鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

議案質疑「ワクチン定期接種について」

2024年06月18日 12時52分44秒 | Weblog

議案質疑は、令和6年度補正予算第1号の歳出から、新型コロナウイルスワクチン定期接種に係る「款4衛生費 項1保健衛生費 目3予防費 定期予防接種費 3億4969万5千円」について、積極的な判断をする方にとっても慎重な判断をする方にとっても、健康や命が関わっている案件なので、行政として情報提供を大切にしたほうが良いというスタンスで問いました。論点は以下の通りです。

 

接種対象者について資料で、65歳以上と60~64歳で基礎疾患を有する方で、65歳以上人口の50%となる2万6492人となっていて、人数の算出について65歳以上人口の50%としている根拠を問いました。

答弁の主旨は「 高齢者の重症化予防を目的に対象者を設定。対象者の根拠は、令和5年度の秋開始接種の65歳以上の接種実績数25,150人と接種率49.8%を補える50%とした。 」となっていて、考え方としては理解できるものでした。

 

新型コロナワクチンに関して、購入の形と接種対象となるワクチンを確認したところ、「 ワクチンは一括で購入するのではなく随時購入する形になる。接種対象となるワクチンの種類、対応株及び取り扱い製薬会社名は、国からまだ示されていない。 」ということでした。随時購入は接種する医療機関で購入ということでしたが、ワクチンについて説明がないことには、厚生労働省の動きに疑問があります。

接種時期は秋冬が考えられているのですから、対象となるウイルスの型までは言えないのは仕方ないとしても、ワクチンタイプは示すことができると考えますし、そうなれば製薬会社についても説明できると思います。また、後段で取り上げますが「ワクチン生産体制等緊急整備基金」の対象事業としての、事業目的や「ワクチン生産体制等緊急整備事業」の一次公募(令和2年)では6事業者が採択、ワクチンタイプについて「ウイルスベクター、DNA、細胞培養不活化全粒子、組み換えタンパク、mRNA」があり、二次公募(令和3年)では1事業者が採択「mRNA」という資料が公開されています。

 

また、接種費用の1万5300円について、一人あたり公費負担額は1万3200円、自己負担額は2,100円となっています。その内訳を確認したところ、要約すると「 15,300円のうち、ワクチンの費用は11,600円で考えられていて、接種費用は4,700円。公費負担の13,200円は、ワクチン生産体制等緊急整備基金から8,300円、市の一般財源から4,900円となる考え。 」とありました。

この状況から考えると、ワクチン生産体制等緊急整備基金から財源が充当されるのであれば、ワクチンタイプだけでも国から自治体に伝達ができるはずと考えます。まして、ワクチン購入のために自治体の一般財源充当も必要になるのであれば、国には説明責任があるはずでしょう。

 

情報提供について、質疑にあたって市サイトを見たところ、新型コロナウイルス情報とワクチン情報が別のページでわかりにくいものでだったので、リンクを貼るなどの工夫を聞き取りの際に指摘しました。

その上で、ワクチンなどの医薬品は、それによる発症予防や重症化予防などのメリットと、副反応などのデメリットが存在するはずで、それらの情報をわかりやすく提供すべきです。そこで、他の自治体を参考に、対象年齢で見られる主な副反応と、国などに提出されている副反応報告の件数なども、市のサイトに掲載してはどうかと問いました。

答弁は「 市ウェブサイトについては、新型コロナウイルスの情報と、予防接種の情報に新型コロナウイルスワクチンの情報に分けて掲載している。情報提供の方法については、他の自治体等を参考に調査・研究し、市民の皆様に分かりやすい掲示に努める。 」とありました。

行政側にはやりとりの中で伝えたのですが、5類感染症になって以降の取組ですから、情報提供は新型コロナだけ別枠にするのではなく、「感染症」としてインフルエンザなども同様に取り扱うようにしたほうが良いと思います。でなければ、予防接種情報と一貫性がないでしょう。

