③の「議長会の見解と議会改革の関係」と、④の「先例集について時のアセスメント」について考えたいと思います。
「議長会の見解と議会改革の関係」について、平成10年と平成18年の全国議長会の見解について、簡略に表現すると「①チェック機関の議会が、チェックする相手である執行機関に取り込まれることは望ましくない。②委員になるなら、議会に報告を行うべきである。」とあることが、今回の流れに影響を与えていることは、前半に書いたとおりです。それぞれ、約10年前と約20年前の見解が、議会での申し合わせというかたちで影響を与えているわけです。
ここで考えたいことは、平成18年以降、各地の議会で議会改革が問われ、議会基本条例の制定も進んでいる中において、過去の見解が再評価と検討をされることなく、脈々と現在の議会運営の中に流れていることです。たとえば、「議会(議員)がなにをしているかわからない、みえない」といった意見の背景に、審議委員に参画することが少なくなったことが遠因としてあるのではないか、といった議論があってもよいのではないでしょうか。
また、それぞれの議会運営のあり方は、基本的にそのまちの自治の課題であるはずで、議長会の考えに乗るべきということでもないと思います。実際に、審議会への議会からの委員参画について、積極的な観点から参画を行っている議会もあるとお聞きしました。鈴鹿市議会においても、議長会の見解は見解として、自分たちのまちの自治の課題という意識で議論に取り組むべきだと思います。
ブログを読んで頂いた方から情報を頂きましたので紹介させて頂きます。埼玉県議会での取り組み事例です。
「彩の国 まつりごと」 [第十部]次への一歩<1> 県議会も5カ年計画
「先例集の時のアセスメント」について、会議規則や申し合わせ事項など、、議会運営についていろいろな項目が記述された先例集が鈴鹿市議会にもあり、それにそう形で議会運営が行われています。そして、議会運営について新しい事例が出てきたりすると、その都度、今回のようにそれに追加されていくということになっています。先例集は現在のところ公開されているものではなく、改選時に議員に配布されているものです。
先例について、改選時に議員全員で読み合わせをして確認をしているというものではありません。本来であれば、4年に一度、議会という組織は改編されているわけですから、その都度、改選された議員で読み合わせをして内容を確認し、必要があれば、先例について棚卸しと再編集の作業を行うべきではないかと思います。
鈴鹿市での今回の空き家対策協議会についての件でも、質疑を行ったことで明文化されていない申し合わせの存在も見えたわけです。審議会に議会から委員を派遣することについて、議長会の見解でよいという考えの人も、逆に積極的に参画すべきという考えの人も、議員の中にはそれぞれにいるはずだと思います。もし今回、明文化されていない申し合わせを理由として、議員間での議論と確認がない状態で、委員として参画しないという結論になっていたとすれば、議会としての危機だったのではないかと思います。
ですから今回の件から、議会の先例集についても4年に1度の点検と評価、時の経過を加味したアセスメントを行うべきではないかと思いますし、同時に、市民の皆さんに対しても透明なものにすべきだと思います。それは自治に取り組む議会の責任でもあるのではないかと、私は思います。