鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

もし、毎年1.6億円使えるなら

2016年09月24日 19時49分21秒 | Weblog

鈴鹿を魅力的にするために、みなさんはどのような使い方を考えますか?

教育、福祉、産業、環境、地域づくり、文化、スポーツ、道路など土木、公共施設・・・いろいろなことがありますが、どのような使い方をするのがよいと思われますか。

ただし、いま行っている事業はそのままに毎年1.6億円を使うには、税収が1.6億円あがるか、それとも、使うほうから1.6億円削るか、もしくは借金にするか、貯金を崩すか、財源のことを考えないといけません。

 自分ならこう考えます。

まず学校施設について、大規模改修や建て替えが必要なところから取り掛かることはもちろんですが、学校図書館の情報ステーション化、トイレ改修、屋内運動場の換気改善、教室照明のLED化、教室の遮光や断熱などを推進していきます。

それと並行して、放課後児童クラブを発展させる形で、各学校を夕方5時半程度までは、すべての子供がいられることができる体勢をつくり、無償でその場にいられるようにします。もちろん、既存の放課後児童クラブで働いている方々は、そのまま継続して雇用されることが前提です。

これらを組み合わせて、子どものセーフティネットの場としての学校を充実させることのために1.6億円を毎年投資するすることが、いま鈴鹿に必要だと考えます。

そうすることで考えられる利点は、

1)誰もがいられることで、支援をしたほうがよい子たちも自然にその場にいることができ、多様な課題にきめ細かい対応ができる。貧困だけでなく、ネグレクトのような課題も見えやすくなるのではないか。

2)その場で学習支援を行えば、学校との連携もとりやすい。

3)地域や学校、関わる人たちとの間に愛着の形成が期待できる。

4)誰もが行くことができれば、学童保育に通わせることがなくなり、学童保育に通わせている保護者の、心理的負担や金銭的負担の軽減が期待され、金銭的な部分では家計の可処分所得が増えると期待される。子ども1人に月約1万円、39施設に平均30人と仮定して計算すると、1万×12×39×30で1億4040万円が家計に戻ると考えられる。

5)多様な社会的活動への参加を考える保護者にとっても、自分の時間をつくりやすくなるのではないかと期待される。

6)学校施設も含めた公共施設マネジメントにおいて、複合化についての方向性を検討しやすいのではないか。

7)地域コミュニティにとっても学校を基点に再構成できるのではないか。

ほかにもいろいろ考えられますが、 結論として、このように毎年1.6億円を使えば、その投資以上のメリットがある考えます。 財源については、今年の3月定例会で行われた特別職報酬の改訂と一般職給与の改訂を、それ以前の水準に戻すことで約1億円を見込めます。これに行財政改革や議会定数などの議論も重ねれば、約1.6億円を捻出できると考えます。

このように考えています。

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エアコンについて考える

2016年09月20日 01時22分36秒 | Weblog

先日のブログで議案質疑をベースに、9月定例会で出ている学校への空調設備導入に関する議案を書いていますが、今回は、そのことを考えるにあたって、自分の中で前提となっていることを書きます。

 

話に入る前に、まず今年についてだけ整理を。

今年の3月定例会では、加入者減の一方で医療費増があり、財政が立ちいかなくなったことがその理由で、国民健康保険税の改定が行われ、平均約17%の値上げとなりました。一方で、市民税収入源が予想される中で、特別職報酬と一般職給与の改定が行われ、年間で1億円強の人件費増額となりました。

3月定例会での考え方や討論をまとめたものが画像になります。

そのような状況の中で、9月定例会では学校への空調設備導入について10年で約16億3千万円の債務負担行為が提案されています。また、関係条例改正により、子ども医療費の助成対象が中学校の通院へ拡大されることと、現物給付が議案として出されています。これによる影響は、子ども医療費の増加の形で年5千万円以上市の負担が増加することが予想されますし、現物給付化は国民健康保険税への影響が考えられます。

これらを合わせて考えると、今回提案されている内容と、財源などに対する市の意識に大きな疑問がわくのではないかと思います。

そして、今後の大きな課題、地球温暖化による気候変動、不透明な社会経済状況、公共施設やインフラの更新課題などを考え合わせると、あわててものごとを考える場面ではないとするのが妥当ではないでしょうか。