また私たちも落ち着いて情報を考える必要があると考えています。

「新型コロナウイルス」とされていますが、コロナウイルス自体は目新しいウイルスではなく変異も速いもので、“風邪症候群を引き起こすウイルスの一種です。では”SARS以降のコロナウイルスの状況と、今のコロナウイルスの状況と何が違うのでしょうか、本当に危険なままなのでしょうか。

ワクチンについてはどうでしょうか。ある意味で、壮大な治験が行われたような状況と思います。重症化予防は効果がありそうに思われますが、感染予防や感染拡大予防、発症予防について、どの程度効果があるのでしょうか。副反応(副作用)についてはどうでしょうか、厚生労働省が公開しているデータだけではなく、そこに現れていないものはないでしょうか。短期的なそれだけでなく、長期的な影響についてわかっているでしょうか。

自分で考えられるための情報が、気づきやすくわかりやすいようにサイトに掲載されていることは大切だと思います。

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6月一般質問「学校規模適正化・適正配置について」追加

2024年06月15日 09時30分52秒 | Weblog

前半部に続いて、質問で取り上げた内容を追加します。

鈴鹿市学校適正規模・適正配置基本方針の第5章では「実施までの基本手順と検討開始時期のフローチャート」が示されています。これを見ると、小中一貫校新設の場合でも5年程度で設定されていて、保護者や地域等の意見の把握や調整の期間が短いと感じますし、合意形成を含めると、市が結論ありきで進むことが前提では?と考えてしまいます。

質問では、現方針の中で気になる校区について問いました。

ひとつは、栄小学校区や生徒数の3割から4割を占める稲生小学校区が不在のまま進んでいる天栄中学校区、次に、小中一貫校新設が考えられている鈴峰中学校区、そして、改築を控えた千代崎中学校区について大木中校区との関連から通学区域のあり方などです。

答弁は次の通りです。

「 天栄中学校区について、合川・天名・郡山の三校の学校再編に取り組んでいる。栄小学校区については情報提供である。稲生小学校区については白子中学校の通学区域弾力化で通学を認めているため、今後、天栄中学校を義務教育学校として設置をするにあたっては、稲生小保護者の意見を聴きながら、制度設計を行う必要があると考えている。

 鈴峰中学校区について、令和11年度に庄内小が過小規模校となる予想のため、情報共有と説明を行いながら、検討を行っていくことを考えている。

 千代崎中学校区について今後20年間は適正規模校であるが、隣接の大木中学校は令和12年度以降は小規模校となることが予想される。若松小学校区は両中学校に分かれているため、通学区域の見直しや、適正化に向けた手法について、共通理解と意見交換に取り掛かりたいと考えている。 」

 

もうひとつ、答弁を受け、私論となりますが以下のような考えを持つことを提示し、あらためて市の考えを問いました。

天栄中学校区の取組から考えると、校区を合川小、天名小、郡山小、栄小に鼓ヶ浦小を加えた形で考え、一貫校の配置について将来の鈴鹿の都市構造を考えながら、現在の場所、近隣教育機関との交渉、重要道路が近接するりんりん付近と議論はあり得ると考えます。

 上記のように天栄中校区を考えれば、建設後約50年が経過している鼓ヶ浦中学校について、現地での建て替えでなく内陸部に移動、御座池公園を活かして近隣地に屋内運動場と校舎整備を考え、その上で稲生小学校区と白子小学校区で新しい鼓ヶ浦中校区を構成すれば、津波・高潮だけでなく海水面上昇など、将来的な災害からリスクを減らせることが考えられますし、稲生小と白子小とも中学校と連携した教育の実現などのメリットがあるのではないか、などの議論があってよいと考えます。

 ただこのようなことを考え議論するためには、やはり質問主旨のオール鈴鹿体制での取り組みが必要と考えるため、あらためて市長に考えを問いました。

 市長の答弁では、行政全体で考えるという方向性がきかれましたので、今後に期待するところです。

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6月一般質問「学校規模適正化・適正配置について」

2024年06月14日 12時35分13秒 | Weblog

6月のもう一つの質問は、「学校規模適正化・適正配置について」でした。

論点は、教育委員会だけでなく都市計画部門を中心に全庁体制で、そして市議会も交えて、オール鈴鹿の体制で基本方針の再検討を行うことです。

昨年の社人研発表の「日本の地域別将来推計人口」では、鈴鹿市総人口は2025年の約18万8000人から2050年には約15万7000人に、0~14歳人口は約2万人から約1万4000人に減少と出ています。

