょうし、人口が減っても、それに適応するように暮らしを変化させながら、生活に充足感を持っていられるなら、それは活気のない状態と言わなくて良いのではないでしょうか。若い世代はどのようにイメージするのか、そこを捕まえることが大切と思います。「地域活性化」という状態のイメージが世代を超えて話しあわれ、そして、ある程度の合意のもとで共有されている状態で、将来の政策を選択することが求められていると思います。

「そのまちに住みたいと思う」という言葉も、若い世代とのギャップが出てくるのではないでしょうか。関係人口という言葉が一般化していますが、「住む」ということ自体、ひとつの場所とは限らなくなるのではないでしょうか。実際にそういう動きも出てきていますし、今後より多様化していくと思います。そもそも、働くこと自体が形を変える中で、考え方が変わっていく可能性は高いと思います。また、人生のその時々の状況に応じて、有利なサービスを求めて住む場所を変えることも増えるかもしれないでしょう、それがいいとは言いませんが。

■関係人口ポータルサイト

いま鈴鹿市では総合計画をハブに、いろいろな長期計画が策定され、パブリックコメントにかけられたりしています。それらは計画期間が2023年までになっていますが、若い世代の時間で考えると、4年間は非常に重要な時間のはずで、若い世代もどのように考えるのか、意見を聞くという意識を持つことが必要と考えます。若い世代と考えを共有していくことが、行政にも議会にも、地域社会にも求められていると思います。

 

 

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金沢川堤防について

2019年12月06日 00時52分46秒 | Weblog

少し前、10月下旬(21日から24日ごろ)に取り組んだ事例になるのですが、鈴鹿市の金沢川(かなさいがわ)の下流部、千代崎樋門そばの堤防北側で、内部の土砂が流出し、堤防内が空洞化していたという事案がありました。地域の方から茶色く水が濁っているというお声もあったのですが、東京での研修に行くため移動中だったこともあり、鈴鹿に戻ってから現場を確認しに行ったところ、該当箇所について写真のように表面のコンクリートが撤去され、内部の状況が見えていました。

内部の空洞は、写真の手前から3つめのガードのあたりまで広がっている状況で、写真では県の職員の方が深さを調査しているところも、真ん中のコンクリートで、両側部分が支えられているような形となっており、決して安定、安心できる状況とは思えない感じでした。現在は仮復旧として採石が充てんされ、川側にも河床を上げるために採石が投入された上に、1トンの土嚢を多数設置されています。一応通行は可能ということです。また三重県では、堤防について上部と川側の側面から、音波を使って内部状況を調査するということも聞き、それは実施されているということです。

今後は、12月中旬に国の災害査定を受け、その結果を受けて本復旧へと動くということです。

該当箇所について、数ヶ月前に堤防にずれがあるとの声も頂き、市の河川雨水対策課との意見交換をして、県のほうでずれている部分について、ずれで隙間ができているところを埋めるなどの対応をしてもらっていました。その際も、ずれは堤防下の地盤が何らかの形で下がってしまっているからではないかということも話したところでした。そのような状況もあってか、当日、三重県の担当職員の方と話している時も、非常に話がしやすかった印象があります。

話は戻りますが、この時に現場で地元の方とも話をしながら対応したことは、22日と23日にかけて大量の降雨が予想される状況でしたので、防災危機管理課に電話をし、現場にきてもらうことと、様子を見ていた地元の方に近接の小学校に連絡を入れて頂き、先生に状況を見に来て頂くことでした。もちろん、三重県担当者には早急に対応を求めました。

結果、防災危機管理課は念のために、もしもの豪雨の際に安全対応を取ることを連絡する文書を、堤防そばの自治会の方々に配布するという対応を、先生方は生徒の安全確保のための取り組みに動いて頂けていました。また、21日夕方には末松市長も現場を見に来ていただいたということでした。

本復旧に向けて、堤防の住宅側は民家ぎりぎりのところもあり、ずれもふくめて老朽化している堤防本体をどう扱うかの課題や、満潮時は海水面がほぼ地面と同じであることを考えると、相当に大変な工事になるだろうと考えられます。

また、堤防上の管理通路が道路ではないのと同様に、写真奥に見える樋門の管理通路は、対岸の住民の方が使うことや、小学校の通学路として扱われていることについて、東日本大震災被害での大川小学校の訴訟事例があることを考えると、施設管理者と学校の判断だけではなく、地域の皆さんも、私たち議員も、子どもたちの安全確保ということに、もしもの際の責任も含め、考えを整理する必要があると考えるところです。

■日経新聞・2019/10/11記事「大川小の津波訴訟、遺族勝訴確定 学校現場の責任重く

 

