鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

避けられない災害とまちづくり

2013年02月28日 17時55分08秒 | Weblog
今週は防災・減災関連で2つの講演会で話を聞きました。
ひとつは東大地震研究所の大木さんの話で、避けられない地震災害からどのようにして自分を守るのかという観点から、もうひとつは、避難・そのときあなたはどうするかという観点から、減災・復興支援機構の木村さんの講演でした。

それぞれを聞かせていただき考えたことは、この日本という国で生きているということは、プレートの動きと関連する地震や火山活動などの災害から、完全に避けていきることはできない。よしんば自分の時に被災することはなくても、自分の子供や孫の世代には、必ず何らかの変動があることを、私たちは受け止めなければならない。
その上で冷静に、科学的な視点、歴史的な視点から現状をとらえて、今できることはもちろん、次の時代とまちのあり方を考えなければいけないのではないかということです。

つまり、今の大人だけの考えだけではなく、次世代が災害リスクを踏まえながら、自分たちがどのようなまちに、どのような形で暮らしていきたいかに、これまで以上に耳を傾けながら、大人世代は次の時代を考えるにあたっての課題を整理、解決に取り組むべきだと思います。

変化に伴う大きな痛みを伴うかもしれませんが、それを乗り越えていくことに、人の知性が問われるのではないかと思います。決して後ろ向きにではなく、未来志向で世の中を充実させながら、私たち自身の新しい暮らしのあり方も創造できる可能性があると私は考えます。
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EV用急速充電器設置

2013年02月28日 02時41分37秒 | Weblog
新聞報道にもありましたが、鈴鹿市役所南館駐車場(立体駐車場入り口前)にEV用の急速充電器が設置されました。充電については、利用者の方がチャデモネットワークという充電ネットワークに加入し、月利用料を支払えば、鈴鹿に限らず全国の充電器で利用が可能になるということです。

写真を見て頂くとわかると思いますが、現時点で青空充電です。全国的にこのようなスタイルであるとのこと、また、屋根をつける駐車したままになる恐れがあるということで、このようにしているとの説明を聞きましたが、漏電しないとはいえ、やはり接続部分に雨水がたれたり、プラグを差し込むために雨に濡れることがあるのはどうかと素直に思いました。ので、現場でそのことについての懸念を伝えました。



これで市長公用車として使用しているフィットEVに続いて、鈴鹿市としてEVへの取り組みを進める2歩目が踏み出されたという感じです。この機器は、富士電機製で鈴鹿工場で生産されているということで、地元産業との関連についても、歩を進められたと考えます。
また、鈴鹿商工会議所さんについてもフィットEVを導入するという話が決まったとの情報もあり、図書館前に同様の充電器を設置する考えもあるということで、今後、市内の自動車ディーラーには既設の充電器もありますから、いろいろな展開が考えられるのではないかと思います。

私個人の考えとしては、EVについては環境政策ではなく、産業政策面からの考えが鈴鹿にとって重要と考えていますので、今後、関連のものづくりが広がることや、企業にも関心を高めて頂くことが重要と考えます。この点についての考えが、まだ鈴鹿市は弱いのではないかと考えています。

また充電器については、今後、鈴鹿市の西部地域において名阪鈴鹿インターチェンジもしくは平成30年に設置予定の新名神鈴鹿スマートインター付近、観光拠点としての鈴鹿サーキット、中部の平田町駅周辺、東部地域では白子駅周辺に設置する必要があるのではないかと思います。

しかし、ただ設置すればよいということではなく、あくまで、それも利用した鈴鹿市の将来都市像を重ね合わせる必要はあると考えます。EVの航続距離の特性や超小型モビリティとしての利用を考えると、コンパクトシティの考えはもちろんですが、現在の鈴鹿市の状況から考えて、今後、既存市街地を活用しながら、まちを再編することも考えるべきだと思うからです。そこにスマートグリッドやスマートシティという考えも含めるべきでしょう。

今後、次世代自動車のあり方については、PHV車はもちろん燃料電池車などいろいろ出てくるとは思いますが、中小企業発の超小型モビリティや、個人的にはAKIRAで見たような電動バイクの開発などというのも、バイクへの逆風はありますが、鈴鹿には魅力的ではないかと考えたりもします。

ちなみに、環境部長の運転でフィットEVに乗りましたが、スポーツモードの加速はやはり勢いがありますね~。音も静かで、自分の車の印象からすると違和感が強く感じられました。むか~し、保健センターの前でしたか、その時の電気自動車に乗った経験もありますが、道具としての進化はすごいですね。
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ブログの投稿について

