鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

全員協議会② 市立体育館電灯使用料について

2024年11月14日 22時48分09秒 | Weblog

①に引き続き、今回は(2)の運動施設設置条例の改正の、自分として妥協できない「②市立体育館の電灯使用料関係」の部分について書きます。改正内容は、電灯使用料が全灯4000円という設定だけだったものを、半灯2000円を追加し、あわせて使用料の別表を改定するということです。しかし、市民意見を取り入れて検討したと言いながら、誠実さに欠ける提案と自分は考えました。

その理由は、2019年に大規模改修が行われ2020年にリニューアルオープンされたのですが、その時点から担当のスポーツ課には「①改修前は時間900円だったものが時間4000円となった。(記憶では当初減光できないというようなことを聞いた覚えがあるのですが、実際には減光可能できたものの、料金設定はそのまま。)②鈴鹿スポーツガーデン(現:スポーツの杜鈴鹿)はすでに全灯、2分の1灯、4分の1灯という区分けで使用料がわけられていた。」ことから早急に4分の1灯の設定を導入するなど見直すべきと意見していたことがまずあります(議事録に残していなかったことは反省)。

次に、最近では、市立体育館の上部には屋外光を取り入れられるトップライトの部分があるのですが、快晴など日照量がそれなりにある時はそこからの光で競技などが行えますが、曇天から降雨時などは照明がなければ競技に支障がある明るさになり、その場合は照明を点灯する必要が出るのですが、天候によって利用料金の総額が変わるのはおかしいのではないか、全灯時間4000円の設定であればなおさらで、4分の1灯の設定を導入してそれを使用にあたっての基本設定とし、占有使用料に上乗せしてはどうかと意見もしていたこともあります。

そしてなにより、自分が男女混合6人制バレー大会のすずかっぷを主催していることや、ジュニアバレーの大会の現場にいたりすることもあるため、照明や空調なども含めた料金などについて、利用者視点で意見をしていたからです。スポーツガーデンで開催していた時には、運営コストの関係から4分の1灯で行っていたのですが、競技を行うことには問題はありませんでした。市立体育館で照明を使用することがありましたが、時間4000円という設定なので運営コストとの兼ね合いから点灯するタイミングに苦慮しましたし、全灯は明るすぎたので減光して運営したこともありました。

まず、ここまでのところでLED灯という調光のできるものであるのに、4分の1灯として全灯の4分の1の料金設定を考えていないことなど、市に課題があると考えました。

そこで、スポーツガーデンの事例だけでは説得にかけると考え、あらためて屋内スポーツでの照明の照度のあり方について検索したところ、「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準(2011)」がありました。それによると以下のような区分が存在しています。ⅠにはVリーグ(バレー)やBリーグ(バスケ)、リーグH(ハンド)の試合などが該当するでしょうし、Ⅱは県大会や東海大会といったカテゴリーの試合、Ⅲは市の大会などやすずかっぷのような試合と考えられます。

普通に考えれば、この照度の考えで3段階の設定が自然で問題はないはずです。しかし、質問に対する説明は「市立体育館は750ルクスで最大が考えられていて、半灯の約320ルクス程度でも問題はないと考える。今後の要望などでその下の設定も考えることがあり得る。」というようなものでした。Ⅱより照度が低くⅢより高いという中途半端な考えでよいわけはないと思います。条例改正を行うのであれば、その機会にJISの考えにあわせた考えにして、それに応じた使用料金の設定にすべきです。Ⅰであれば4000円、Ⅱであれば2000円、Ⅲであれば1000円は合理的なはずです。

ここで市の姿勢で課題と考える点があります。たしかに、自分も利用者としてかなり意見をしましたし、時間4000円という高額な設定に意見をされた方々も多く、それを受けて改定に取り組んだことは否定するものではないのですが、利用者にJISの考えを提示しながら改定の意見をヒアリングしたことはないはずです。またこの秋、10月14日にすずかっぷを開催した際も、11月3日にジュニアバレーの市長杯の開催時にも、スポーツ課から照度に関する意見を聴かれたということはありませんでした。すずかっぷは別として、市長杯でヒアリングは行えたはずです。現場の状況をじかに確認せず、その場で意見も聞いていないことはいかがなものでしょうか。