また市の公開データから、2013年からの10年間で、0から4歳人口は9,510人から6,876人に、5から9歳の人口は9,957人から8,085人に、10から14歳人口は11,041人から9,207人と大幅に減少、統計要覧の住民基本台帳人口で見た出生数は、2011年の1,841人から2022年には1,305人に減少しています。

そこで児童・生徒数の推移について、2018年策定の「鈴鹿市学校規模適正化・適正配置基本方針」と、2023年度の「児童生徒数・学級数の推移」から比較表を作成しました。黒字が2018年、赤文字が2023年です。

このようにして、2018年方針の2022年の予想数と2023年調査時の児童・生徒数を見ると、ごく一部の学校を除いてほとんどの数字が下振れしていて、2027年以降の予測も下方にずれています。

このようなデータが示される中での学校規模適正化や適正配置は、学校施設維持更新だけではなく、鈴鹿市の将来の姿と関連付ける議論が必要です。

図は現行の基本方針のものです。神戸中と平田野中を除くと古い配置のままです。

このような学校規模適正化・適正配置の基本方針ですが、やはり、児童生徒数の動向など社会状況の変化を考えた見直しは必要でしょう。そのためには隣接のエリアだけではなく、市全体との関係からの議論も必要です。つまり都市計画、地域コミュニティ、公共施設マネジメント、防災など、その他の政策も含めて考えるべきです。

現行の方針にも、5年を目処に計画の見直しが書かれていますし、「統廃合等の手法を検討するに当たっては、施設整備をはじめ、まちづくり戦略の一環として魅力ある学校づくりのために、保護者や地域づくり協議会等のほか、市長部局とも緊密な連携を図ります。」とあることから、現状と冒頭の考えを問いました。

それに対する答弁の要旨は次のような形でした。

「 平成29年度から現在までの変化として、小学校の適正規模校は15校から10校に減少、小規模校は11校から17校に増加、か小規模校はなしから1校に増加、大規模校は4校から2校に減少した。同じ時期に中学校は、10のうち9校が適正規模校に、大規模校が10校という状況である。

 教育委員会としては、よりよい教育環境を提供するために、学校規模適正化と適正配置の検討を行う必要がある。毎年作成する20年推計を注視し、保護者や地域と情報を共有しながら、今後のあり方を検討する必要があると考えている。

 基本方針については、児童生徒数の推移を注視して、総合計画2031との関係や整合性を図りながら、市議会との協議も踏まえ、市長部局と連携し取り組んでいく。 」

自分としては、もっと大胆な連携の上での議論の必要性を感じていますし、また、それは早期に行うべきと考えていますので、答弁としては不満が残るものでした。

この質問に関しては、複数の学校区について現状の確認と、なぜ今回の質問に至ったかの発想を私論として取り上げていますので、それは後のブログに書くことにします。

 

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6月一般質問「子ども政策について」

2024年06月14日 11時45分15秒 | Weblog

6月の一般質問で、子ども政策として主に子ども条例策定に関係することを問いました。質問の構成は、現状の確認、そして今後の取組という形です。

自分は、市民としても議員としても条例づくりに関わりましたし、ここ数年は子ども政策を所管する地域福祉委員会に所属して、地域や福祉、子ども政策に取り組みました。子ども条例の制定に関しては、制定するべきと以前から考えていました。そのため、制定を議会から進めることを考えたことが、地域福祉委員会に継続して所属した理由のひとつです。

そのような経験から、現在の鈴鹿市の子ども条例策定は、策定という結果に重きが置かれすぎ、また子どもの参画が不十分で、過程、プロセスを軽んじていると懸念を持っています。