2013年02月28日 02時02分22秒 | Weblog
ブログの投稿について、ときどきご意見を頂きます。
メールで頂いたり、コメントを頂いたりはもちろん、議会事務局などを通じてもいただくことがあります。
ご意見を頂いて、自分の考え方について整理することがあるのはもちろんですし、表現などについても気を付けるようにするなど、諸々の配慮をもちろんしています。

基本的な考え方として、自分の考えを書きながら、読んでいただく皆さんにも一緒に考えて頂ければ、ということがあります。
また、情報は開いて共有すべきと考えています。個人情報や個人を攻撃することはするべきではないので、そのようなことをこのような場に書くことではないと考えています。
が、政策などに関連することは、できるだけどのような過程で、どのような考えが交わされているかということを、わかるように書くことが大切だと考え、それぞれのブログは書いています。

そして、このようにネット上に意見を出すことは、いろいろ難しいことがたくさんあることはわかっているつもりです。そのリスクも意識しています。

それらを考えた上で文面を書いており、自分に文責があることを意識していますので、要請があった場合などは必要に応じて、ブログの文面を修正することがあります。その場合、要請については第三者の方からの意見もお聞きして、いろいろなことを加味することが自分なりの前提です。
しかし、理由について特に書くことはないので、修正に気づかれる方も少ないのではないかと思います。

しかし、これまでの中でいくつかの事例については、どうしてもいろいろと考えることがあるのも事実です。
それも社会の中ではありがちなことと言えばそれまでですが、ありがちとして流したり、仕方ないとあきらめることばかりでは、次の世代にもそのようなことを残していくことになり、それはあかんよなと思います。








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議案質疑の改善について

2013年02月22日 13時14分48秒 | Weblog
議案の審議に関して、本会議場で行う議案質疑と、所属委員会で行う委員会質疑があります。
することは同じはずなのですが、実際のところ、鈴鹿市議会では本会議場と委員会でのそれに違いがあります。
端的に言うと、「自己の意見を述べることなく」という部分について、大きな違いがあるのです。本会議場では厳格にそれが求められる一方で、委員会ではかなり許容範囲が広いものとなっているのです。

本質的に、議案に対して質疑を行うということは、その議案に何かしらの疑問があるから質問を行うわけで、その視点で言うと、質問者の意図のない質問はあり得ない、自己の意見なく質問をすることはあり得ないと考えられないでしょうか。
とは言いながら、延々と自論を述べるだけで、質問の論点がはっきりしない質疑は行うべきではないと思います。

この点について改善策を考えると
 ①本会議場質疑を委員会と同じように行うようにする。
 ②委員会質疑を本会議場と同じように行うようにする。

の2つの方向性ではないかと思います。

私の考えとしては、今後の議会の活性化を考えると、①よりも②のほうがよいのではないかと考えます。

その根拠は、委員会における議員間の議論を前提と考えることからです。つまり、行政側からの出席説明者は議案についての説明を行うだけであって、議員(委員)それぞれが議案に対して持つ問題意識について、まず、その委員会の議員に一度投げかけるべきではないかと考えるからです。
そのプロセスの中で、委員会内で課題が共有され、委員会の意見としてまとめる、まとまることが大切と考えています。しかし、残念ながら意見がまとまらない場合や、意見が出なかった場合、その時は質問議員の意見として行政側に伝えればよいのではないでしょうか。
こうすることで委員会審議がより深まることや、議員間の議論が活性化することが期待され、議会の活性化につながると考えます。

逆にこのようにすることが現時点で難しいというのであれば、①を選択したほうがよいのではないかと考えます。
根拠は、活発な質疑とそれに対する行政側の答弁の緊張感を持ったやり取りが、議会の活性化につながるのではないかと考えるからです。

ともかく、同じことを行っているのに違いが存在するということは、合理的なこととは思いませんし、理解しにくいことだと考えますので、そのギャップをなくすようにすべきだと思います。
また、現行の本会議場質疑や委員会質疑の場合にしても、ここに書いたどちらのパターンを考えるにしても、冗長な発言や質疑とならないようにすべきです。そのためには発言主旨を明確にする意識が求められると思いますし、おおむねの発言時間の目安を考え設定することが必要と考えます。コンパクトに発言をまとめるスキルの向上は、議員側に求められることだと私は考えています。
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2月20日研修と議会報告会について 2