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一般質問から②~ 子どもの権利学習を学校で

2019年12月04日 12時30分34秒 | Weblog

12月の一般質問のふたつめの項目は、「子どもの権利学習を学校で」として、鈴鹿市の小中学校、全学年で発達段階に応じた学びの実践を問いました。

質問につなげた意図と考えは、子ども条例の勉強会を行ったことや、倉敷市、明石市、尼崎市、泉南市で子どもに関係する条例の視察経験、第三者による子どもの相談機関の設置などの研修、議会での発達障害や児童虐待などの勉強会での学びから、これらの取り組みを支える下地は、子どもが自分の権利について知り、考え、言葉を発したり、行動できるようになることであり、そのために、子どもが「子どもの権利」を学ぶことだということに思い至ったからです。子どもに関する条例を、鈴鹿市でつくるべきという考えはもちろん持っていますが、そのためにも学びの部分が重要と考えています。

そこで、質問時間が限られ短い時間でしたが、以下のように市教育委員会に問いました。文面はほぼ質問の通りです。

『 子どもの権利について、鈴鹿市の小中学校の全学年で、普遍的な学びとして、発達段階に応じて内容を変え、年に1回、1時間から2時間程度、学習の時間を持ってはどうかと提案します。内容は現在の取り組みの中にも入っている事なので、大きな負担にならないと考えるところです。 

 実施することで期待できることは、子どもが自分の権利について気付きを持つことで、自分たちの思いを声にできるようになり、それが社会参加への意識の向上だけでなく、自分たちの身を守ること、ひいては虐待の未然抑止につながるのではないか、などが考えられます。また学びの中で、誰もに同じように権利があると知り、お互いの権利を尊重する意識が育てられれば、いじめなどの課題も減少すると思います。そして、学んだ子どもたちが大人になったとき、次の世代へと引き継ぐ形になり、安心して暮らせる社会、鈴鹿へとつながるでしょう。

 あわせて、学校で学習を実践する過程や、子どもの権利に沿って、生徒を主体にしながら、校則などの見直しや、部活の見直しなどに取り組むことを行えば、子供たちだけではなくて、先生方も取り組みの中で権利を考えることになり、そこでの気付きで、先生も変わっていくのではないでしょうか。

 また、小中学校での子どもの権利学習とあわせ、乳幼児健診などの機会に、保護者の方にも子どもの権利を伝える機会を持つことも考えられるでしょう。泉南市ではこのような取組で、親自身が子どもに対する意識が変わったという声もあったとお聞きしました。さまざまな取組を通じて、子どもの権利について意識を持った職員、大人を増やすことが大切と考えるところです。

 ただ、このような取組は強制力で行うものではなく、子どもも大人も、自発的な意志を尊重するものであるべきと考えますし、権利の濫用があるのではないか、ということについては、それを抑制することも、学びの重要な要素に入れるべきと考えます。

 もう一度お聞きします。鈴鹿市の小中学校の全学年で、子どもの権利学習を、人権学習もしくは総合の時間等の中で、普遍的な学びとして、発達段階に応じて内容を変え、年に1回、1時間から2時間程度、持つことは可能でしょうか。また、改定される鈴鹿市教育基本方針で、子供の権利学習を、基本事業の中に位置付けて頂きたいと考えますが、市の考えをお聞きしたいと思います。 』

議場での質問ですので、主旨聞き取りなどで担当課と意見交換をしたことよりも、内容は整理するなどして抑えている部分はあります。しかし、質問に至る過程でも、かなりの部分、私の意図や思いは伝わっていた感覚がありました。答弁の前でしたが、質問に至る過程で、答えに直結はしなくても共感してもらい、一緒に考えてもらえるようになることは大切だと考えているので、良かったと感じた部分でした。この質問に対する答弁の要旨は以下の通りになります。

『 子どもたちが自分たちの持っている権利を理解することは、他者の人権を尊重し、自分の人権を守るために、意見や考えを伝えたり、他社と共同したりして課題や問題を解決する力の育成につながると考えている。

 質問の内容について、子どもの権利について学習することは大切なことであり、教育活動全体を通じて取り組むことであると認識している。

 今後も、学校に年間を通した授業の中で、児童生徒の実態に応じながら、総合的な学習の時間や道徳、社会科などの教科学習の中で、意識的に取り上げていくように周知したい。

 改訂される教育振興基本計画の中でも引き続き明記したい。人権学習の中に取り入れることを検討したい。 』

このように答弁が出たことで、ひとつのステップを越えた感があります。また、質問に対する教育委員会、担当課の真摯な検討も感じるところで、質問につなげてよかったと感じました。この後は、来年早々に教育振興基本計画がパブリックコメントに出てくると思いますので、そこでのチェックと、今後の鈴鹿市教育委員会に取り組みに注目したいと思います。

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一般質問から①~ 公共施設・インフラの維持更新

2019年12月04日 08時09分58秒 | Weblog

12月の一般質問のひとつめは「公共施設・インフラの維持更新について」、論点はFM(ファシリティマネジメント)とPPP(公民連携)に取り組む専門部署の設置と、FM基金の設置です。