なにより、市民の方々に「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」を知らせないまま、Ⅲでよい利用者からⅡと同等の金額を徴収する形になるのは誠実さに欠けると考えますし、必要以上の電力を使用することは環境負荷の面から考えていかがなものかということも成り立つのではと考えるところについても、市に課題があると考えるところです。

設備面を考えると、全員協議会だけでなくスポーツ課で意見をやり取りしていた時、「調光は二段階で、三段階にすると改修費用が加算となる。」というようなことが出てきたため、どれだけかかるのかと問い返したところ「わかりません」という主旨の返答があり、自分からはLED灯は調光できるので設備面の大きな改修は必要ないだろうと言いました。実際、現時点でも市立体育館で減光するときには、手元コントローラーのようなもので行っているのを見ています。

そしてここまでを総合して考えていくと、そもそも2019年に行った大規模改修時に、「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」に対応する照明の改修でなければいけなかったはずですし、そうでなかったのであれば議会にもその旨を説明する必要があったはずです。そこが「調光は二段階で、三段階にすると改修費用が加算となる。」という言葉の中に潜んでいます。もしそれが本当であるなら、市行政の落ち度ではないでしょうか。手落ちを隠すために今回の考えになっているのであれば深刻です。

逆に「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」に対応する照明の改修が行われていたのであれば、そのことを公にせずに使用料を大幅に引き上げ、調光による使用料の調整がないものにしたことは、市民に対する重大な背信行為と言われても仕方がないことですし、議会に対する対応を考えても非常に問題のあることだと考えます。職員の資質が問われるでしょう。

ですから、今回の市立体育館の電灯使用料について、全員協議会の説明のままで議案となるのであれば、自分としてはとても容認できるものではないですし、今後の鈴鹿市政を考えると、修正案の提出まで視野に入れて考えなければいけなくなる課題と考えています。ですので、市議会全員協議会の場ではこのままではよくないと考えている旨を最後に意見して、末松市長と副市長に再考して頂きたいという意見を伝えました。

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全員協議会①

2024年11月14日 21時01分25秒 | Weblog

今日、11月14日の市議会全員協議会では、(1)東京事務所設置について、(2)運動施設設置条例の改正(①サンスポへ設置の多目的広場に関する利用規定と使用料関係、②市立体育館の電灯使用料関係、③武道館の利用料関係)、(3)第3期鈴鹿市子供子育て支援事業計画(案)について、以上3件が議題として挙がってきました。

(1)については、12月補正予算が関連し、所管となる総務委員会委員長なので、全員協議会では他の議員の皆さんのご意見と執行部の回答に耳を傾けました。意見は大きく、積極的に推進することに賛成の方針と、費用対効果や設置にあたっての成果について慎重であるべきという姿勢に分かれていたかと思います。

事務所の設置にあたっては、2名の正規職員と東京で採用することを考えている1名の会計年度任用職員、あわせて3人の配置が想定され、設置場所の賃借料などをあわせると、東京事務所分として経常経費で約4千万円増加する考えとなっています。正規職員については、庁内人事で対応することを考えているということでしたが、実際どうなるかの確認が必要な部分と考えました。

自分としては、設置にあたっては東京事務所として具体的な成果目標、例えば「東京事務所が主体となって東京で行うシティプロモーション事業を年に3回行う。」などを設定するなどしたほうが良いと考えるところです。

順番が前後しますが、(3)については今後策定が考えられている「市町村こども計画」をはじめとした関連計画との関係性などについて、関連ページに記載するか、もしくは巻末に記述したほうが良いと意見しました。

で、(2)の運動施設設置条例の改正ですが、自分として妥協できない「②市立体育館の電灯使用料関係」の部分について、鈴鹿市の考えと姿勢について問いただしました。簡単に言うと、これまで電灯使用料が全灯4000円という設定だけだったものを、半灯2000円を追加し、あわせて使用料の別表を改定するということなのですが、一見すると良いように見えますが、誠実さに欠ける提案と自分は考え、強く二役にも意見しました。このことについては、次のブログに書きます。