2013年02月22日 03時10分11秒 | Weblog
それでは、2月20日に開かれた三重県自治体議員研修「成果志向の議会改革」についてと、21日に開かれた鈴鹿市議会広報広聴会議の資料を掲示します。

研修の講師は、過去2度の市民と議員の条例づくり交流会議in東海企画でもお世話になっている法政大学の廣瀬克哉教授でした。

まず資料の1枚目・・・

ここでは【公聴会】・【請願】・【議会報告会】という、議会の持つツールの重要性の話でした。特に議会報告会について、全国1700あるうちの400の議会で実施されているけれども、参加者が減っているという状況があり、それは、≪報告会≫という言葉から、議会から一方的に聞かされるという印象を市民が受け取っているからではないかと考えられるということについて、たしかのその通りの部分があると考えました。

資料の2枚目は議会の道具箱について・・・


3ページめ・・・

ここではやはり、アウトカムの部分をしっかり考えなければいけないということがポイントと思います。議会報告会を行うにしても、議員の満足に終わるのではなく、やはりきちんとPDCAサイクルをまわさなければいけないと思います。

4ページめ・・・

ここでは、すずか倶楽部の報告会での意見交換でもあったのですが、報告ではなく事前に意見を聞いてほしいということに対して、通年議会は有効であること、通年議会は議会にとってだけではなく市民にとっての道具ともなるということです。

5ページめ・・・

ここではやはり広聴の部分と、それを政策形成につなげることの重要性です。ここまでをトータルして考えると、鈴鹿市議会でも報告は報告で整理することはもちろんですが、「広聴」の機能についてより重視して考えるべきだと思いました。その意味で、たんに報告会の開催や広聴の議論だけではなく、すべての議員で、常任委員会の議論のあり方など、過去にとらわれず話し合う必要性を感じます。もちろん、会津若松市議会さんが実践したように、そのような場に、住民の方々を交えていくことも大切だと思います。


さて、21日の広報広聴会議の資料です。
大枠の報告会の方向性ですが、今年度は現時点で市内6ブロックある自治会の集まりを基本にして、予算議会の3月と9月の2回実施でどうかという意見が出ました。とりあえず、4月末を目標に開催することは確定です。
方向性について、すずか倶楽部の後藤議員から「3月定例会の報告を実施してから、今後の開催方針を決めてはどうか」という意見が出ましたので、今後の展開は報告会が開催後に変更が入る可能性があります。
そのもととなった資料が次のものです・・・


今後開催するにあたっては、報告の際は議会という立場で行うということで、意見交換の場においても、基本線は議会として受けるとしながら、場面に応じて個人の考えも出しながら、活発な意見交換ができるようにすべきではないかと考えます。
ただし、議会報告会は個別議員のパフォーマンスの場ではないと考えますので、自己アピールが過度にならないように配慮しなければいけないと思います。ここは、個人の良識に係る部分と思います。
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2月20日研修と議会報告会について 1

2013年02月22日 02時37分18秒 | Weblog
過去このブログでも書いていますが、一昨年の9月と12月議会、昨年の3月と6月議会と、所属会派のすずか倶楽部で先行する形で議会報告会を実施しました。これは、すずか倶楽部のメンバーが、議会報告会に対して意識を持って取り組んでいたからで、自分としてもそれぞれの報告会の資料作成や、会場準備、実際の報告や意見交換と、実践したことで非常に得るものがありました。基本的な流れは、京丹後市議会さんの報告会を下敷きにしながら、会派内で意見を出し合って作成しました。また、市民との意見交換会から政策につなげるということに関しても、会津若松市議会に視察し、当時、松崎議員と小林議員にご説明いただいたことから、報告だけではなく、政策形成につなげることも大切という考えも共有できていたことがあるからではないかと思います。

昨年12月議会については、鈴鹿市議会の市制70周年記念事業として、鈴鹿市議会として議会基本条例と12月定例会の報告を市役所12階で行いました。当日は、産業建設常任委員会委員長として報告を行いました。報告について他の常任委員会と大きく違いが出ることは避けるようにしながら、報告の内容については、なるべくコンパクトにまとめるように配慮しました。

すずか倶楽部で実践した実績と比較しての感想としては、個人的には満足できるものではありませんでした。それは報告の部分が長くなってしまい、質疑や意見交換の部分が短くなってしまったことが大きな要因です。