ご存じの方も多いと思いますが、国では昨年4月に「こども基本法」が施行され、それをうけて12月に「こども大綱」が、そして今年に入って「こどもまんなか実行計画」の策定と大きな流れがあります。また三重県でも子どもに関係する条例の見直しが議論されるなど、鈴鹿を取り巻く状況は大きく動いています。

市の「鈴鹿市子ども条例(仮称)検討委員会」の取組は尊重するものですが、やはり国や県の動向と現在の取組との整合性などを確認する、議論することは必要だと考えます。

一例として、4月18日に開催された第5回会議での資料で鈴鹿市条例でのこどもは「18歳未満のすべての者」と考えられているのですが、こども基本法では「この法律において『こども』とは、心身の発達の過程にある者をいう。」とされていて、すでにずれています。このような状況で進んでいくのはいかがなものでしょうか。

そして条例策定にあたっては、こども基本法でもこども大綱でも、子どもの参画や意見表明などの重要性が取り上げられているのですから、それが最大限尊重されているかは重要なポイントです。

ロジャー・ハート(参考)の参加の階段のどの位置で、子どもの参加に取り組んでいるのか、より高位の参画で取り組むことが大切と考えます。

※参考:NHK地域づくりアーカイブスより「子ども『も』民主的なコミュニティ育ての主体者仲間」より

また、子ども政策を中学校卒業までのようにとらえていると考えられることが鈴鹿市の課題で、これまでの執行部には折に触れて発言しているのですが、鈴鹿市は中学校卒業以降の若者政策が貧弱なので、サードプレイスの設置など、若者に視点を向けた施策に取り組んだほうが良いと考えています。

このような思いを軸に質問をしたのですが、要約となりますが答弁は以下のような形でした。

「 子どもの意見をしっかりと取り入れるため意見聴取のあり方を検討した。本年1月に公立小中学校の生徒を対象にアンケートを行ったほか、未就学児や小学生の保護者、高校生や一般、外国人学校に通う児童生徒を対象にアンケートを行った。

 検討部会の意見を勘案しながら、全庁的に検討を重ね、総合計画2031に基づき、制定に向けた取り組みを進める。

 高校生を含めた若者世代への取組については、現時点では対応しきれていないので、今後の課題として検討する。

 条例策定については、現在示しているスケジュールに沿って取り組む。

 今後は、子どもたちへの周知・啓発を行い、子ども条例が制定された後も、子供の意見表明や社会参画機会の確保に取り組む。 

皆さんはどう感じられるでしょうか。アンケートをもって子どもの参加と考える姿勢は、子どもの権利に関係する条例を策定するときに納得できるものでしょうか。

現在示されているスケジュールは、6月に行政内の条例審査会で審議、7月に行政経営会議に諮ることと議会調整、8月にかけてパブリックコメントの実施、来年1月に条例案を出し、2月定例議会での議決を想定して、4月に条例の施行という流れです。子どもの参画機会は想定されていません。納得できるでしょうか。

しかもこの行政の姿勢は、令和元年度と令和5年度の議会からの提言、どちらも「市民、子ども等からの意見をしっかり取り入れる。」ことを求めているのですが、それらとも矛盾するものです。

提言を狭く取り入れ、アンケートで意見を聴くことを持って達成していると行政が考えるのであれば、そのような判断には真摯さも誠実さもないと思います。このような状況で作られる条例は、本当に子どもたちに良いものになるでしょうか。そうは思えません。

そこで答弁について「意思決定は部長なのか市長なのか」と問いただしたところ、子ども政策部長が答弁に立ちました。

「こども基本法」が施行されているにもかかわらず、これまでの取組と現状の検証を避け、アンケートをもって子どもの参画を行ったと考え、以前に考えたスケジュールで進もうとする鈴鹿市の姿勢は、生保の不適正支給報告書で「前例踏襲、ことなかれ」と指摘された市の組織風土は変わっていないとさえ思わされるものでした。

子ども条例の制定は喜ばしいものの、質問を通して感じた鈴鹿市の姿勢には大きな課題、問題意識を持ちました。

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