明日、6月1日から鈴鹿市では小中学校の授業が再開されます。5月18日の中学校の分散登校から始まって、20日からの小学校の分散登校を経て、6月1日は3限で、6月2日から5日は5限で行われ、翌週の8日から通常の形に戻る予定です。
分散登校という慣らし期間があったことで、急激な変化で困惑する児童・生徒も少ない可能性は高いと思いますが、とはいっても、新学年の新学級で一斉に集まることになるので、教員の方々は相当に気を配ることになると思います。また、子どもたちも長い休校期間と分散登校を経てとなるため、メンタル面で少し揺らぎがあるかもしれないと思います。また、学校だけでなく、学童保育、部活動、放課後活動など、徐々に動かしていくことが必要になるでしょう。
少し前から考えていることなのですが、今後、雇用情勢が厳しくなった際には、子どもたちを支える領域での雇用を、パートタイム会計年度任用職員の形で、自治体が積極的に行ってはどうかと考えています。固定費は増加しますが、厳しい社会状況の中ではやむを得ないことだと思いますし、このようなきっかけから、子どもたちのセーフティネット、子どもたちの教育環境を変えていけばいいのではないかとも考えています。
学校教育活動の再開に話を戻しますが、入試などに向けて学習内容をこなすことや、カリキュラムをどうするかということが話題に上がりますが、新型コロナウィルスが秋から冬にかけて第二波や第三波の形で現れる可能性や、もしかすると、インフルエンザの大流行もあり得るなど、もし感染症の流行が発生したら、教科学習を学校で行うことは非常に難しくなるでしょうから、感染症の流行拡大に備える視点から、子どもたちの教育を考えることも必要に思います。
このとき、学習内容の量や学習時間にばかり目を向けるのではなく、やはり児童・生徒の学習意欲、モチベーションに視点をしっかり向けるべきなのだと思います。「 好きこそものの上手なれ 」という言葉がありますが、学ぶことに対する意欲の有無とその強さが、知識や考える力を獲得するために大切です。いま、このような状況だからこそ学びの効果や質を高めて、次のリスクに備えるべきだと思います。「 学ぼうとする意欲 × 学びの量や時間 」で考えれば、そのことをわかっていただけるのではないかと思います。
教育委員会と学校現場の教員の皆さんはそのように動かれていると思いますが、児童・生徒の家庭と保護者のみなさんも、また地域の大人のみなさんも、私たち政治に関わる人間も、「 学ぼうとする意欲 」を育てること、子どもがなくさないようにすることに、授業再開後は特に力を入れて支えるべきだと思います。ここを支えなければ、教育格差が子どもたちの内面から生まれることになってしまうでしょうし、そうなるとリカバリーが難しくなると思います。
「 学ぼうとする意欲 」を育てるには、やはり自分から考えることと、考えたことも誰かと共有する機会があることだと思います。そのようなことを支えるために「 探求学習 」をうまく組み合わせることが、小中学校でも効果的と思います。
子どもたちは世の中のことに関心がないわけではないはずです。身近なところで気になることを話し合い、みんなで調べることを選び出し、それぞれに調べて、どう取り組んだらよい方向に向かうを話しあって、みんなで答え、考えを共有することを取り入れてはどうでしょうか。どんなささいなことでもいいから、学年に応じて取り組んではどうかと思います。話し合う中では言葉に出せてはいないけれども、3月以降、心の中で引っかかっていたこと、傷ついたりした部分を、子どもたちが少しでも出すことができれば、メンタルケアにもなると思います。
そのためには、教育委員会と学校現場の教員方々だけのことにするのではなく、児童・生徒の家庭と保護者も、地域の大人も、私たち政治に関わる人間も、一緒に学びと育ちを支える意識が必要だと思います。