私としては、議会報告と市民の方との意見交換は、今後行うべき必須のことだと思います。
それは東京財団の政策提言にもあります。2010年時点でニセ議会基本条例を切るというタイトルで勉強会が行われ、それに参加した際に提示されていた内容です。
http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=538

その当時からすれば、今の鈴鹿市議会の取り組み状況はかなり進んだとは思いますが、個人的には、議会としてはやっとスタートラインに立ったということで、まだまだという印象が強いことは事実です。

つづく・・・
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議会研修2月5日

2013年02月22日 02時10分51秒 | Weblog
2月5日に行われた議会研修の資料を貼り付けています。
個人的な感想としては、過去、会津若松市議会の議会改革の動きや京丹後市議会の報告会を視察したり、また、市民と議員の条例づくり交流会議や、その他の研修で学んだことを再度聞き直すという感じでしたが、有意義だったと思います。

ただ、議会運営についての考えについて、講師の方が議長会で働いているということもあってか、改革志向というよりは、現状を肯定する部分が多く、個人的に残念に感じました。

政務調査費が政務活動費と変更されるにあたって、政党への陳情活動も議員活動ということで、税金からの経費支出が可能という考えについて、鈴鹿市議会は議員間討議のしくみもあることから、一義的にまず議会に対して働きかけ、そこで合意形成して、国や県などに伝えるべきではないかと考えていることから、そのようなプロセスを経ないで政党などに陳情を行うことは、公費として支出する対象としてはそぐわないのではないかと考えます。
研修の数日後行われた全員協議会の場でも、その点について議論すべきではないかと投げかけましたが、他の議員からは特に意見なく終わりました。

●1ページめ


●2ページめ


●3ページめ


●4ページめ


●5ページめ
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違った視点で考えませんか?

2013年02月11日 02時34分11秒 | Weblog
ご存知の方も多いと思いますが、鈴鹿市役所の15階は展望ロビーになっており、南側と北側に机やいすが設置され、昼休憩の時間は多くの職員の方が昼食に利用したり、また、近隣の学生が利用していたり、その他、待ち合わせや簡単な話し合いの場に利用されたりしています。そして、職員共済組合の売店があり、弁当をはじめとしていろいろなものが売られています。



この空間をレストラン的に利用できないかや、一日のイベントで利用できないかということを、庁舎の管理を担当する部署と話をしたことがありますが、そのような利用は想定されていないということと、管理の問題ということで利用は難しいという返事を聞いたことがあります。
個人的には、非常にもったいない状況だと思っています。

なぜ、このような状況になっているのか。

おそらく、自主財源の確保や公共施設の有効活用ということについて、これまでの鈴鹿市はせっぱつまるものがなく、その必要性がそれほど考えられていなかったのではないか。また、活用のためにいろいろ動くことよりも、現状のままでよいのではないかという意識が、進まない原因ではないかと考えています。

しかし、これからはそのような考えではいけないでしょう。

また、いろいろと話をしていると、この新庁舎になってから、昼食時に近隣を利用する人が減ったという話を聞いたりします。15階で弁当などが販売されていると、庁舎内の人の動きが、最上階に行きそこから自分のところに戻るという動きで、外へ向かおうという動きになりにくいということが考えられるでしょう。

15階にレストランはだめだ、けれど、昼食時の動線を変えたほうがいいのではないか。。。と考えたとき、自分ならこう考えるということがあります。

① 15階の職員共済の売店を、1階の喫煙スペースを廃止してそこに移動する。


・・・ こうすることで、弁当時の人の動きが1階に向かうことになり、若干でも、昼食時の職員の動線が変わるのではないか。また、1階にあることで住民・市民の方々の利用もしやすくなるのではないかと考えます。

② ①と同時に、15階の売店スペースは、喫茶やケータリングの形での食事の提供ができるようにする。そして、11時半~1時半はそこで営業する人が、南側の展望スペースを利用することにする。

・・・ このとき、必ずしもひとつの事業者が占有するという形だけでなく、ワンデイシェフのような形態での運営のあり方も検討する。もちろん、それぞれの場合について、売り上げなどから応分の場所代は頂くようにする。

ざくっとしたことですが、このように考えたりします。

また、1階にあるギャラリースペースですが


こちらも、道路側のガラスのところに机といすを置けば、ちょっとした喫茶スペースになるでしょうし、そのほうが写真などの展示も映えるかもしれないかと考えたりします。

できないと考えるばかりでなく、また、現状に縛られるのではなく、どのようにすれば可能なのか、新しい可能性を考えだすことに、ぜひ、同世代の職員の方にもがんばってもらいたいと思います。
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伊勢若松駅のバリアフリー化から考える