 

例えば気候変動に関して、たしかに気温の上昇の影響があることは否定しません。快適な環境を提供することは、選択肢に入るものだと思います。しかし、今の気候変動は、気温上昇よりも極端な気象を招いていることのほうが大きな課題だと思います。そうすると、まず考えるべきは、気候変動と極端な気象に対するリスクマネジメントだと思います。

関係して公共施設マネジメントでは、鈴鹿市は白子中学校や大木中学校などをはじめとして、早急に建て替えや改修を必要とする施設が、これから目白押しにあります。それらをどう改修するかが不透明な状況で、大きな投資を行うことは、リスクが高いと考えます。

白子中学校は生徒数が多く、教育環境にも影響を与えています。校舎そのものもかなり建築年数がたっており、早急に手を付けなければいけないはずです。そしてこの白子中の課題に手を付けることは、周辺中学校の大規模改修と合わせるべき課題です。そう考えれば、鈴鹿市は最低でも神戸と平田野を除いた、中学校8校のありかたの方針をまず示すべきです。

それに加えて、校舎の改修にも手を付けるべきです。トイレ改修やそのほか必要な改修にもなかなか手を付けられていないのが現実ですからまずそちらを優先すべきです。また、空調を有効に運用するには、現在の家屋などは、エアコンの運用を前提に高気密高断熱になっているはずですから、教室の断熱と夏場の遮光に取り組むべきです。

もちろん鈴鹿の課題はこれらだけではありません。

このように、空調設備(エアコン)の導入だけでなく、いろいろな観点から市民の方にも政策の優先順位を考えて頂くことが、次の世代にとっても重要なことだと思います。

1.6億円を鈴鹿市の納税者約10万人で割ると、1人当たり1600円の負担になります。そのことの持つ意味は大きいはずです。

 

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9月定例会に思うこと

2016年09月19日 01時04分36秒 | Weblog

政治に携わるものにとって大切なのは、
とにかくお金を使って政策を行おうとするのではなく、
将来を見越していま選択すべき政策の優先順位を考え、
将来への負担を最小限にしつつ政策を実現し、
適正にお金が使われているかをチェックすることだと思います。
そのコミュニティの持つ課題全体を俯瞰してではなく、
部分最適で政策を実現することに重きが置かれるべきではないはずです。

仮に、経済や社会が窮地に追い込まれたり破綻したとして、
政治に携わるものが責任をとれるものではないけれども、
そうならないようにリスク管理をする意識がなければ、
容易にそのような状況になってしまうのでは。
そのとき不利益を大きく受けるのは、
政治に携わるものではなくて、
次を担う世代であり、市民全体であることを、
その意識は誰もが持つべきなのだと思います。

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9月の一般質問

2016年09月18日 17時35分42秒 | Weblog

一般質問「鈴鹿市における中小企業と起業支援」への答弁について要旨です。

*****************

①エコノミックガーデニングの導入
⇒ 鈴鹿市が取り組んでいる中小企業支援にかかる施策と違いはあるが、エコノミックガーデニングの考えに基づく施策がどのような効果を生み出すのか、鳴門市や藤枝市など取り組んでいる自治体の動向に注視しながら、効果的な施策の立案に努める。
 山本教授の講演が近隣で開催される場合などに職員を派遣したい。

②Suzu-bizの設置
⇒ 鈴鹿市ものづくり産業支援センターを拠点とし、鈴鹿商工会議所などと連携して産業支援を行いたい。ものづくり支援センターでは支援が難しい案件について、biz形式での支援方法のメリット・デメリットについて調査研究したい。
 

③企業支援のひとつとしてふるさと投資
⇒ 鈴鹿市として、この制度の普及に向けた羞恥、情報発信などに関わることで認知度が上がると考えるが、投資によるリスクも想定され、先進し事例を参考に調査研究したい。

***************

という内容でした。今後も情報提供と意見交換を行いながら、市の取組に働き掛けたいと思います。②についてはオカビズに職員派遣して調査すべきということなどを意見しています。