まず取り組みの現状から。①公共施設等総合管理計画の現状と取り組みの方向性。②鈴鹿市舗装維持管理計画の内容について、市道の延長距離、計画対象の距離、コストの考え。③橋梁長寿命化修繕計画の内容。④鈴鹿市上下水道経営戦略から、上水道と下水道の管路更新の考えと状況。それぞれコスト面も含めて、簡潔に考えを聞きました。対する答弁の要旨は以下の通り。

『① 公共施設等総合管理計画について、2037年までに5%の床面積削減の目標に対して、3年経過の平成30年末で0.62%の削減。行政経営課の設置を行い、個別施設計画の策定に取り組んでいる。長寿命化と複合化の進めるうえでの大きな方向性は、小学校もしくは小学校区を考えている。公民連携の活用を検討している。

② 舗装維持管理計画について、市道約1800キロのうち、計画対象は主要幹線道路となる233路線、延長約240キロ。今後40年間で総額120億円、年約3億円が必要な舗装修繕費用として想定している。

③ 橋梁長寿命化計画について、全907橋の1順目の法定点検が終了、これから予防的かつ計画的な補修を目的とした計画を策定、そこで費用を試算することにしている。

④ 上下水道の更新等について、上水道について管路更新に年約13億円を投資する予定、下水道について年約19億円を投資する予定、農業集落排水事業について年約4億円を投資する予定している。』

上記のように答弁がありました。実際にはこれらの他にも、公園施設や消防施設などもあり、それらも含めると相当な課題があることは明らかです。これらの点については、わからなかったから質問したということではなく、課題ということを表に出すための質問でした。

次に財政面について。質疑についてのブログでも取り上げましたが、総合計画2023後期計画(案)で資料として出された市の財政見通しから、財政調整基金からの繰り入れをしない場合、毎年度約2.5億から11億円の財源不足が見込まれ、4年間で累計約23億円が不足することを取り上げました。そこで、総合計画2023後期基本計画(案)の単位施策2532で、公共施設の長寿命化と更新により市債の増大が見込まれ、将来負担比率について35%以内に抑制することが目標にされていることについて、この数字の根拠と、金額ベースで考えるといくらかと、今後1年あたり、どれだけの投資的経費がかかると想定し、うち市負担分はどの程度になるのかを確認しました。対する答弁の要旨は以下の通り。

『 財政見通しでは、今後4年間の投資的経費について、1億円以上のハコモノ事業費を除いた、過去5年間の平均、約42億円で固定し、国と県支出金を除いた、約32億円が市負担となると想定され、それに今後4年間分のハコモノ等の更新や長寿命化にかかる分を上乗せすると、相当規模の事業費が追加されることになる。仮に、一律75%の充当率で市債を発行すると、過去5年平均の市債発行額約18億円の2倍強を、単年度に市債発行することになるため、計画的な財政運営を進めていくに当たり、臨時財政対策債を除く市債発行額を、4年間で約133億円以内に収めていきたい。 』

端的にいえば、相当な市債発行を前提としなければ、現状の政策の維持と公共施設等の維持更新には取り組めないということではないでしょうか。公共施設への地方債発行については、受益による負担を世代間で公平化する観点もあり、一定理解できるところですが、将来負担を増やすことは、将来世代の財布をあてにしている部分もあり、人口減少と厳しい社会が予想される中、鈴鹿市の課題として看過できないと思います。また、議案質疑でわかったことですが、12月議会で提出された議案がすべて通過すると、次年度以降、人件費が約1億円増加することにもなり、今後の財政運営について不安が出てきます。

ここまで整理した行政側の取り組みについて、公共施設マネジメント白書の作成から、行政経営課の設置もそうですが、国からの要請があったりするとはいっても、市議会からの意見なども取り入れられながら進められており、評価のできるものだと思っていますし、実際に普段の議員活動の中でも、担当課とかなり意見交換もしています。しかし、今後、住民・市民の方々との合意形成なども考えると、現在の体制を再構築して、より強力に進める必要が出てきていると考えます。また、公共施設とインフラの課題に取り組むにあたっては、運営管理の適正化を軸に、適正な保有量の検討や、長寿命化の推進を考えあわせ、ファシリティマネジメントの観点で取り組むことが、よりよい進め方と考えています。

そこで提案したのが、ファシリティマネジメントと公民連携を所管する部門を、現在の行政経営課、管財課、住宅政策課の公共施設部門を統合し、設置することです。

この提案に対する答弁要約は以下の通りです。

『 公共施設に対する取り組みについて、津山市のような財産活用課による一元管理の形と、尼崎市のように財政担当部にFM推進担当を置き、それとは別に公共施設保全担当を置くといった二元管理とを、人口規模やメリット・デメリットなどについて比較検証し、鈴鹿市にあった体制を検討する。引き続き、先行事例の研究等を重ねる。 』