2013年02月07日 20時00分20秒 | Weblog
先日、担当課と伊勢若松駅のバリアフリー化について話をしたところ、今回の国補正予算にはのらず、新年度予算においても厳しいのではないかという見方をしているが、国・県に積極的に働きかけていくということでした。総合計画の微調整で事業として取り上げられていることもあり、今後の進捗は注目していくところです。
そのほかいろいろと意見なども市担当と交換しましたが、その他の公共交通に関しての課題についても、しっかり取り組んでいる感触を得ました。


しかし一方で、政治の役割について、考えなおさなあかんと感じた、考えたことがあります。

整理すると、今回の改修について、必要額は約6億円と考えられています。
それに対して、国・県、市、事業者でそれぞれ負担をする形になり、約2億円がそれぞれの受け持つ金額となります。
つまり今の時点で、国・県から約2億円の補助金が得られるかどうかが不確定であるため、事業として取りくめないということが、鈴鹿市の現状ということです。

たしかに、今の社会状況や財政が厳しい折、補助金が得られる可能性があるのにそれを活用しないことは合理的でない、「もらえるものはもらわんと」という発想は間違っているとは思いません。行政サイドから考えれば当然そのようになると思います。

しかし伊勢若松駅は、近鉄線から‘鈴鹿市役所’に鉄道でアクセスするための乗り換え駅であると同時に沿線には複数の高校があるなど、交通の要所であると同時に、ある意味でまちの玄関のひとつといえます。その駅をどう考えるかは、鈴鹿市の政治にとって重要な課題ではないでしょうか。

それが約2億円の補助金の動向でストップしている。
皆さんはどうお考えになりますか。

ひとつの視点として。
仮に国・県の補助金がなしとして、鈴鹿市単独で事業を行うと考えると、事業者の負担金を差し引いて、約4億円が市の負担となります。この金額が市単独で負担できないかと考えれば、そのようなことはなく、決して不可能な額ではないと考えます。もちろん、それをねん出するためには、相応に市の事業を整理、選択する必要はあります。
私はこの立場で考えています。

もうひとつの視点として。
約2億円の補助金について、国に陳情を行ったり、国会議員などを通じて省庁に働きかけたり、ということに疑問を持つべきではないかということです。実際、今までのところ政治の動きでは、その流れが生きていると思いますので、突っ張ってまで否定することは、実現に向けて合理的ではないので、そのような手法をとらないといけない場面もあると思います。
しかし、地方交付金のあり方の見直しや消費税の地方配分を増やすことで、このような手順を踏まず、自治体が自分たちの責任で自治を行うようにすれば、そもそも、このような手間をかけなくてもよくなるのではないでしょうか。

これら二つのことについて、首長、市町議会議員、都道府県議会議員、国会議員とそれぞれ、住民の生活と政治ということから考えなおさなければいけない時期なのではないかと思います。
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熊本市の校区自治協議会と2000人市民委員会について

2013年02月01日 11時32分51秒 | Weblog
1月29日に熊本市で表記の二件を行政視察しました。
本論に入る前に、熊本市は合併後、市内を東、西、南、北、中央の5つの区にわけて運営している。東区は空港が存在し人口の多い地域で、中央区は中心市街地、西区は海岸地域で農業や漁業が盛ん、北区は3町合併で農村中心の地域、南区は2町で新幹線と農業の地域となっている。
また、平成22年度に自治基本条例が、平成23年度に市民参画と協働の推進条例が施行され、住民自治に取り組んでいる。



熊本市ではこれら5区について、平成24年度に各区の振興ビジョンを策定、平成25年度に各区でまちづくり懇話会を開催している。まちづくり懇話会には、連絡協議会から委員が出され、区長に提言を行っている。来年度化、区の予算として各区1千万円を配分し、区ごとの取り組みを進める予定という。


●校区自治協議会について
校区は小学校区であり、そこには自治会、まちづくり委員会、社会福祉協議会、青少年育成協議会、防犯協会、体育協会などの地域団体が活動しており、それらをつなげ連携して、校区のコミュニティづくりを推進するための機関として設置された。現時点で91校区に設置、残り1地区が今年設立されると、すべての校区に設置されることになる。協議会には学校長や出張所などに設置しているまちづくり交流室職員も出席している。