ちなみに、今回の質問に向けて、いろいろな情報提供も含めて7月初めくらいから市担当と話をしていました。短期間で行政意思の決定になるとは考えていませんので、今後も地道に働きかけていきます。

 

※リンク先は質問にあたって考えをまとめる際に作ったものです。

https://www.dropbox.com/s/nmfv1t75oythima/2106.09.pdf?dl=0

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学校へのエアコン設置に関係する議案について

2016年09月18日 17時31分27秒 | Weblog

今日、9月定例会の本会議では、いわゆる学校へのエアコン設置に関する補正予算が計上されました。国補助が多く出るということで、その点はメリットがあるように見えますが、10年で約16億円強を鈴鹿市としても投資する案件になります。

まずこの議案について、画像右端の部分が論点として上がります。この中で国補助に関係する部分が次の画像。国の補助は、エアコンに対して行われるのではなく、“マイクログリッド”という仕組みを取り入れることに対して行われることがわかります。

では、マイクログリッドとはどういうものなのか、簡単にイメージにまとめました。

これらを踏まえながら、議案質疑を行い、また所管する文教環境委員会も傍聴しました。

以下は議案質疑に関係する部分です。ポイントは3つです。画像は、議場での手持ちした資料です。②をそのまま通すと、③への影響が避けられなくなることは必至です。また、③は市財政全体を考えても、今回の件と別の課題ではないはずです。

なにより、どのような政策を優先するかを、きちんと議論することが重要な点と考えています。


ポイント① エアコン設置とあるが、今回議決する内容のコアになるのは、国補助の目的におけるマイクログリッドではないか?。マイクログリッドの運用にあたっては、制御システムの導入が必要になるが、システムを導入すると、その運用ができる事業者のみとなりはしないか。

質疑① マイクログリッドの制御システムについて、事業者が限られるのではないか、どこに設置するのか。

答弁⇒ 指摘の通り、システム構築のできる企業は大手企業に限られる。ネットワーク機器本体の所在は、学校施設内なのか、システム開発業者の施設内かにより違う。プロポーザルでの提案を見守る。


ポイント② 総額40億円の事業費に対し、国補助が3分の2ということで、市負担として10年で16億2774万円の債務負担行為が組まれているが、1年あたり1.6億の財源をどう考えているのか、具体的な説明。

質疑② 市負担として10年で16億2774万円の債務負担行為が組まれているが、1年あたり1.6億の財源をどう考えているのか。

答弁⇒ 必要な事業は継続しつつ、各事業費をゼロベースで見直し、必要なところには予算を確保、見直すものは見直す。

 

ポイント③ 大規模化した白子中の改修や大木中の改築、石薬師小や河曲小などの体育館立替、自校式の給食調理校の改修、日常過ごす学校のトイレ改修などの環境改善などの課題に加え、公共施設総合管理計画との整合性。

質疑③ 大規模化した白子中の改修や大木中の改築、石薬師小や河曲小などの体育館立替、自校式の給食調理校の改修、日常過ごす学校のトイレ改修などの環境改善などの課題に加え、公共施設総合管理計画との整合性。

答弁⇒ 公共施設等総合管理計画に基づき、学校規模の適正化を図る基礎調査の結果を踏まえ、適正な教育環境の確保等も総合的に判断し、優先順位を明確にしながら、教育関係施設の改修計画を進めたい。


※質疑(追加) 国補助の要件に「あわせて省エネ改修等を行うことで」とあるがその点について。

答弁⇒ プロポーザルでの提案を見守りたい。

 

【答弁から見えたこと】
①教育委員会自体がマイクログリッドを理解していないのではないか。
②大きな支出であるのに、まったく財源が考えられていないのはずさんではないか。教育関係だけでなく、市民生活全体への影響を考えていない。
③答えになっていない。
④そもそも、市が出しているプロポーザルの要件に省エネ改修の文言が入っていない。

 

そして委員会も傍聴しましたが、答弁を聞いていて、より疑問が強くなりました。

設置できればそれに越したことはありませんが、設置が大事なのではなく、将来にどのような影響があるのか、将来の鈴鹿市のビジョンも含め、真摯に考え、結論に至ることが大切だと思います。

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