ということで、日ごろの意見交換や質問の聞き取りの過程を通じて、提案に対する課題や考え方の共有はある程度できたと感じました。ただ、状況の変化は速いため、研究を重ねることから、行動に早急にうつすことを意見として添えました。

もうひとつの論点、ファシリティマネジメントのための基金設置について。特定目的基金のうち公共施設整備基金を、公共施設の大規模改修のための基金とし、小規模修繕などのために、仮称ですが「FM・ファシリティマネジメント基金」といった名目で基金を設置し、一定額を確保してはどうかと問いました。このことについて、財政調基金のままでは「財政調整基金がある=余裕がある」と勘違いされる方もいるため、将来世代に向けて確保することが、今の世代の責任と考えるからです。この提案に対する答弁要約は以下の通りです。

『 消費的経費にあたる小修繕系の工事について、計画的で効果的な仕組みを検討したり、公共施設整備基金での運用等を検討していく。 』

この答弁に対して、公共施設整備基金での運用を検討するという部分について、実際のところ今後10年程度の間には、各学校、文化会館、図書館、各給食センター、考古博物館などをはじめとして、大規模改修が想定される施設は相当数あるので、小修繕もこちらに入れるとなると、相当きびしい運用になるでしょう。ですので、やはり小修繕系は別枠にしたほうが良いと意見をしました。

現在、広報すずかでも公共施設の課題について、特集を組んでいます。11月5日は第1回、12月5日号は第2回が掲載されています。ぜひ一緒に考えて頂きたいと思うところです。そうすると、聞こえのいい話ばかりは言えないことも気づいていただけるかと思いますし、なにより、公共施設のこれからのあり方と、鈴鹿市のまちのあり方を考える大きなきっかけになると思います。

■広報すずか11月5日号・特集

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議案質疑から~ 人件費増をどう考えるのか

2019年12月03日 18時13分47秒 | Weblog

今日は議案質疑で3つの論点を問いました。

ひとつめは、議案第94号「鈴鹿市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定について」で、この条例により、嘱託職員と臨時職員の方々が、会計年度任用職員という位置づけになり、待遇改善になるという内容で、制定後、費目上でどのように考え方が変わるのか、平成30年度の状況を参考に、適用した場合にどれだけ金額的に違いがでるのかを聞きました。

答弁では、平成30年度の決算額で、嘱託職員と臨時職員の方々の賃金総支給額は、合計で14億1200万円であり、この金額に制度を適用して考えた場合、概算で1.03倍程度になると考えられ、その場合約4800万円の増となることが確認できました。

ふたつめは、議案第95号「鈴鹿市職員給与条例及び一般職の任期付き職員の採用等に関する条例の一部改正について」で、期末勤勉手当で0.05カ月分を増額すること、新採職員から30なかばの職員給与を約2000円程度アップすること、住居手当の見なおしが内容となっています。議案第93号で関連の増額補正があり、4292万2千円が計上されているなかで、割合はどのような状況かを確認しました。

答弁では、給料表での見直し分は1025万3千円、期末勤勉手当(ボーナス)の見直し分で2743万円、これらに関係して共済費の見直し分が523万9千円とありました。令和元年度補正予算における財源としては、増額となった法人市民税を当てるという考えということでした。

消費税率が上がり、家計も大変といわれる中、理解されにくいところと思いますし、総合計画後期計画にあたって、財政見通しが公表され、厳しい見通しが示されている中で、あわせると人件費で約1億円の増、義務的経費が増えることいなり、平成29年度決算時で独自に使えた額が約23億円だった鈴鹿市にとって、議案95号と議案93号補正予算の関連部分について、どのように判断するかは、12月議会の論点の一つと考えます。

■総合計画2023後期計画・資料・鈴鹿市財政見通し

みっつめの、議案第93号「令和元年度鈴鹿市一般会計補正予算(第4号)」では、人件費関係は95号の際に確認したので、施設の雨漏り改修にかかる予算について確認しました。その中、特に着目したのは、款10教育費・項5社会教育費・目2文化財保護費での資料館等・佐佐木信綱記念館改修費用についてで、予算額は1846万4千円で、補正理由は「屋根防水改修」と「展示室天井等の改修」となっており、屋根防水改修とそれ以外の改修との費用の割合を確認しました。

答弁では、屋根防水改修分が約1270万円、それ以外の部分が約570万円とありました。また、それ以外の部分について、予防修繕を行っていれば抑制できたことも確認したところです。

適切に予防修繕を行っていれば、費用の発生が抑えられただけではなく、他に必要な修繕に配分できたことを考えると、施設修繕全体と財政との関係などについて、市の課題が見えたと考えています。

 

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