お隣の亀山市で市長選挙が来年1月に告示されます。その説明会に、現職、現職市議、元職市議の三陣営が来ていたことが報道されています。鈴鹿市にとって、11月は四日市市長選挙が行われ、新人の森市長が誕生し、北勢圏域での動きがどうなっていくかということが注目されますが、亀山市との関係は四日市市よりもより密接な部分があり、亀山市政の運営についてだけでなく、それぞれの候補が鈴鹿市との関係をどのように考えているのか、そこも大きな論点になると思うところです。
というのは、鈴鹿市と亀山市は介護保険事業において広域連合を組んでおり、同時にいま県が策定中の地域医療構想においても鈴鹿亀山医療圏と考えられ、国道1号線や名阪や新名神などで関係も深いといえるからです。しかし、亀山市はケーブルテレビは津の局であるなど微妙な部分もあります。
そのような鈴鹿市と亀山市の関係ですが、介護保険の事業に深く関係する形で、それぞれの市で地域包括ケアシステムの構築と、地域づくりが進められています。ここに大きな課題があると考えるのですが、介護保険のサービスを受けることになるそれぞれの対象住民にとって、はたして、関係するほかの行政サービスの内容も同様にできるのかという点があります。
例えば公共交通で亀山市が独自のサービスを展開しているからと言って、鈴鹿市でも同様の取り組みをすることは難しいことがあるでしょう。なぜかというと、それを実行するためには財源が必要になり、鈴鹿市と亀山市ではそれ以外の政策の進め方が違うため、はたして財源が確保できるかという課題に直面するからです。
医療圏構想で言えば、鈴鹿市にある鈴鹿中央病院と回生病院の2病院は大きな存在になりますし、現時点ででも鈴鹿市応急診療所に亀山市からも応分の人数が受診しているなどという実績もあります。先だっては、鈴鹿市と亀山市の市境での救急対応について、両市消防が協力体制を築いたといったこともあります。
また、いま鈴鹿市議会内で複数の議員が、今後の福祉政策を進めていくことを考えた時、広域連合で行っていくことに限界があるのではないか、亀山市との連合解消も考えなければいけないのではないかという意見を持っています。特に、地方自治法の改正により、広域計画の策定をしないことを選択したことによって、両市の間の政策調整が行いにくくなったことも、今回のような考えが広まりつつあることと関係あるように思います。
その一方で、過去から鈴鹿と亀山はつながりのある地域であり、関宿などの観光面などを考えても、その点の連携を意識することは重要であると考えられます。また、今後の公共施設マネジメントを進める中では、同様の位置づけを持つ公共施設を広域連携で活用、もしくは統合するかといったことも想定しなければいけないかもしれません。
などといろいろ考えていると、今後10年以内に、それぞれに独立した自治体として進んでいくのか、もしくは、合併というようなことも検討しなければいけなくなるのか、厳しい状況が目の前に差し迫っていると考えるところです。議員になって、はじめて広域連合議会議員となったとき、当時は田中市長でしたが、鈴鹿市の職員さんと話している中で、鈴鹿と亀山は「気のいいお兄ちゃんと、やんちゃな弟」みたいな関係だと聞いたことがありましたが、これからはどうなっていくのかというところです。
今回の亀山市長選挙は、亀山市の住民の方にとっても鈴鹿市との関係を考えていただく大きな、重要な機会だと個人的には思うところです。