現在、各協議会には年間20万円の補助金が支出され、それぞれの協議会でさらに独自に自治会から資金の供出を受けて運営しているという。主な活動事業は次の表に。



熊本市内には841の自治会があり、うち女性自治会長は64人、加入率は約87%ととなっている。連合会はあるが、自治会長間の連絡程度ということである。


※鈴鹿市について
熊本市の取り組みは基本的には鈴鹿市のそれと類似している。違いとしては、小学校区と行政側も区割りし、さらに5つの区と連携させるところか。熊本市の取り組みを参考として考えると、現在の市内の住民のまちづくり活動単位を整理することはもちろんであるが、行政側もきちんとフレームを整理して考えなければいけないということである。この点については私自身、以前に一般質問でも提言等を行ったのだが、行政側はそれについて議論した形跡を感じることができなかった。

鈴鹿市でが関わるフレームとしては、単位自治会、23地区の連合自治会、小学校、中学校、包括支援センター、社会福祉協議会など多様に考えられるが、行政側がそれぞれの縦割りで「地 域」をとらえて運用しており、非効率な面も見えていると考える。子育てと高齢者福祉、持続的にその地域で住んでいくということを考えたとき、この不連続性は決して住民にとってプラスとは言えない。
また、熊本市の取り組みで参考となる点は5つの区の運用である。鈴鹿市においても、過去から白子、神戸、牧田という3地域が話題に上がるが、例えば南部地域、西部地域、東部地域を加えた形で、行政の区割りを再編することも視野に入れてもよいのではないかと考える。

鈴鹿市が今から取り組むべきことは、行政側が一方的に区割りを決めて提示するのではなく、また逆に、すべてを住民側に任せるのではなく、住民に関わるさまざまな「地域」のフレームを提示し、それをレイヤーとして重ね合わせながら、住民の側からも「地域」を整理して協議会を立ち上げることに取り組むべきである。その際、まちづくり協議会のフレームに参加できる方は、どうしても高齢者の方に偏りがちになるので、すべての年代が参加しやすいような仕組みを鈴鹿市が支援するようにすべきと考える。

最後に、私の意見であるが、子どもも高齢者も徒歩で移動できる範囲であり、なおかつそこに反永続的に居住している人が多く、子どもたちの発達段階でも重要な時期である小学校区を、鈴鹿市は住民自治の基本「地域」に設定すべきと考える。
例えば、コミュニティスクールという考え方についても、中学校区に無理に設置するという考えではなく、中学校区は自立した小学校区のコミュニティスクールがゆるやかに連携するようにするように考えることがある。高齢者福祉を考えても、歩くことのできる範囲で支援体制を構築することは、介護予防の観点からも重要ではないかと考える。


●2千人委員会について
この取り組みは市長公約で行われており、5地区から住民数や性別、年齢層を勘案しながら無作為抽出で選ばれた委員で構成されている。



委員には市の施策についてのアンケートが、詳細な資料とともに送付され、委員はそれを元にアンケートを記入し、郵送で返送する形を取っている。回収率は約7~8割で、担当課から提出を促す連絡を入れたりするともいう。この他に、全体勉強会なども開かれているが、参加者が少なく課題ということである。集まったアンケート結果について、集計は委員会担当課で行うが、アンケート結果の分析はアンケート内容担当課で分析するということである。
来年度は新委員による委員会を予定しており、無作為抽出の1万人の市民から、各条件を勘案し2000人を選定するという。

※鈴鹿について
市長の取り組みということで、そのまま導入することは難しいのではないかと考える。
しかし、鈴鹿市において参考となる点は、行政側がこの熊本市のアンケートの意識で、各施策に取り組むことである。単にパブリックコメントを諮るよりも、このようにモニターを無作為抽出し、詳細の資料とともにアンケートをとることは、施策の理解を広めるためにも有用ではないかと考える。また、コンサルを使うことが状態化している感があるが、やはり、職員の持つ能力を活用しながら、主体的に施策に取り組む環境を作ることが重要ではないだろうか。

逆に、執行部側がこのように動くとなれば、議会側がどのように住民とつながるかが問われてくる。良い意味での機関競争につながるようにすべきと考える。
鈴鹿市議会では、議会報告会という形だけでなく、会津若松市議会のように意見交換会を開催し、そこから政策形成を行うことを考えるべきではないだろうか。

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