 

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まちの高齢化①

2024年11月08日 11時50分51秒 | Weblog

2014年に「まちの高齢化について」というタイトルで、「“人”、“モノ”、“システム(社会)”」も高齢化していることを提起して、今後の鈴鹿市での考えを問う一般質問を行ってから10年経った今、あらためて考える必要がこの街にはあると実感しています。

ただ“ 高齢化=悪 ”とだけ考えているわけではありません。それによって得られる価値もあると考えますから。熟成ともいえるなと考えながら、発酵と腐敗も考えに近いなと検索していたら、興味深いサイトがありました。それはお味噌などのマルコメで、その中に「発酵と腐敗・熟成の違いって何?」があり、その中での一文「発酵と腐敗の違いとは、人間が人間の視点で決めたこと。どちらも微生物の力によって物質が変化することをいうのですが、それが人間にとって有益なものであれば発酵、有害なものであれば腐敗ということになります。」、うまくあてはまるなと。

■marukome :TOP>発酵マイスターに聞く!知って得する発酵豆知識>発酵と腐敗・熟成の違いって何?

さて、仮に、生産年齢人口が最高となる一方で若年人口より高齢人口が上回ることになった1990年代半ばの状態を【 人(1)× モノ(1)× システム(1)】として、それ以降の高齢化の進行にあわせそれぞれの数字が増えていくと、乗数で課題は大きくなると考えられます。人に関しては生産年齢人口と若年人口を合わせた人数が(1)の時より上回れば、モノは新しいものに更新されれば、システムは構成するメンバーの若返りや手法などの大きな転換があれば、それぞれ(1)以下の数字になると考えるときは、それに応じて数字が小さくなる方に動く。つまり課題の解決に動くと考えられます。

一般質問で例として取り上げたのは、地域医療に関してのことで、地域医療の危機は、人である医師の高齢化が、医療体制というシステムに影響を与え、また、モノである診療所も老朽化することなどで起こってくるリスクではないかということです。それが巡って現在、9月定例議会で同僚の薮田議員が鈴鹿市内における小児科診療所の状況を取り上げ、先細る現状への取り組みを質問するなど、考えたことが起こりつつあると考えます。また、身近な地域の医療機関を考えても、代替わりという形で継続しているところもあれば、閉鎖されたところもあるなど、真剣に考えるところに来ていると感じています。

■2014年6月一般質問「まちの高齢化について」

また空き家で考えると、少し大雑把にはなりますが【 居住者の高齢化と人口減少 × 家屋の老朽化 × 人口増に適応した所有の考え】という構造と考えられます。高齢化と人口減少の進行というところでは、昨年度は三重県の北勢地域の人口と同じくらいの、60万人以上が全国で減少していました。ということは、空き家になるところが増えるだけではなく、人口による需要も減ることになるでしょう。それと同時進行で家屋が老朽化すると、傷んだ住宅は選択肢からはずれてしまう。そこに人口増であれば機能していた財産権などの考えが、人口が減る中で時代に合わなくなっている可能性と重なり、日本全体で減少空き家の課題を大きくしていると考えられないでしょうか。

“モノ”の高齢化について、公共施設マネジメントの取り組みに追われていますが、そこから考えを広げると、行政の持つ施設だけではなく民間の建築物も老朽化していくこと、その修繕などは所有者の責任とは言え、あり続けることは難しいのではないかという視点も含めて考えたほうが良いように思います。なぜかというと、施設は単体で存在しているのではなくて、その他の建物などの機能と関係しながら、街を形成していると考えられるからです。

考えると、老朽化した公共施設などが車社会を前提に配置されてきたのであれば、そのままの場所で継続しようと考えると、その後の地域の構成は、車社会というシステムの継続ありきとなってしまうのではないでしょうか。そこに手を付けようとせずに、移動の課題だけを考えても解決は遠いように思います。

と、考えていくほど単純化できないことも見えてくるのですが、目に見えている社会や地域の課題を、人、モノ、システムといった視点で分けて考えてみるのもありかと考えています。

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