昨日、今日と新聞で鈴鹿市の管理職人事について報道が出ています。退職される職員もあり、この時期の人事異動は必要であることは理解できるのですが、令和3年度に向けた人事異動を見ていると、私は違和感を感じます。
違和感について記述する前に、私自身は、人ですから向き不向きはあるとは考えていますが、職員の方々の能力が低いと考えているわけではありません。職務としてこなして頂くことは可能とは考えています。そのことを前提に、以下に考えを書いていきます。
違和感の理由のひとつは、コロナ禍の収束がまだ不確定な中で、昨年の状況を経験して取り組んできている人材を、分野違いの部署に異動することは大きなリスクではないかと考えることです。それは、コロナ禍の中にある業務がストレスなく進められるかという視点と、異動となる職員の負担との両面から考えられます。
コロナ禍という重大で重要な社会変動の中、市の事業を遅滞なく、また市民の皆さんにとっても不安が少なく進めることは、自治体として重要なことだと考えます。であれば、業務を行うにあたって積み重ねられた知見や、それに基づく様々な思考と判断は、それを経験した職員の中に蓄積されるものが多く、ある意味で属人的な部分を伴うことはやむをえないと思います。同時に、業務が機能していたのであれば、不用意に移動を行わないことは、市民側の負担を減らすことだとも考えます。少なくとも、コロナ禍の中にまだあるということは、これまでの異動と違う視点を持って考えるべきですし、その点の検討がどのようなものだったのかが重要な点です。
また、職員の異動にあたっては、異動先の事業や業務内容について引継ぎが行われるものの、それを覚えるための負担はコロナ禍の中で大きなものではないかと危惧しますし、ある意味でコロナ禍を経験したところは特殊な部分であり、そこを考えると、さらに負担は大きいものになるのではないかと考えます。そう考えると、異動により職務負担が過重になることは、職員の働き方改革と言われるところや心の健康面を考えた時にリスクが大きいと考えます。
以上のようなことから、今年度の人事異動は最小限にとどめることが必要だろうと私は考えていました。ですので、今回の人事異動に違和感を持っています。
もうひとつは、重要と考える政策に関係する部局の人事異動に疑問を持っているということです。特に気になっているのは「地域づくり協議会」と「公共施設マネジメント」です。
「公共施設マネジメント」に関係する部局に関しては、これまで政策経営部行政経営課で行っていたものを、公共施設等総合管理計画に関係する部分を政策経営部総合政策課で取り扱うことにし、個別施設計画に関係する部分を新設する都市整備部公共施設政策課の所管に、公共施設の中でも半分近くを占める学校施設の担当課も入れ替えを行うことになりました。
この動き自体にも考えるところは多々あるのですが、それだけではなく、人事異動で関係していた職員の大半の方々が別部署に配置となっていて、属人的な業務となってはいけないことは重々わかってはいても、重要な政策として基礎の部分を固めることむ必要があると考えるところなのですが、行政サイドでは業務の引き継ぎで対応できると考えているようで、その部分がどうしても納得できません。
「地域づくり協議会」が関係する部局では、ここ数年の人事異動で、部長と課長の交替が続いているのですが、今年度は個人市民税が財源になることが明確にされるなど重要な政策課題であるのに人事異動が行われ、退職が関係していることを差し引いても、市の地域政策に対する姿勢に疑問を持ちます。
また、地域づくり政策は地域共生社会の形成とつながっていて、地域共生社会は4月から施行される改正社会福祉法とつながり、重層的な相談支援体制の構築とも関わっていて、非常に重要な部分です。この部分について、上層部で福祉部局のことだけでなく地域振興も深く関係、絡み合っているという意識が本当にあるのか疑問を持っています。
以上のようなことがある中での人事異動は、そこだけでなく全体の人材配置の部分で歪みを持っているのではないかと危惧するところで、私の違和感につながっています。
ですので少しでも良くなるよう、状況を調べながら、いろいろと働きかけたいと考えています。